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Day.18 大腸がん検診の診療メモ【総合診療トピックゼミ】


<大腸がん検診の概要>

◇日本では、40歳からの大腸がん検診が推奨されている。
◇しかし、男女ともに健診受診率は50%を切っている……。
◇健診では、便潜血検査(2日間)が実施されている。

<健診結果とその後の対応>

◇便潜血検査が1日でも陽性なら、「検査陽性」となる。
【陽性の場合】
☞下部消化管内視鏡での精査が1st Choice
 大腸CT(CT画像の再構成を要する)も選択肢になるものの、CTで所見があれば結局は生検するため、現時点では下部消化管内視鏡が良いとされる。
【陰性の場合】
☞大腸がん検診は毎年やっているので、また来年受けて頂く。

<ハイリスクな患者には>

上記のように、特にリスクも症状もない患者に対しては、便潜血でのスクリーニングが行われているが、逆にリスクが高い患者に対しては、早期からの下部消化管内視鏡検査の実施が望まれる。リスクが高いのはこんな方です。
◇親・兄・子に、特に若年での大腸癌家族歴あり
◇遺伝性疾患の家族歴
◇炎症性腸疾患の家族歴

<また、こんな症状の患者も注意>

加えて、検診とは直接関係ないのですが、こんな症状を訴えられた場合にも、大腸癌以外の評価も含めて、下部消化管内視鏡の実施を検討します。
◇便が細くなったなど、排便パターンの変化
◇貧血
◇体重減少
など

<Column>

地域に根差した病院で働いているときに思うのは、予防をしっかりやりたいということです。分かりやすい例が心筋梗塞や脳出血でしょうか。発症したらいかに早く治療するかが大事なのはわかるんですが、できることなら発症させたくないじゃないですか。そして、血圧などのコントロールで発症を抑えられることも分かっている。どうせなら、地域丸ごと、病気の少ない地域になったらいいですよね。そういう意味で、大腸がん検診を含め、検診をどう生かすかって興味深いです。

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