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秋の北アルプス縦走

2週間前の週末、槍ヶ岳、北穂高岳、涸沢を2泊3日で縦走してきました。当初予定は、上高地→槍ヶ岳(槍ヶ岳山荘泊)→大キレット(北穂高小屋泊)→奥穂高経由もしくは涸沢経由で上高地へ下山。でしたが、2日目土曜が雨予報。登ってしまって身動きとれないのも困るなあと、前日朝にキャンセル考えて小屋に電話すると『キャンセルは当日の朝でも良いですよ』とのことで『もう一息考えます』と一旦電話を切り、登山天気とてんくらをにらめっこ。山に行く前の天気予報確認時間の長さたるや。結局、行けるところまで行ってみよう、と夜行バスに乗り込み上高地へ。朝5時すぎの上高地の空は星空でした。夜明けとともに、5時半スタート。

朝日で赤く染まる奥穂高

横尾山荘に到着。ここで痛恨のミス。地図にルートを色々書き込んでいたのもあって、間違えて橋を渡って涸沢方面に向かってしまった。。。途中で気づいて戻るも1時間くらいのロス。地図読みレースに出ているとは言えない凡ミスにテンションだだ下がり。バカバカ馬鹿ー。

横尾大橋。槍ヶ岳に行くには渡ってはいけない。。。

気をとりなおして歩を進めます。槍沢ロッジをすぎ、槍沢沿いの道に入るとだんだんと登りがきつくなっていく。青空に山と紅葉が美しく気持ちいい。これだけでも来てよかった。

そして、標高2100mを過ぎるあたりからザレて歩きづらくなってくる。

振り返るとこの景色。秋の山。きれいです。

PM12:20 上高地を出てから約7時間、次第に雲が立ち込めてきて、背中の荷物の重さが気になってくる頃、坊主岩小屋、標高2667m。見上げる先には何も見えないけれど、槍ヶ岳山荘まであと350m強。

坊主岩小屋。一歩一歩登って行く人たち。

この先がきつかった!珍しく足の指も痛くなってきて、ザレ場がきつい。岩に、400m、300m、200mと残りの標高が書かれていましたが、それどころではなく黙々と歩く。PM14:20、槍ヶ岳山荘到着。

槍ヶ岳山荘に到着。あたりまっしろけ。

小屋にチェックインして荷物をデポして、槍ヶ岳山頂を目指します。

ヘルメット装着し、岩場を登っていく。

このお天気のおかげで登山者ほぼなし。はしごや鎖の順番待ちなどもなく、すいすい進み、登頂!

槍ヶ岳ホワイト!
山頂独占!

何も見えなかったものの、3180m山頂独占。やりきった感!
夕方、一瞬、雲が晴れ、小屋から見えた槍ヶ岳、大きかった。

槍ヶ岳山荘、大変インターナショナルでした。夕食までの時間、談話室に行ってみると、、、畳の部屋にスリッパであがるシステムなのかと思ったら、みなさん外国の方だった。シンガポールからのソロの女性、中国からのグループの方、ドイツ?のカップルなどなど。館内のアナウンスもバイリンガル。夕食時は、登りの途中で見かけたカナダ人兄弟とお隣に。

中華の夕食と、3180(さいはて)槍ワイン。

夕方の天気予報で、翌日、暴風20m以上とのことで、大キレット経験済みのバディは無理と判断、小屋の方も『やめたほうがいい』とのこと。このまま上高地におりて帰るか、というところで、一度おりてから涸沢にあがってみる?という話になる。涸沢ヒュッテがあいていたので、予約していた北穂高小屋を泣く泣くキャンセルさせてもらい、涸沢ヒュッテを予約。
翌日は11時頃から雨予報だったはずが、朝5時半で雨。朝食弁当の名物ちまきを食べて、6時出発。特製レシピで腹持ちが抜群だそう。

お世話になりました槍ヶ岳山荘。と、名物ちまき朝食弁当。

雨の中、大槍ヒュッテまわりで下りている途中、雷鳥に遭遇。少し冬毛が混じってきて白っぽくなってきていました。愛らしい姿に元気をもらう。

目のまわりが赤いのがオス。

雨振り続けるなか、横尾へおりる。

横尾から登りかえして涸沢へ。途中まで、傘をさして登るほどの雨。そして、そんな中でもたくさんの人が登っていました。写真撮ったり休んだりもせず一気に登り、PM12:17涸沢ヒュッテ着。

憧れの涸沢ヒュッテ。

多い時は1000張のテントで埋め尽くされるという涸沢ですが、悪天候でテントもほとんどなし。

談話室に入ると、テント場から避難し足止めをくらっている方が多数。隣に座っていた方達が『明朝、北穂高にピストンしてから上高地におりて高速バスで帰る』と話しているのを耳にして、北穂高行けるのか?!と心踊り始める。話に首をつっこんでみると、『パノラマコースでおりる』という人もいて、それも魅力的。いずれか悩むも、当初行く予定だったピーク踏みたい!ということで北穂高行き決定。その後は、涸沢ヒュッテ建築探訪。夕食の時間まで新館をゆっくり堪能。(建築編は番外編にて)
夕食がとてつもなく豪勢でした!

煮魚にハンバーグ、小鉢のひじきまで!

翌朝4時半、満天の星と輝く月の下、出発。

真っ暗な中、○印のついた岩を頼りに登って行く。

そして振り返ると、夜明けの空。これが見たくて登ってしまいます。

一昨年登った常念岳が見える

前日にずぶ濡れになった靴が凍ってくるほど冷える中、AM5:50 北穂高登頂。ちょうどご来光と同時くらい。

北穂高岳からの朝日
昨日登った槍ヶ岳を一望。
モルゲンロートで赤く染まる穂高と吊尾根。
天気が良ければ歩くはずだった大キレット。細いっ!来年こそは。

北穂高小屋でホットレモネードをいただいて、暖をとらせてもらいました。来年は泊まりたいです。前日、涸沢ヒュッテの談話室でご一緒した皆さんとも登頂を喜びあいました。そして下山。

大満足、下山!

涸沢までおりて、涸沢カールを拝む。雄大さに圧倒されました。カールとは氷河の侵食によって山肌が削り取られてお椀状になった谷のことで、氷河時代の名残なのだそう。紅葉きれいだったろうなあ。

涸沢ヒュッテのテラスからの穂高の尾根。

デポした荷物をピックアップして下山開始。

紅葉を愛でながら、2時間ほどで横尾に下山。

無事、横尾大橋。

ここから上高地まで、更に2時間半くらいほど。上高地温泉ホテルで温泉につかって、さっぱりしたあと高速バスに乗り込みました。
3日間の移動距離62km、登り下り4090m。よく歩きました。予定を変更しながらの3日間、天気に左右されたものの、様々な山の表情を見られて、満腹な山行でした。来年は大キレット!


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