夜空に泳ぐチョコレードグラミー
町田そのこさんの
夜空に泳ぐチョコレートグラミーという小説、短編集を読み終えた、
ちょっと本当に、私はこの本がたまらなく好きかもしれない
それぞれの物語にでてくる登場人物が、みんな愛おしい。
ネタバラシにならない程度に、好きだなあと思った文章をいくつか書きます。
「魚は星屑の散らばる夜空を旋回し、星の描く三角形を潜っていった。」
「優しくて、損な人だなあと思う。」
「銀色の流星群のような魚群やゆうらりと漂うクラゲ」
「ああ、このひとはどこまで私と関われば気が済むの。」
「綺麗な弧を描く手から、きらきらと彼女が舞う。とても、まばゆかった。」
「夏休みに入るちょっと前、近松晴子が孵化した。」
どうしたらこんなに美しい表現ができるのだろうと思う。あまりに綺麗で泣きそうになる。
小説を読み終わった後になる、この
ぼうっとして世界の情報が鮮明に読み取れなくなるこの感じ、嫌いじゃない
むしろこの瞬間、小説で自分が満たされるこの心地よさを感じるために、小説を読んでいるのかもしれないとさえ思う
体の中が何かでいっぱいになって、無条件に満たされる
お腹がすいていてもどんなに寒くてもそのさらに先で満たされているから気にならない
この瞬間だけ音楽が必要なくなる
全ての音が遠くなる、私の中に入ってこない
小説でいっぱいになっているから他の情報が一切入ってこなくなる感じ
小説は、私の中身をいっぱいにしてくれるものとして最高級すぎる、綺麗だから、私も全部まとめて綺麗になったようなきになる