INTERVIEW〜お願い、誰か僕を助けて〜 teamBlue ストーリー+感想
interviewやっっっっばい!!!!!!!
2021年この小野塚勇人がすごい!!大賞すぎる
韓国版を知った上の観劇なんですけど歌詞が日本語だ!!!!!!!って感動した
めちゃくちゃわかる…日本語だ…
言語の壁で分かり辛かったところがすんなり入ってきて物語への解釈がより深まった日本版interviewでした。
2021/4/4 千秋楽後に加筆してます
※以下ガッッリネタバレです、長文5000字程度あります※
結末まで書いてますのでストーリー知りたい方向け
かなり端折っている+韓国版と混同しているところあり
また頭につけた番号は実際の台本の場番号とは異なります
〈1〉interviewの開始
全身の関節を折られた若い女性が白いワンピースを着せられモーテルのバスタブ浮かべられ発見されるという殺人事件が相次ぎ、シェイクスピアのハムレットの登場人物を描いたミレーの絵画からオフィーリア殺人事件と名付けられていた。という導入がユジンより語られる。
ユジンの書斎。推理小説家ユジン・キム(丘山)は前述のオフィーリア殺人犯が拘置所で自殺しようとした際に書き記した遺書を読んでいた。
すると鐘が3回と玄関を執拗にノックする音が響く。そのノックをする人物の正体は作家志望のシンクレア・ゴードン(小野塚)。
「ユジンキム先生ですよね。シゾプラン出版社から紹介を受けて参りました!アシスタントをお探しだと伺って」
シンクレアは推理小説『人形の死』を書いたユジンに憧れ、出版社からの紹介を受けアシスタントに応募してきたのだった。
ここから二人の面接《インタビュー》がはじまる。
シンクレア・ゴードン24歳、タバコも珈琲も苦手。
好きなものは小説、特にエドガー・アラン・ポーの『アナベルリー』
ユジンは夢見がちなシンクレアへオフィーリア殺人犯の遺書を差し出しこれで小説を作ってみろと遺書を手渡す。震える手で遺書を受け取ったシンクレアは自分の過去を織り交ぜながら物語を紡ぎ始めた。
マザーグースの一節、クックロビンが流れ始める。
そこにいるのは病弱な母親と小さな男の子ウッディ
母親は育児放棄をしウッディを見ることも抱くこともない。自分を見てくれる存在を欲したウッディは部屋の隅で自らをノーネイムと名乗る存在を見つけ、彼と友達になる。ノーネイムさえいれば…。自分を必要としない母親など不必要だとノーネイムに唆されてウッディは思い至る。
眠る母親のそばに忍び寄るウッディ。一度も抱いてくれなかった胸にひっそりと顔を寄せ、胸に向かってナイフを突き立てる。事切れた母親の瞳を閉じ、ノーネイムを探す。最後にウッディは気がついた。ノーネイムは自分の中にいる怪物だったのだと。
「ありきたりですね」とおどけながら閉めるシンクレアに、「少年が母親を殺す話がか?アナベルリーが好きというからラブストーリーかとおもったよ」と笑うユジン。採用結果は出版社から通知がいくと面接が終了。
帰る前にとユジン著の『人形の死』を鞄から取り出しサインを頼むシンクレア。まるでファンの女の子のように「宝物が増えちゃった」とサイン本を抱きしめ、部屋を後にしようとした。
〈2〉マット・シニア
帰ろうとドアの前に立つシンクレアが振り返り「一ついいですか?」と先ほどの夢見がちな文学青年とは違った落ち着いた口調でユジンに尋ねる。
貴方の書いた『人形の死』の通りにオフィーリア殺人事件が行われ、あなたは無名作家から一躍有名作家になった。そしてあなたの書いた『人形の死』で殺される女性は10年前に殺されたジョアン・シニア(山口)がモデルではないか?と。
10年前にユジンがジョアンを殺し、殺すだけでは飽き足らずに小説『人形の死』として仕上げ金儲けに利用した。そして今巷を騒がせているオフィーリア殺人事件はその小説に感化された模倣犯の仕業だと断定し責め立てるシンクレア。
「お前は一体誰なんだ、俺を捕まえに来た警察か?」と言うユジンにシンクレアは「驚いただろう?お前が捨てた名前シンクレア・ゴードンを名乗っているんだからな!」と笑った。
「私がシンクレアならお前はいったい誰なんだ」とユジンが言う
目の前のシンクレアは殺されたジョアンの弟マット・シニアだと名乗る。
ジョアンの事件後に姿を消した教育実習生でジョアンの恋人だった本物のシンクレアを、自らの名前までも変え10年もの間探しつづけていたのだと。
「仮に自分をシンクレアだと仮定しよう、では彼は誰だ?」と一枚写真を見せる。それは土に埋められてた本当のシンクレアの遺体の写真だった。
探していた相手がもう死んでいると知り半狂乱で取り乱すマット。
床に崩れ落ちプツリと糸が切れたかのように、動かなくなる。
暫くしてすくりと立ち上がるマットは先ほどまでとは明らかに様子が違っていた。
<3>ジミー
着ていたジャケットを脱ぎ捨てネクタイを乱暴解くマット。吸えないと言っていたはずの煙草をユジンの机から奪い取り吸い出す。突然荒々しい口調となり、マットはシンクレアが死んだことも何も知らない、探るなと告げる。明らかに今までとは違う態度にユジンは「ジミーか?」と問うとジミーと呼ばれたマットは「思い出したか、今日で五回目か?」と笑った。
ジミーに本物のシンクレアの遺体の写真を見せるユジン。ジミーは「最後には小娘みたいに命乞いをしてた」とシンクレア小馬鹿にした。
次にジョアンの遺体の写真を見せると「おれは知らない」とジミーは頭を抱える。すると彼の前にジョアンの幻覚が現れる。ワンピースの裾をはためかせながら可憐に舞う彼女にジミーが近づくするとジョアンは「あんたマットじゃないでしょ!」とジミーを拒絶する。「みんなしてマットマット!」と自分を自分として認識してくれない事に対して憤るジミー。
すると雨が降り出す。「マットの生まれていた日も雨が降っていたそうだな」というユジンにおれは知らないとジミーは頭を抱え苦しみだした。
〈4〉ウッディとアン
次に現れたのは先程とはうってかわっておとなしい人物だった。これがマットの鞄から出てきたが?と資料をユジンが手渡すと「絵がないねぇ…ぼくまだ字がよめないんだ」と言った。その人物は自分をウッディだと名乗るのだった。「ぺんだ!」とユジンの胸からペンを抜き去り、近くにあった紙に落書きを始めるウッディに近づくユジン。
幼いころのジョアンが現れ回想が始まる。
ジョアンと一緒に遊んでいるウッディ。マザーグースに合わせて手遊びが始まる。すると僕と言うウッディにジョアンは「お前はアンだって言ったでしょ!」と怒り始める。「僕はアンじゃなくてウッディなのに…もう僕は僕が誰かわからない」と泣き始めるウッディに「姉さんはもう死んだ」と語りかけるユジン。するとウッディは「ぼくはしらない!!!僕は何もしてない」と錯乱し始めるのだった。
そして次に現れた人物は耳に髪を掛けるような仕草をした。
鏡を見つめる人物は「何も知らないくせになんでぺちゃくちゃとしゃべるの?」と鏡に問い掛け自らの頬を叩き始めたのだ。止めに入るユジンに「痛みは私の役割じゃない、痛みはこの子がすべて引き受けるの」と語った。
彼女は先ほどウッディが語ったアンだった。ウッディとは二卵性の双子で幼いウッディの世話をしてあげているとアンは言った。そして私はジョアンのことが嫌いで彼女とはもう暫く会っていないのだと。
アンを探すジョアンの幻覚が現れる。
「あの子は死んだって言ったじゃない!」「私はもうあんたの人形じゃない」とジョアンの影に怯えるアン。「その中に誰が居る、誰が操ってるんだ」との問い掛けもアンの耳には届かず、恐怖に怯える彼女はすっと意識を失った。
<5>ノーネイム
倒れたマットの中から落ち着き払った人物が現れた。自分はノーネイム。名前なんてさして重要ではないと彼は言った。ジミー、ウッディ、アン、全ての人格のスイッチの権利を持ち、主人格のマットすら知らない記憶をも管理している存在だった。
彼がマットの物語を静かに語り始めた。
物語はマットが生まれ日に遡る。マットとジョアンの父親はマットが生まれた雨の日に飲酒運転の車に撥ねられて死んでしまう。
まだ若かった母親は精神を病み、生まれたばかりのマットの世話を4歳のジョアンに押し付け、毎日クックロビンの子守唄を歌い続けた。
ある日義理の父親ができるが、その人物は酒乱で子供にも暴力を振るうろくでなしだった。毎日のようにベルトで殴られるマット。辛い生活を耐えるため、マットの精神は次々と別の人格を作り出して行く。
暴力を振るう父親、見て見ぬふりをする母親。
幼い姉弟は本来一番安全である家庭の中で、外敵に狙われ二人で身を寄せ合い生きていくしかなかったのだ。
話している最中のノーネイムが頭を抱えて苦しみ始めた。
「ジョアン!ジョアンに呼ばれたんだ!」とマットが出てくる
「ジョアンはいない、戻れマット」というノーネイムに、「お前がペラペラとマットのことを話し始めるからこうなった」とノーネイムを罵倒するジミー、二人の喧嘩に「もうやめてよ!」と怯えて泣き始めるウッディ。
入れ替わり立ち代わり出てくる人格に「危険だ」と抑えるノーネイム。
「誰か、誰か僕を助けて」という悲痛な叫びを残してマットは意識を失った。
マットが最初のインタビュー中に好きだと語った『アナベルリー』この詩はジョアンが好んでいたものだった。つらい状況の中で恋に恋するジョアン、ジョアンしかいなかったマットはある日姉弟としての一線を越えてしまう。
そしてジョアン18歳、マット14歳。ジョアンの卒業式前夜。
自分の初めて書いた小説を読んでほしいとジョアンに手渡すマット。ところがその小説を読まずに机に放ったジョアンは明日の卒業式が終わったら家を出ていくわ、本当の恋に出会ったとマットに告げた。教育実習生であり新しい恋人のブロンド男シンクレアと一緒にロンドンに行き小説を書くのだと。
外に男が居ようと本当にジョアンが愛しているのは自分だけだと思っていたマットはやっとの思いで「じゃあ僕はどうするのさ」と問いかけた。
「大人になったらもうおもちゃは要らないの」
残酷なジョアンの言葉に唖然とするマット。ジョアンにとってマットは都合のいいおもちゃ、人形遊びの人形にしか過ぎなかったのだ。
自分はジョアンにすら愛されていなかった、愛してたのは自分だけだった。
逃げ出そうとするジョアンを逃がすまいと追いかけるマット、逃げる彼女に手を伸ばし首を締め上げ、抱きしめた。やっと自分の胸に寄り添ってくれたと笑うマット。ジョアンの体から徐々に力が抜け床に崩れ落ちていった。
その傍らにあるマットの初めて書いた小説それが『人形の死』だった。そう、マットは何処かで気が付いていたのだ。ジョアンが自分のことを本当には愛していない事を、自分を捨てて出ていく事を、そしてそうなった時に自分がどうするのかを。
呆然とするマットは父親の煙草を手に取りおもむろに火をつけた。
火の付いたタバコを部屋に投げ放ち家はたちまち炎に包まれる。
暴力を振るう父親も、見て見ぬふりをし続けた母親もみんな燃えてしまえ僕の受けてきた苦しみを味わえと。その炎の中で自らも死のうとするマットを助けるためにノーネームが人格を乗っ取り、マット以外の人格に指示を送った。そしてそれぞれの人格が後片付けを始める。
一緒に逃げるはずだったシンクレアはジミーが殺害し遺棄そして元恋人の家にジョアンの血がついた服を隠匿、ジョアンの遺体をウッディとアンが川へ埋葬し弔いの花を散らした。ノーネームはマットの記憶を消したうえで、『人形の死』の作者名をシンクレア・ゴードンと書き換えた。マットがジョアン殺害の犯人をシンクレアと信じ込むように。
ジョアンの殺人もオフィーリア殺人事件も全てマットの仕業だったのだ。
しかしノーネームが事件が起きる度にマット記憶を改竄しているためマット自身はその事を知らない。事実を知ったユジンはノーネームに問う。
マットはオフィーリア殺人事件をなぜ10年も経って犯したのか、黙っていればジョアンの事件は迷宮入りしたはずなのになぜこうして話したのか。
ノーネームは語る、ポーの書いた『告げ口心臓』の犯人と同じようなものなのではないかと。そしてきっとマットはジョアンのことを忘れてほしくなかった、誰かに見つけてほしかったのではと。
全てを話したノーネームは、知ってはならない話を知りすぎたといいながらベルトを腰から抜き取りユジンの首を絞めた。
<6>裁判所
場面が暗転し裁判所へと切り替わる。壇上に立つユジン。
今まで見てきたのはオフィーリア殺人の犯人マット・シニアと心理学博士であるユジンが行っていた催眠療法の一部始終だったのだ。
世間からは『怪物』と呼ばれる残酷な殺人犯のマット。
けれどそれにには悲しい幼少期の体験があったのだと、そして私はそんな彼の心に少しでも寄り添ってあげたいとユジンが語る。彼が欲しかったのはただ幸せな小さな家だけだったのだと。
<7>interview
場所はまたユジンの書斎に戻る。座るマットに催眠療法を施すユジン。
「あなたは鐘が3回なったらこの本を書いた人物に出会います、その人に出会うことであなたは知りたかった事実を知ることができます」
鞄を手に取りユジンの部屋から出ていくマット。
オフィーリア殺人犯の遺書を読むユジン。
すると鐘が3回と玄関を執拗にノックする音が響く
「ユジンキム先生ですよね。シゾプラン出版社から紹介を受けて参りました!アシスタントをお探しだと伺って」
こうしてまたユジンとマットのINTERVIEWが始まるのであった。
ワーーーーー書いててもキツかった!
けど本当に最高だったので見てほしすぎる……。4/4まであるからマジでお願い…。みて…。私だけでマットシニアに狂っていたくない…。
4/4千秋楽でした!最高の舞台…
マットシニア本当に可哀そうで可愛くて愛おしい存在すぎる…。
母親を愛し愛されず、愛されてると思っていた姉にも愛されずに壊れてしまった「怪物」を演じる小野塚勇人最高なのでマジ。
ウッディとジミーが大好きなので今回はその話をします!!!!!!!!!
小野塚勇人27才が演じるショタのウッディが最高
成人男性が演じるショタからしか得られない栄養が摂取できます。
無垢なショタを演じる小野塚勇人!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!最高!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ウッディは虐待を受けていた頃の幼いマットの人格がそのまま残ったものという感じです。だからにっこにこしながらひらがなでお喋りして、そんでもってすぐ泣いちゃう上に回想で殴られる芝居も観れる。ウッディのこと好きすぎて台詞も一挙手一投足も覚えてるレベル。ユジン先生に対して「おじさんぼくのことしってるの?ぼくおじさんのことしらないんだけど」とか「ぼくかんじゃさんなの?」とか言うんだけどマジ全部ひらがな。愛おしすぎ。小野塚勇人ショタ演じる天才かもしれんわ。
そしてウッディはまだかわいいショタなのでおねえちゃんのことはおねえちゃんとしてだいすき!おねえちゃんはぼくがまもる!みたいないい子なんです…結果アンが言っていたように痛みはウッディの役割となって行ってしまうのですが…。ウッディ保護してあげたいよ…。
ウッディとはうってかわってヤクザのような振る舞いをするジミーなのですが、きっと彼は乱暴者の義父に打ち勝とうとするために生まれた人格で、それ故に大嫌いだった義父を若干トレースしてしまってるんですよね。酒も飲むしタバコも吸う。粗野で口も汚く、本当のシンクレアを殺害したのもこのジミーという人格でした。
それぞれの人格ごとにジョアンの幻覚との対峙があるのですが、ジミーはジョアンの手を取った瞬間に「あんたマットじゃない誰」と拒絶されるというシーンがあります。その時の切ない壊れそうな目と「みんなマットマットってよ」と憤る姿を見て、ハッとしました。自分をジミーとして認識してくれる事はないという苛立ち。きっとジミーはマットとは別のジミーという1人の人間としてジョアンを愛してしまっていたんですよね。だからきっと彼は本当のシンクレアを殺害する役割を担ったのでしょう。
この物語の中では、たとえ体が1つでもそれぞれの人格がそれぞれに違う体験をして感情を抱いて違う思考を持っていればもうそれはそれぞれ別の1人の人間と言えるのではないかという問いかけが何度も出てきます。
個人的に一番それを感じさせてくれるのがジミーという人格だと思いました。ジミーも最初は乱暴で下品で…って感じなんですけど回数を重ねるとジョアンと対峙する時の目が…ほんとに辛くて…。
行けるけど迷ってるという方は頼むから見に行ってほしいです…。
時勢柄難しいのはわかってるんですけどね……
ウッディとジミーが性癖に 爆走クリティカルストライクしてきたのでその話ばかりですがマジでほかの人格もヤッッッバイので。
そもそものマットも利発な青年で可愛いし、アンはおませな女の子で可愛いし、何よりノーネイムがマジでヤバイ。
語彙が無さ過ぎてヤバイしか言ってないんですけどヤバイんですって…。
各人格ごとの感想は千秋楽後にまとめます……力があれば。
ガッツリなネタバレですが気になっている方の参考になれば幸いです。