好きだったデッキの話とCSが苦手になったときの話
はじめまして。
この記事は、筆者が人生で2回だけCSに出たときの話です。
書いてたら長くなっちゃったので適宜休憩入れたり途中で興味なくなったら読むのやめたりしてください。
はじめに
筆者はゆにおんというHNでデュエル・マスターズをプレイしている。
自分の考えたデッキで人間を破壊するのが好きで、へんなデッキを考えては店舗大会に持ち込んで暴れ散らかしている。
まともな思考回路を持ち合わせていたら使わないようなデッキばっか握っとる。バケモンである。
これらのデッキを見てもわかる通り、筆者は根っからのカジュアルプレイヤーであり、間違ってもCSなどの競技性の高い大会に出るようなプレイヤーではなかった。
「CSなんて怖くて行けないッス…w」時代
カジュアルプレイヤーの一部には理解していただけるかと思うが、CSは外から見るとめちゃくちゃ怖い。
誰々が不正行為をしただの、何々が問題で揉めただの、SNSに流れてくるCS関連の情報はトラブルについてのものばかりで、実際に参加したことのない我々にとって、CSは店舗大会とは全く違うピリピリしたものであるというイメージがあった。
デッキ選択についてもそのイメージが強く影響しており、「参加するなら環境デッキ使え!カジュアル勢はデュエマフェス行け!地雷デッキで参加する奴は会場の天井に張り付けて火炙りにするぞ!」みたいなところであると認識していた。ちょっと盛った。そんな蛮族の祭典みたいなとこではないのは理解している。
ゆえに、筆者はCSに参加するという発想にすら至らず、Twitterに流れてくるCS関連の話題を他人事のように眺めながらデュエマフェスで5cハイランダーを回していた。
なんせ、DM新章のちょっと前までまともなデッキを作れる構築力もなく、たまたま持ってた《ボルバルザーク・エクス》をたまたま持ってた《アクア・ナルトサーファー》でバウンスしてループに入り、たまたま持ってた《超銀河竜 GILL》で盾を全部燃やしてキャッキャしてたプレイヤーである。
環境デッキが蔓延る魔の巣窟に足を踏み込むなんて、銃で脅されても無理だ。ちょっと盛った。銃で脅されたら行きます。
※24マナ必要。
そんな筆者が、どうしてCSに出ることになったのだろうか。
その背景には筆者が好きだったデッキが大きく関わってくる。
デュ、新章に入る
デュエルマスターズが新章に突入、カードのデザインも一新され、ジョーカーズやメタリカなどの様々な種族が登場した。その中で、筆者が注目した種族があった。
ムートピアである。
愛らしい見た目の小型クリーチャー、《異端流し オニカマス》という当時最強のメタクリーチャー、そして極めつけは
0マナで出てくるワールド・ブレイカー。
ッスゥゥゥゥゥゥーーーー……
0マナで出てくるワールド・ブレイカー。
使いたいでしょこんなん。
こうして、筆者は青単ムートピア(原義)を組み上げた。
カマスは高級食材だったので3枚。今じゃやらないタイプの妥協。
しかし、DM新章のカードプールではムートピアは思うように戦えなかった。
今考えれば当然のことである。
《ザエッサ》に頼り切った展開力、みるみるうちに枯れていく手札、足りない速度、うっっっっすい盾、トリガー1枚で止まるフィニッシャー。勝てる要素がない。
新弾が発表される度に、新たなフィニッシャーや強力なシステムクリーチャーを求めて情報を読み漁ったが、そんなものは現れず。
DM新章の間に、ムートピアのマスターが登場することはなかった。
あたまわるいお魚、登場
双極篇が始まり、ついに《I am》が経営する水族館に新たな仲間がやってきた。
《超宮兵 マノミ》である。
このカードが登場してそう時間も経たないうちに、ある大会でムートピアが優勝した。
呪文を主軸として《貝獣 ラリア》や《超宮兵 マノミ》のG・ゼロ条件を達成し、《I am》で《マノミ》をバウンスして無限ドロー。必須パーツの盾落ちは《ニクジール・ブッシャー》でケア。〆は《セイレーン・コンチェルト》で生み出した赤マナから光臨する《暴走龍 5000GT》と《音精 ラフルル》。
ムートピアは更なる展開力と膨大なハンドリソースと強力なトリガーケアを入手し、一段階上のステージへと昇った。
たしかこんな感じのリストだった
ムートピアが優勝したとなれば、それの後に続かない手はない。当時の筆者にしては珍しく、他人のデッキを真似して組んだ。
《GILL》で盾を燃やしていた頃とは大違いである。
意気揚々と乗り込んだ店舗大会。
1回戦、赤単轟轟轟による3キル。青単ムートピアは、速度問題とうっっっっすい盾問題を解決していなかった。
2回戦、ループに成功するも、5c蒼龍の《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》により《暴走龍 5000GT》が沈黙。当時は、5c蒼龍の最盛期であった。
ボコボコである。
しかし、楽しかった。
4試合中3回はコンボが決まったし、青単のデッキから唐突に《5000GT》が着地した瞬間の相手のリアクションは最高だった。
ムートピアは、《I am》は、環境でも戦えるのだ。そう思えた。
ちなみに筆者のアイコンにもなっている《貝獣 ゴマキ》も双極篇。
青単ムートピア、台頭
そんな中、I am水族館に大嵐がやってくる。
かわいい
《次元の嵐 スコーラー》である。
頭を捻って調整していた単騎ラフルル型の青単ムートピアを放り出し、大急ぎで《スコーラー》を手に入れた。
青単ムートピアは《次元の嵐 スコーラー》による追加ターンと《本日のラッキーナンバー》によるトリガーケアを授かったのである。
もはや《I am》に頼る必要はない。《I am》は解雇され、《スコーラー》が新たな館長として任命された。
青単ムートピアは各地のCSで活躍し、環境デッキにまで登り詰めた。
余談ではあるが、双極篇でもムートピアのマスターは出なかった。まだ根に持ってるからな。
CS、出てみようかな
超天篇、新たなギミックである「GRクリーチャー」が登場した。
残念ながら青単ムートピアにはGRを利用する動きを組み込むことはできなかった。
ただでさえ青単ムートピアは下火になってきており、その上に新ギミックも使えないのであれば、このデッキは自然消滅していくことになるであろう。
しかし、筆者はとあるカードに注目する。
《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》だ。
呪文連唱で《マノミ》のカウントを稼ぎ、GR召喚は青単ムートピアの打点足りない問題を解決する。最高のカードである。
白が入ることもむしろ好都合で、強力な受け札かつ除去札の《オリオティス・ジャッジ》を搭載することができる。
すぐにデッキを組み上げた。
なんかプーンギ入ってて草。たしか次の日には解雇された。
このデッキの強さに気づいた筆者は、調整を始める。vaultで部屋を立て、何度も何度も戦った。
勝ち越しだった。38勝34敗。
大好きなムートピアのデッキで。環境デッキを相手に。
それらの対戦の1つ1つを噛みしめながら、筆者は考えた。
「ムートピアがこんなに戦えるなら、CS出てみようかな。」
初出場、初遭遇
当日、何日もかけて調整した新生”青白ムートピア”を手に、CS会場へ向かった。
前述の通り、CS会場を蛮族の祭典であると勘違いしていた筆者は、「会場に入ったら鬼の形相をしたプレイヤーたちが血を血で洗う殴り合いをしてるんだ……受付では『デッキシート出せやァ!!!!不備あったらシバき倒したるからなァァ!!!!』とか言われるんだ……」などと怯えていたが、当然そんなことはなかった。普通の大会となんら変わらない。
CSが始まった。初手スコーラー3枚の大事故を除けば、何事もなく試合が進んでいった。
迎える5回戦。既に2敗しており、全6回戦で16人上がりの今CSでは、あと1敗の猶予もない状況であった。
対戦相手は青単ムートピア。同型と言っていい。先攻の利を活かし、こちらが先に《スコーラー》を着地させた。もはや《時を戻す水時計》では止まらない。《ラッキーナンバー》で《クロック》ケアの3を宣言し、全軍突撃。
ダイレクトアタックが決まった。
これでなんとか6回戦まで生き延びられると安堵し、スコアシートに手を伸ばした時、
「おもんね。帰って寝よ。」
対戦相手が帰った。
筆者は茫然とした。
いや、”ドロップ”なるものがあるのは知っている。今の試合で3敗した対戦相手は、これ以上試合をしても意味がない。
でも、スコアシートは…?最低限スコアシートへの記入をしたり、対戦相手にドロップを伝えて記入を頼んだりしてから帰るもんじゃないの…?ってかおもんねって何…?我と汝、初対面……
こんなプレイヤーは今までに見たことがなかった。初出場のCSで何も知らない筆者は、これが普通のことなのか判断しかねた。
スタッフに声をかけ、対戦相手がスコアシートを放置して帰宅した旨を伝える。
スタッフは「あー、わかりました。」と、いつものことであるかのように対応した。
それを見て筆者は理解した。CSではこれが普通のことなのだと。
最終結果は4-2だった。惜しくもオポ落ちで本戦出場は逃したが、自分の好きなデッキを追い求めての勝ち越しだ。悪くはないだろう。
しかし、喜びの感情はなかった。かわりに、5回戦での出来事が頭の中に残っていた。
その時に思ったことはこうだ。
「CSは蛮族の祭典じゃなかったけど、普通の場所ではないんだ。」
CS、ムリ…
そこからはCSに出るのをやめていた。
もちろん前回のCSでの出来事が原因のひとつだ。あんなコミュニケーションもクソもない対戦は二度と御免だった。
ここまでの流れを見て分かる通り、筆者にとっての青白ムートピアは一般的な競技プレイヤーがするような合理的なデッキ選択の結果ではなく、「大好きなデッキの最終進化系」である。対戦相手にとってはただのソリティアデッキに対する愚痴であったのだろうが、こちらからしたら堪らない。
環境的な要因もある。超天篇の終盤は《BAKUOOON・ミッツァイル》や《バーンメア・ザ・シルバー》、《ジョット・ガン・ジョラゴン》に《SSS級天災 デッドダムド》が環境を支配していた。
《マグ・カジロ》などの強化を受けたとはいえ、青白ムートピアが生息できる水域はもはや存在しなかった。
一方で、「もしかしたら前回のアレはたまたまそういう人と当たっちゃっただけで、本当はちゃんとした人ばっかりなのでは?」ということを考えてもいた。
その頃にもなれば、YouTube等での情報発信も増えた。それにより、カジュアルプレイヤーでもCS会場の様子について知ることができるようになっていた。
また、件のCS以降CSには出ていなかったものの、店舗大会には度々顔を出していた。長く大会に出続けていれば、顔なじみのプレイヤーも増える。その中にはCSの常連プレイヤーも少なからずいた。
それらで見るデュエル・マスターズのシーンの中に、マナーの悪そうなプレイヤーはいなかった。
筆者は「なんか環境に最低限太刀打ちできそうなデッキできたらもっかいCS出てみようかな~」くらいの気持ちになっていた。
2回目、リベンジ
ある日、ふと思い立ってCSにエントリーした。
理由は覚えていない。たまたま「もうCS出てみてもいいかな」って気持ちになったのだろう。
まだ青白ムートピアは持っていた。《銀河の裁き》型はこれ以上の発展がなかったため、《煌メク聖戦 絶十》を用いてサバキZ呪文を連打する絶十スコーラーを試していたのである。結構強かった。
しかし、前回のように自分の好きなデッキに罵倒が飛んでくることを恐れた僕は、持っていたデッキの中で一番まともそうな《卍夜の降凰祭》型の黒単デスザークを選択した。
結果は3-3だった。
1回目よりも戦績は悪かったが、しかし対面したプレイヤーは皆いい人ばかりだった。
2-2で迎えた5回戦に勝利しても、対戦相手はきちんとスコアシートを記入し、お互いに挨拶をしてから退席した。
それだけでなく、「次元見て最初ダムドかと思いました!」「よかった!それ狙いでブラフ積んでました。」を対戦相手と談笑したり、相手の《マクスカルゴ・トラップ》の返しにピン投の《悪魔の契約》が光った試合では、「いい構築ですね!」と言ってもらえたりした。
楽しかった。CSって本来はこういう場所なんだと分かった。
魔鳳と契約はオシャレポイント。しっかり活躍した。
しかし、1回目のCSでついたイメージを払拭するには至らなかった。
あの時に対面したようなマナーの悪いプレイヤーが少なからずいるのであれば、それと遭遇する前に「楽しかった」で終わらせてしまう方がいいと思った。
それ以降、二度とCSに参加することはなかった。
余談。CS終わった後にフリーしてくれた人が「あとGWD1枚で完成するんすよね~」と言ってて(うろ覚え)、たまたま1枚持ってたのでその人にあげた。
もうCS出ないっていう自分の中の意思表明のつもりであげたんだけど、その人からしたらめちゃくちゃ怖かったと思う。すっごい困惑してた。それはそう。知らん人から安くはないカードいきなり渡されたら誰だって怖いわ。
見てますかあの時の人。見てたらこっそりいいねください。怖がらせてすんません。
今はどうなんよ
それからはというもの、別に何があったというわけでもない。
絶十スコーラーはサバキZの強化が来ずそのまま消滅、その後は青白ムートピアの調整で得た構築力を利用して冒頭で上げたようなへんなデッキを組んで店舗大会を荒らしている。無駄に完成度の高いデッキを作る害悪ファンデッカーの完成である。
ありがたいことに、筆者の考えたデッキをTwitterで見つけた人が組んでくれるという出来事も何度かあった。青白ムートピアはその最初で、死ぬほど嬉しかった。たしか6回くらい死んだ。
ちなみに、《ボルバルザーク・エクス》と《アクア・ナルトサーファー》のアンタップループを使ったトンチキデッキと似たようなやつ、パーツが変わってマジで人間を破壊できるデッキになった。
ちゃっかり大会優勝までしてる。
かと思えば赤青ドギラゴン閃や5cザーディクリカ、アナカラーダークネスなどの環境デッキも一部触り、ようわからんプレイヤーになっている。
蛮族の祭典への苦手意識もだいぶ薄れた。
周りのプレイヤーがたまにCSに出ていることもあり、機会があればまた出てみてもいいのかな~とか思っていたりいなかったりする。わからん。たぶん出ない。
おわりに
めっちゃ長くなった。なんか編集画面の右上に6000文字とか書いてある。最初はちょっと書いたら終わろうと思ってたのに。Noteこわい…
ここまで読んでくださった人がいるなら、それはもう、BIGなLOVEをお送りしたいと思う。
Twitterまでフォローしてくれたら嬉しすぎて爆発してしまう。面白いことしかつぶやかないのでフォローしてください。嘘つきました。ちゃんとツイート欄見て気に入ったらフォローしてください。
それでは。