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築38年のアパートリノベーション、断熱改修のすすめ。

10月に完了した断熱リノベーションのこと。途中、台風大雨での漏水に見舞われたりしながらも、引渡しが終わりました。
着工前の様子と、施工途中の様子はこちら。

このあと、クロス貼り工事、照明や設備の器具付け、最後に、断熱のかなめとなる内窓を取り付けて完了。
1階から3階までオーナー住戸として使っていた1軒を、1・2階のメゾネットと3階のフラット住戸の2軒に分割しました。こちらは3階の住戸。

初めて現場を訪れた時はこんな具合でした。左手の床の穴は上下の階段の穴。今回これを塞ぎ1住戸に。

約43㎡。単身、ディンクス向けの1LDKとしています。

ベッドルームとして1室。

着工前の様子。

ベッドルームの横には、ブラインドやカーテンで仕切って小部屋になるように間仕切りを入れ、書斎や収納スペースとなるDENスペースとしています。

これまで1住戸だったものを2住戸に分けるにあたってのプラン変更では、もともと浴室やキッチンのなかった水回りを構築するのが一番の課題でしたが、一部床をあげたりしながら実現しました。

キッチンと、隣接したユーティリティ。
トイレと洗濯機置場、向かい側にパントリーの棚をつけています。

ラワン材を使ったオープンタイプのキッチン。キッチン右側には鉄骨の柱型をかくす形でオープン棚。もともと和室だったスペースの大きな窓にはグラデーションのガラスフィルムを貼り、目線のあたりまでは目隠しながら青空が見えるようにしています。

頭をひねった洗面室の窓と鏡。ジャロジー窓には内窓をつける、鏡収納もほしい。ということで、

鏡を左右に移動できるようにスライド式にしました。鏡をスライドさせると収納が。ジャロジー窓に内窓を取り付ける際、壁をふかす必要があったため、それを利用してニッチ型の収納を壁に造作しました。

内窓を開いて、通気もとれ、自然光もとりいれられます。

1階+2階はメゾネットで1住戸に。
玄関の土間のタイルや階段は既存のまま使った1階。

階段途中のFIX窓にはけんどん式の内窓を取付け。

1階の個室。テラスドアと欄間窓にも内窓を取り付けています。

2階、基本的なLDKと個室の基本構成は3階と同様に。

キッチン左手には、ゆったりのパントリー。

解体途中の2階の様子。階段を撤去した天井を塞ぎ、3階と分割しました。

2階は、水回りの大きな移動はせず、無理な配管移設のないプランにしています。1階に個室があるので、2階は広いワンルームをご提案していましたが、「賃貸のしやすい部屋数で」というご要望で、ガラスの間仕切りで一室設けています。

内窓で断熱強化。

階段とのからみでもともと際どかった洗面室の配管たちですが

もともとの階段裏の既存配管を更新。

足元はライニングで処理し壁掛けタイプの洗面カウンターを取り付けました。

3階の天井に高性能グラスウール210ミリ、1階の床は根太間にスタイロフォーム65ミリを敷設しました。壁はALC版の内側にスタイロフォーム30ミリを充填、コストの面から既存下地を利用したこと、室内の有効空間を狭めないということなども含めての形です。

冬場、室内の熱が逃げる割合は、壁から19%、床から10%、屋根天井から6%、換気で17%、そして、開口部からは48%といわれているので、内窓の効果に期待。
11月のなかばの現地でのガラス面の温度、内窓を開けた状態で10.6℃、閉めた状態で12.8℃、表面温度で2℃ほど違いました。

そして、夏場に開口部から流入する熱は70%!にもなるそうで、(その他、壁から13%、床から9%、屋根天井から9%、換気で5%)内窓は、年々長くなる夏の酷暑の冷房効率に貢献することと思われます。

そして、断熱窓の取り付けに関しては、内窓は『先進的窓リノベ事業』、玄関ドアはは『こどもエコすまい』の助成金の交付を受けることができました。おそらく来年度も続くのではないでしょうか。

賃貸でも、冬暖かく夏涼しい家、新しい住まい手を迎える準備完了です。


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