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Day.4 椎体骨折の診療メモ【総合診療トピックゼミ】


<初期評価>

若年者の転落外傷による椎体骨折では、次の事項を確認します。
1)神経症状が出ているかどうか。
☞神経症状(特に運動障害)が出ている場合には、除圧+固定術の実施(判断)を急ぐ必要があります。Ope体制と整形外科のある病院へ。
2)椎体がずれていないか?
☞椎体が前後方向にズレていれば、脊髄にダメージが出ている可能性があるため注意する。
3)圧迫骨折か破裂骨折か?
☞圧迫骨折は椎体の腹側のみの損傷であるのに対して、破裂骨折は後方成分も損傷している。後者の場合には、脊髄の近くまで折れていることになるため、神経にダメージが出ていないか注意する。

<保存でOK!と判断したら>

◇まずは(疼痛に応じて、にはなるが)、2~3週間の安静
☞鎮痛薬をしっかり使用する。セレコックスが使いやすい。
◇その後、体幹装具を付けて日常生活に戻る
*通常、3か月程度で骨癒合が得られる。
◇脆弱性骨折の場合には、骨粗鬆症への治療を調整する。

<Column>

〇実際には、特に高齢者の軽微な外傷による圧迫骨折の場合、鎮痛薬で疼痛コントロールがつけば退院とする場合が多いように思います。高齢者の入院には、せん妄から廃用症候群のリスクまで、様々なデメリットが付きまといます。なので、痛みが時制範囲内で、家で生活できるのなら、神経症状が現れた場合の再診をお願いして、帰宅の対応をしています。
〇逆に若者の転落/墜落外傷の場合には、そもそも疼痛部位に挫創等の外傷がないか、また、足から落ちた場合には、踵骨など、足の骨が折れていないか(エネルギーのかかり方的には、折れている可能性が十分あります)を確認することを忘れがちです。

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