8/9オリックス対ロッテ戦況〜八回裏と九回表の攻防〜
こんばんは、シュバルベです。大阪での京セラドーム現地三連戦も今日が最終日。ロッテ戦12試合目にして未だ一勝という絶望的な相性の悪さを断ち切りたい今日でしたが、まずは結果から。
流石に負けすぎてはないか、という気持ちは強いですが今日の負けは必然だったかなぁという部分があります。今日に関しては八回裏と九回表の攻防に尽きると思いましたので、つらつら書いていきます。
1、八回裏の攻撃
ロッテ先発の中村稔選手の前に6回1安打。ゾーンを広く使い動くボールでスイスイと投げられましたが、ピッチャーハーマン投手に代わり八回裏の先頭は若月選手。
初球の甘く入ったカーブをはじき返し、レフト角中選手ということもあってきちんとセカンドを落とすツーベース。オリックスアルバース投手もここまでマーティン選手のソロホームラン一点に抑えており、緊迫した一点差ゲームで今日最大の見せ場が来ました。
ノーアウトランナー二塁で打席に立つのは福田周平選手。この日6回裏に初ヒットを放ち、復帰後の打率/出塁率/長打率は.333/.400/.556と当たっているトップバッターの打棒に期待がかかる中、初球・二球目ともにバントの構え。
はっきり言って、これはあり得ない。この日数少ないヒットを放ち、打撃の調子もいい福田選手。彼は昨年のストライクゾーンのコンタクト率は95.4%、リーグで最もバットにボールを当てることが長けている俊足打者です。
ちなみにノーアウト二塁でのバントによる得点期待値と得点確率はこちら。
出典:https://r.nikkei.com/article/DGXMZO54338470T10C20A1000000
たしかにバントによって得点確率は2.1ポイント上がるので一点を取りに行く戦術としては必ずしも間違っていないのですが、今の好調の福田選手にやらせるのは間違いだと断言します。二塁ランナーに代走小田選手を出し、ヒットならホームイン(事実、ロッテはこの場面で外野は定位置でした)、転がせばワンアウト三塁の場面にできたのです。
結果として、福田選手はバントを二回失敗した後、フォアボールを選びました。
続く2番西村選手。昨日も西村選手については触れましたが、本来は自由にバッティングをさせたい打者なのですが今日は2番でのスタメン起用。
前の打席では送りバントを決めており、ノーアウト二、三塁の場面でどうするのかと思えば、やはりバント。ただ、この場面に関しては私は決して否定的ではありません。
昨年規定打席に到達しコンタクトに優れた福田選手と、2年間で一軍50試合出場に留まっている西村選手ではそれこそ期待値も信頼度も違います。昨日ホームランを放っているとはいえ今年に関してはGB%が61%かつ引っ張り方向のPull%が50%、そしてここで併殺を打ってしまうとツーアウト三塁という絶望的な状況になってしまうことを考えると、ここでのバントは戦術としてありだと思いました。福田選手にバントを命じさせるのと、西村選手にバントを命じるのは大きな違いがあると考えています。続くのはクリーンアップで吉田選手、T岡田選手。送ったあとの2人で勝負を決める、というのは今日の打線を組んだ上でも妥当な帰結です。
そして、続く吉田選手は申告敬遠。ここまでは当然想定できるはずです。次はこの日三年ぶりに4番に入ったT-岡田選手。昨年は満塁で14-1、今年もここまで3-0と結果を残せていませんが果たして…という打席でした。
初球カーブを見送って2球目のアウトハイボールゾーンに思わず手が出たという力ないファールフライ。最後の長打も7/9で1ヶ月出ておらず、4番としての役割を果たせませんでした。その後の伏見選手も三振。この決定機で得点できなかったのはあまりに痛かった。
2、九回表の守備
八回裏のワンアウト満塁のチャンスを逃した次の九回表。投手には山田投手があがりますが、先頭の岡選手にヒット、送りバントとヒットでワンアウト一、三塁で打者は先制ホームランを放ったマーティン選手。
ここで選んだ選択肢はまさかの申告敬遠。一、三塁から満塁に敢えてする、ということは失点を兎に角減らしたいと言うことだと認識しましたかが、満塁にする必要はないでしょうwそしてこの場面での守備体系がこちら。
内野前進守備は百歩譲って一点を防ぐためとしてまだわかりますが、間抜かれて二点目は気にしないんでしょうか?外野はまさかの定位置。一点を防ぐための申告敬遠、そして前進守備の流れはまだしも、外野定位置は一貫性の無さを示しています。
そして山田投手対安田選手。昨日・一昨日とnoteで前進守備のリスクとして低めへの配球の偏りを指摘してきましたが、山田投手の持ち球が左に対してはフォーシームとスライダーのほぼ2択になる中でどうにか追い込みます。が、一点を取られたくない=長打のあるインコースは行きにくく、昨日も一昨日も指摘したように低めに張れる場面で結果球はこちら。
決して悪いボールじゃないですし、低めに目付けする中でアウトコースやや高めのフォーシームでしたが、ツーピッチでの狙いやすさと安田選手の技量でレフトオーバー。
奇しくも履正社の先輩後輩で結果が分かれてしまいました。
一層問題視したいのはこの後なんです。投手が吉田凌選手に代わり井上選手。ここでも守備は内野前進。
はっきり言って意味がわかりません。あれほど惜しんだ一点を取られ、しかも二点奪取されたあとでなおもヒットゾーンを広げ配球を再現させる意味はどこにあるのでしょうか?
決して前進守備という作戦を否定する気はないのですが、申告敬遠までして失点を避けたいのであれば外野も前進させるべきです。一点が致命的であるのならば二点目はさらに致命的ですよね。普通に考えて。
3、3試合を終えて
こうして私の3連戦を終えましたが、一昨日・昨日のnoteを見てみましょう。
そして今日とまさかの3日連続の前進守備を話題にすることになるとはね。多くは語りませんが(既に語ってるし)、借金二桁もやむを得ない戦術の選び方だと思います。
今日単独なら八回裏のT岡田選手が打てなかったという一点に尽きることもできたのですが、前2日は序盤で前進守備、そして今日はちぐはぐな守備体系と1日単位での采配の不味さが際立ちますね。
それでも現地観戦は面白いと言えるのは、こうしたプレーが見られるから。
投手と野手の駆け引き、守備のスピード感などはやはり現地でしか味わえないのでね。基本的に楽しかったです。借金返せるように頑張ってね。
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