在庫切れ商品を20~30%削減? 店舗棚自動チェックロボットが米国のスーパーマーケット111店舗で本格導入へ
在庫管理って大変ですよね? ただでさえ神経を使うのに、商品のバージョンが少し違ったり、返品されたものもあったり……それが商品数が数百〜数万点におよぶであろうスーパーマーケットであればなおさら大変でしょう。
そんな在庫管理自動化のためのロボット「Tally」が米国の中規模スーパーマーケットである「Schnuck Markets」全店舗にて導入されることとなりました。Schnuck Markets社はTallyを2017年より試験運用しており、マニュアルによる目視確認と比べて、14倍も在庫不足を検知できることを実証したとのこと。本記事では、Tallyとその効果について紹介していきます。
株式会社ユニキャストは、人とロボットによる未来の共創を目指すソフトウェア開発会社です。このマガジンでは、海外の情報を中心に様々な社会課題の解決のために開発されたロボットを紹介しています。
1万5000~3万点の商品を1時間でチェック可能
▲Talley稼働の様子の動画。Simbe Robotics社公式ホームページより
Tallyは自律走行で移動する店内の棚のチェックロボットです。在庫数のチェックに加え、製品の置き場所・値札・割引適用の正確性も確認します。
公式サイトによると、1万5000~3万点の商品を1時間でチェックでき、約99%の正確性でチェック可能とのこと。Schnuck MarketsはTallyの導入により、在庫切れ商品を20~30%削減したそうです。
また、同社の在庫補充システムとも連携し、発注プロセスの円滑化にも貢献していると、Tallyを提供するSimbe Roboticsは述べています。神経を使う在庫チェックの業務を代行するだけでなく、在庫切れの際の対応業務や発注業務など関連するタスクの作業時間を減らしてくれるのはとても助かります。
データを活用し、業務改善から次のステップへ
▲従業員は店舗の棚の状況をリアルタイムに確認できる
Tallyが取得した情報はリアルタイムで従業員が確認することができます。Schnuck Markets社 ITインフラ・アプリケーション部・副部長のDave Stecks氏 は、事業の意思決定に必要な情報をリアルタイムで取得できることから、「Tallyは今やなくてはならない存在になっている」と語ります。
店頭で何が起こっているのか、お客様は何を求めているかといった情報が、リアルタイムでより少ないコストで獲得できるのは利点に思えます。
ロボットのような最新機器はまだ発展途上です。実証実験の段階で、プロジェクトが止まってしまうこともしばしばあります。
しかし、TallyはSchnuck Markets社が開発元であるSimbe Roboticsと2017年から実証実験を行っており、徐々にその利用店舗数を拡大。ついに2021年8月にはチェーン全体(111店舗)での導入を決定しました。これは、Schnuck Markets社が実際にTally活用の効果を認めたからにほかならないでしょう。
帝国データバンクの調査によると、飲食料品小売業界では「非正社員の従業員が不足している」という回答をした企業が、この1年で37.3%から41.4%まで増加しています。人不足問題にかかわらず、Tallyのようなロボットの導入はあまり進んでいない日本。コロナ禍でも我々の生活のため稼働を続けてくださるスーパーマーケットのありがたさを実感している方も多いのではないでしょうか。ぜひ日本でもこのようなロボットが活用されてほしいですね!
株式会社ユニキャストは、人とロボットによる未来の共創を目指すソフトウェア開発会社です。当社では、新規ロボット・ITシステムソフトウェアの開発や最新ロボットの導入支援を行っております! ご関心がございましたら、こちらのページからお気軽にご相談ください。
(出典:Simbe Robotics, 帝国データバンク)
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