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叶える男と書いてタカハシシンノスケと読みたい

歳を取るほど難しくなること、それは「有言実行」だと思う。
私自身やるやると言ってやらなかったことは数知れず、やれなかったなぁ、と思っているうちに、体力も気力も落ち、夢の旬が落ちる。
そして「やらなかったもの」は「やれないもの」にしてしまう。

タカハシシンノスケは言った。
「知らないタカハシが先に行ってしまう」
人を巻き込んでことを起こすと、知らない自分を見出されて、またやりたいことが走り出す。
表現者としてこんなに素晴らしいことがあるだろうか。

しかし、タカハシシンノスケの真の才能はそれを実現するところにある。
4年越しだろうが、時間がなかろうが、クオリティに満足できなかろうが、やるものはやる。客前にも出す。
それができないクリエイターのどれほど多いことか。

何年やらなかったらもうやらないでしょう、みたいな感覚が人にはあると思う。
「それずっと言ってるけど結局やんねぇじゃん!」
「もういいよ、どうせやらないでしょ今年も!」
そんな風に思えてくる。
やってくれるんだ!とワクワクしていても実現しなくてガッカリする想いや、もうええでしょうという諦念、どうせ無理だしやってどうするのよというニヒリズム、そういう感情が集まってくるとヤジになる。
ヤジは自分→他人の場合も自分→自分の場合もある。
他人に対してヤジが溜まると応援する気がなくなる。
自分に対してヤジが溜まると腰を上げる気がなくなる。

表現者の場合、他人から向けられるヤジにも自分の中に存在するヤジにも打ち勝たないと、作品を発表することはできない。
だから、表現者に最も必要な才能は「やりたいことを是が非でも実現させる力」なのだ。

タカハシシンノスケはフェスがやりたいvol.2一人芝居「虎独」は創作落語、コント、一人芝居の三本立てで構成されている。
いずれもタカハシさんにとっていつかやってみたいことだったのだと思う。
「やってみたら難しくて」「伝わったかわからないけどこういう意味を込めていて」「思っていた方向と違う方に転がってしまって」という旨のことをアフタートークで言っていた。

思い通りにならないけど、その過程も含めて全部出す。
それを喜ぶファンがいて、ファンの顔を見てまた次の挑戦に踏み出す彼がいる。
そんな最強不滅の円環の理がまた2025年のタカハシシンノスケ界隈を賑わせることを確信している。
私もその円環の一部となって、もっと欲しい…摂取すると一時的には安心します…のイラストのごとくタカハシシンノスケ乱用者の一人になってしまったのかもしれない。

アフタートークで「なんて人に恵まれているんだろう」と言っていたけど、そういう人を巻き込めることも彼自身の才能であり、円環の理を強めている魔力に他ならない。
彼がどこに籍を置こうと、誰と何をしようと、この魔力が弱まらなければやっていける。掴んでいける。

夢を叶える男、タカハシシンノスケの魔力がこれからも私達の世界を少しずつ変えていくだろう。

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梶本時代
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