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オリックス・バファローズ シーズン3/4を終えて

こんばんは!シュバルベです。いろいろなことがあった一年ですが、暦を見ればもう10月。日に日に秋めいて上着が必要なぐらいの気温になる中、オリックス・バファローズは90試合を消化しました。今シーズン、定点観測的にシーズン30試合、60試合とレポートしてきたのでこれがシーズン終了前最後の本格的なレポートとなります。これまでのレポートはこちらからどうぞ🙇‍♂️

8/19に西村前監督が辞任、8/20から二軍監督だった中島監督が代行しています。これまで同様、チーム全体の状況からスタートし、ポジション毎に詳しく見ていく形で構成しています。長いですがお付き合いください。

まずは現在の順位表から。

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シーズン半分時点で18あった借金は現在18のまま。五位ファイターズとのゲーム差は8.5でダントツ最下位となっています。それでも直近30試合の成績は14勝14敗2分で、30試合→60試合で借金を13も増やしたことを考えれば、トレードや新外国人選手の獲得といった補強もない中で直近30試合はようやってると言えます。チームの基本的な数字を追っていくと、現在の防御率はリーグ3位の4.08(4.09④→4.31④)、チーム打率はリーグ4位の.247(.241④→.242⑥)となっています。得失点差は-40(-19→-62)で前回調べから22点改善しました。

大きな数字を防御率/打率だけ見ても仕方ないので、いつも通り各ポジションごとに現状を分析していきましょう。

1-1.先発投手

現在の先発ローテーションは、山本→増井→田嶋→山岡→張→宮城(※増井投手は10/1抹消、宮城投手は報道から)。山崎福也投手やアルバース投手も変わらずローテ争いを繰り広げており、先発投手に関して言えば開幕からコアになる山本投手・田嶋投手がシーズン通して頑張っています。先発陣の成績はこちら(15イニング以上)。

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ローテを守る投手の多くが20代前半で、なおかつ上記の選手全員に勝ち星が付いているのは素晴らしいです。直近30試合で先発投手で13勝9敗と、各30試合ずつ見てきた中で今季初めて勝利数が上回りました(パチパチ)。通期では24勝32敗と先発投手で8個の借金を背負ってしまっていますが、前回60試合時点では借金12だったのでこの30試合で多くの先発投手がゲームメイクをできていたと考えられます。また、先発投手の投球イニングは累計501イニングのリーグ2位(1位はロッテ529イニング)につけており、先発投手陣はシーズン通じてイニングも食えています。

同一リーグの各チームの先発投手に関してのK%・BB%・HR/9も例のごとく出してみました(せっかくなので60試合時点で取ったものと比較しました。ともに数値はリーグ通算の値です)。

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こうして見てみるとやはりソフトバンクの先発は良いですね、シーズン半ばの疲れの溜まる時期にK%・BB%・HR/9すべて良化させています。オリックスはK%・BB%は良化しましたが、HR/9は1.04から1.11に悪化、現在リーグ5位になってしまいました。京セラドームというリーグ屈指のピッチャーズパークを本拠地にしている以上、被弾は少なくしたいというのが本音です。

以下、個別の選手を見てみましょう。

開幕からローテを守っているエース山本由伸選手は高いクオリティでゲームメイクをし続けています。不調と言われながら防御率2.43は規定到達でリーグトップ。ここ30試合で5登板し4勝1敗、37イニングで自責点3と圧巻の成績を残しています。シーズン30→60試合時に4被弾でしたが、60→90試合では僅か1被弾。奪三振率を示すK%はなんと29.9%。リリーフ投手でもこのレベルの選手はほとんどいません。

フォーシームの平均球速は151kmでリーグ3位(1位千賀投手、2位バーヘイゲン投手)をマークし、wFAもプラスに転じました。前回投稿ではフォーシームを狙い撃ちされている旨を書き今オフの取り組みについても言及しましたが、自身のフォーシームを信じ、この5登板で一気にスタッツを巻き返しているのは流石日本代表エース候補という感じですね。脱帽です。

同じくローテを守り続けているのは左腕の田嶋選手。やはり5試合を投げ2勝1敗。9/16楽天戦では自身初の初完投初完封勝利をマークする一方、9/9西武戦では2回8失点、その他3試合も複数失点とやや調子を落としてしまいました。被打率は.215と未だに高水準をマークしていますが、5試合で7被弾とホームランにやられています。球種を見てみると、前回調べで7%あったツーシームの割合が4%と低下しており、この5試合で4試合マスクを被った伏見選手の配球もあるのかもしれません。

これまでシーズン通してローテーションを守ったことがなく、今が恐らく一番辛い時期だと思いますが、ここを乗り越えて左のエースとして自他共に認められたいところですね。走り込みが最後の一踏ん張りを支えてくれることを願っています。

脇腹の怪我から戻ってきた山岡投手は4試合を投げ2勝2敗。うち3試合はQSを達成しており、ゲームメイクはできています。脇腹の怪我だけでなく、胃腸炎で8kgも体重を落とすなど厄年感のある今シーズン。

投げられれば試合を作ってくれるだけに、残り試合も無理をせずに(といってもセーブするような選手じゃないですが)丁寧に投げて欲しいですね。怪我の影響からか、フォーシームの平均球速は142.2km(昨年144.8km)に下がり、変化球も軒並み2km程度落ちています。しかしながら、昨年封印していた高速シンカー(ツーシーム?)の割合が6.7%あり、しかもプラス指標球速が落ちる中でもゲームメイクできているのはこうした新しい取り組みのお陰なのかもしれません

ここ30試合で16イニング8失点と不調だったアルバース投手に代わって先発のマウンドに上がったのは増井投手です。ファイターズ時代にはリリーフ専門として投げることを志願し、FAに際してもクローザーの役割を担うことを約束してバファローズに入団した増井投手ですが、今年は9/3に初先発しここまで三度の先発登板。1勝1敗で15イニングを投げ自責点5とまずまずのピッチングを見せています。

こちらの記事に書かれているように、これまでも打診を断り続けた中で今年引き受けた理由は下の記事に書いてある「いつかは救援ではキツくなる」というものでしょう。

シーズン1/4時点で中継ぎピッチャーとして増井投手に触れましたが、今年はフォーシームの球速が落ち144km台に低下しフォークとのツーピッチでは厳しいマウンドがつづいていました先発として登板すると、カーブやスライダーも合わせて15%程度交えておりリリーフとは全く違ったピッチングスタイルとなっています。ベテランになってからの先発→リリーバー転向は能見投手や山井投手などがいますが、リリーバー→先発への転向は36歳の増井投手にとってかなりチャレンジングな試みです。リリーバーとしての短期間の調整に身体の厳しさを感じているようですが、今後先発として例えば中6日で回すことができるのかという点は気になります。

開幕2カード目からローテに入っていた山崎福也投手は直近3登板中2試合で5回6失点と打ち込まれ、ローテ争いを繰り広げている張選手が現在はローテ入りを果たしています。直近3登板では15イニング7失点と抜群とは言えませんが、最多失点は3点で大崩れしない点は先発として大事な部分でしょう。今年は昨年まで記録されていなかったツーシーム、カットボールも交えており、投手転向2年目という観点からすると怪我明けの今年6登板で防御率3.86は立派な成績です。

例のごとく、先発投手は比較的プラス材料が多く、若い選手がゲームメイクできていますね。

1-2.リリーフ投手

続いてはリリーフ投手陣です。バファローズはリリーフ投手全体で288イニングを消化し、防御率4.33(前回調べ4.26)でリーグ最下位。同一リーグの各チームのリリーフ投手の指標はこちら。

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先発投手の指標と同様、K%・BB%は良化しましたがHR/9は改善できず、リーグ最下位となっています(ちなみにK%とHR/9で圧倒的に他を引き話しているソフトバンクの防御率は驚異の2.70)。とはいえ、シーズン終盤戦に入りリリーフ投手も疲れが見え各球団軒並み奪三振率・与四球率が低下する中で、その2項目を選手を入れ替えながら良化させたのはプラスに捉えたいところです。次に各個人の成績を見てみましょう(10イニング以上)。

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シーズン半分終了時点では名前のなかった富山投手・漆原投手がともに10登板・10イニングをクリアし表に名前を連ねました。残念だったのは澤田投手。前回投稿で言及したように強いフォーシームでK%27.6(前回調べで18.6%だったので、直近のピッチング内容の素晴らしさが浮き彫りに)と状態を上げてきた中で肘の故障で登録抹消となりました。

個別の選手をいつも通りみていきましょう。

まずはクローザーのディクソン投手。ここにきてK%は15.6%→18.8%まで上げてきており、BB%も10.4%→9.8%と良化させました。直近30試合で9試合に登板し、そのうち2試合で失点(9/19西武戦で2失点、9/26日ハム戦で3失点)を喫しました。同期間で挙げたセーブは3つと物足りなく、ここまでの累計でも11セーブと、シーズン通してクローザーの役割を担っているにもかかわらず少ないセーブ数に留まっています。勿論、リードをしていない限りセーブシチュエーションとはならないのと、ここまでの30登板のうち失点したのは5試合だけなのでディクソン投手のクローザー起用は決して間違っていません。60試合経過時と同様、マネーピッチのナックルカーブの割合は43.8%と昨年対比で15%近く減らしており、ツーピッチからの脱却を狙ったピッチングはある程度結果に結びついています。イケメンだし。

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セットアッパーも変わらずヒギンス投手が担っており、8回・9回を外国人選手二人で固定できているのはオリックスの強みとなりうる部分です。ヒギンス投手は直近30試合で10試合に登板、10イニング5失点という内容。失点したのは2試合で、9/6楽天戦で2失点、10/1西武戦で3失点とディクソン投手と偶然にも似たような内容です。西武戦ではNPB初被弾を浴びてしまい、防御率も失点した2試合とも複数失点だったため悪くなってしまいましたが、それでもシーズン頭から32試合登板して今の数字は立派です。特に今年1年目となった新外国人選手でここまでの数字を残してくれていることには感謝をしなければならないでしょう。フォーシームは平均150.8kmで、チーム内では先発の山本由伸投手に次ぐ2位の速さです。8回までいかにリードした展開で回すかが今のオリックスにとっての勝ち筋でしょう。

チーム最多の36登板を誇る山田投手は8月末に休養で抹消されたものの、9月に一軍復帰。昇格後も元気に10試合に登板しています。通期で被弾僅か1本とリリーフとしての働きは目覚ましく9月だけで6ホールド。厳しい展開での登板が多く、3試合で失点を喫し2敗と悔しい試合もありました。それでも首脳陣からの信頼は未だ絶大で、リリーフ投手におけるキーマンと言えるでしょう。

リリーフのA組としてここ30試合を支えたのは右の吉田凌投手K%は23.7%→28.1%とさらに良化、スライダーの割合は実に57%でwSL3.6とプラス指標となっています。ここ30試合で10登板とフル回転した一方、8 1/3イニングで4失点とやや疲れも見えてきたところで10/1に登録抹消。ここまでの4年間なかなか目が出なかった中で、7/15から約2.5ヶ月リリーフとしてブルペンを支えてきた今季の働きは立派ですね。休養後、再度リリーバーとして見たい投手の筆頭です。

左の齋藤投手も9/2に抹消されたものの9/23に再昇格。山田投手が休養を与えられている中で奮闘してくれた左サイドの変則投手は、昇格後4試合登板し無失点。吉田投手と左右は違えど、スライダーが投球の58%を占め、130km台半ばのフォーシームとのコンビネーションで抑える様は宮西投手のようですね。

監督交代後、ともに8/23に一軍昇格を果たしたのが右の漆原投手と左の富山投手。いわゆるリリーフのB組としてビハインドや点差の開いた場面でのリリーフ登板を主体に奮闘しています。

まずは漆原投手。育成契約から今季支配下に上がった速球派右腕は、投球の実に65%がフォーシーム平均球速は146kmと圧倒的なシェアの割には出ていませんが、K%=26.8%は立派です。平均132kmのスライダーと同球速帯のスプリット、115kmのカーブと3段階の球速で抑える昔ながらのスタイルですが、現代のカットツーシームといった動くボールが主流となってマークされる中ではこうしたオーソドックスさも武器になるのかもしれませんね。

左腕の富山投手は2年目の今年、数字上ビルドアップに成功しています。昨年の一軍登板ではフォーシームの平均球速139.5kmでしたが、今年は144.3kmと約5キロの球速up。スライダーやカーブの球速はほぼ変わらないというのも味噌で、スライダーの平均126kmはフォーシームに対して-18kmと緩急差が大きくなっています。決め球はスプリットで、昨年は投球割合の5.9%しか投げていませんでしたが本年は28.6%。ピッチングのスタイルを一年で大きく変えてフォーシームは速く、変化球は緩急を大事にして昇格してきた中で、9月は11登板中失点したのは僅か2試合。

漆原・富山の2投手は吉田選手や齋藤投手が疲労で成績を落とす中でリリーフのA組を狙っておりチーム内での熾烈な競争は全体のレベルアップに寄与しているでしょう。

ただ、リリーバーを見てもやはり気になるのは球速の不足です。平均150kmを超えるのはヒギンス投手1人、日本人では現在の一軍メンバー最速が漆原投手の146kmとなっています。球速があればいいというものでもないですが、コントロールの悪さや、被弾しない最後の砦として球速は自身を助けるものの一つです。今オフで誰かビルドアップして来期出てくるかが来シーズンの行方を左右するかもしれません。

2.野手陣

続いては野手陣のここまでの主な成績をみてみましょう。

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なんと打率は最下位から抜け出しリーグ三位に浮上しました(パチパチ)。一方、リーグ最下位の長打率が足を引っ張りOPS.685はリーグ最下位。ISOを見ても長打力不足は明らかで、これはシーズン1/4時点から言い続けているので今更変わるものでもありませんね。いきなりホームランバッターが入ることもないので笑

例の如く、@Deltagraphs さんのポジション別の攻撃力はこちら。

短期間で変わるはずもなく、一塁、二塁、中堅、指名打者でマイナス指標となっています。早速以下にポジション毎に見ていきましょう。

2-1.捕手

ここ30試合で最大の異変は昨年の正捕手若月選手から、伏見選手が正捕手の座を奪わんと20試合でスタメンマスクをかぶったことです。伏見選手の魅力はなんといっても長打力ですが、スタメンマスクを被っていながらこの第3四半期で4本塁打は素晴らしい。

彼自身ベンチで劣勢でも声を張り上げているように、伏見選手のホームランはベンチを元気にしてくれます。9番捕手での起用が多く、捕手としての負担を下位の打順で少しでも軽減させようという意図も感じられ、今はいい流れで捕手伏見選手が回っています。

一方、8月は打率.106と沈んだ若月選手も休養もあってか9月は打率.286で二塁打も3本と打撃面で復調傾向。200打席で7四球とフォアボールが極めて少ない点は大いに気になりますが、それでもブロッキングやアームなど捕手としての基本的な能力では伏見選手より分があるだけに、分け合うことで互いに好成績を残して欲しいですね。

今年FA権を獲得しその去就も気になる松井雅人捕手はオリックス入団後初本塁打を9月頭に放ち、その後怪我で離脱するも現在は復帰。第三捕手として、彼の優れたフレーミング技術は左右の幅を使う投手と組ませると抜群です。

タイプの異なる三選手が捕手として運用出来ているので今の体制が長く続くといいのですが。

2-2.内野手

まず一塁手は少し光明が見えてきました。というのも、9/17にモヤ選手が一軍に昇格すると出場13試合で6本塁打。わずか70打席で201打席のロドリゲス選手と同じ数のホームランを打ってしまいました。9月は月間の長打率.833、打席数は違いますが吉田選手が.436だったのでどれだけモヤ選手が打っていたかが分かります。

今年も二桁ホームランまで持っていければ今の助っ人獲得が難しい世情を考えると来季の契約が近づくでしょう。相変わらずコンタクト率は70%台前半と低いですが、甘いボールにハードコンタクトして長打が出るなら問題なしです(同じ役割をジョーンズ選手にも求めていますしね)。

二塁はこの30試合で福田・大城・太田の三選手がスタメンを分け合いました。期待の高卒2年目の太田選手は同期の宜保選手と同時に昇格すると、その日のスタメン起用に応えホームランを放ちます。

その後も5試合で21-7と打ちまくりますが、9/27の試合で三塁手と交錯し負傷。残念ながら抹消となってしまいました。

昨年のセカンドのレギュラー福田選手は9月、.286/.376/.369と好成績を残しました。昨年よりコンタクト率が下がったにもかかわらず、BB%は10.6%→13.6%に向上。K%は9.8%→14.5%と悪化していますが、昨年583打席で13本だった二塁打が今年は221打席で9本に代表されるように、長打率が.306→.360と大きく上がっています。主に一番を任されリードオフマンとしての役割を今シーズンは十分に果たしており、盗塁も9月は9個中8個成功。守備面でも大城選手には劣るもののUZR+4.8あり、攻守に欠かせない選手となっています。

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ショートは安達選手が約週3ペースで出場しており、起用時には9月半ばから3番を任されるようになりました。守備負担も大きい中で、9月は.302/.324/.444と打撃の調子を上げています。相変わらずの名手っぷりでUZR+4.8は源田選手(+10.8)に次ぐリーグ2位。彼が通期で出られればと思わざるを得ませんね。。安達お休みの日に出場する大城選手が.205/.275/.219と打撃が低迷しているだけになおさらです。

レギュラー不在の三塁は、西野選手が9月途中まで主に起用されていましたが9/19にまたしても故障で離脱。

.263/.333/.316と低迷する三塁手の中では出塁できる選手なだけに勿体なさすぎますね。

存在感を示したのは9/15に昇格した大下選手。初戦で初打席初ホームランを放つと、その後13試合でスタメン起用。.224/.296/.347と決して目立つ数字ではないですが、ベンチや守備で大声で鼓舞する姿がファンの心を掴んでいます

特に初ホームランは神戸25周年ユニ。盛り上がるなという方が無理ですよね笑。これまで声出しといえば伏見選手でしたが、相手ファンからも嫌がられるほどの声出しをする大下選手は良くも悪くもアマチュア感満載で、どこか愛くるしい体型と相まって人気を博しそうな予感です。もっともっとスイングスピードを上げ、甘い球を逃さないコンタクト能力を身に着けることで”エル・タンケ”ビシエド選手並みの活躍を期待したいですね笑

2-3.外野手

まずレフトはオリックス・バファローズの誇る日本代表選手・吉田正尚選手。wRAA+14.6は当然レフトとしてトップ、9月は少し調子を落としたといえど、.309/.416/.436と十分な成績を残しました。私も9月のライオンズ戦で観に行きましたが、どの高さでもレベルにスイングできる能力が素晴らしすぎる。

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やはり代表クラスですね。この画像ひとつで素晴らしさが分かるのではないでしょうか。今シーズンのスラッシュラインは.357/.457/.527で現在の首位打者。敬遠は14個あり、2位柳田選手が8個であることを考えると勝負を避けられるケースが目立っています。オリックスについてシーズン頭から語られているように、吉田選手の前後を打つ打者がどれだけ出塁しランナーを返せるかがチームの得点を左右しています。

もっとも吉田選手の後を打っているのはジョーンズ選手

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ここ30試合で外野の守備位置についたのは僅か2試合でほとんどDH専となっています。9月10日の西武戦で日米通算2,000本安打を達成しましたが、9月は怪我の影響もあり打撃不振。8月に京セラドームで3戦連続本塁打を放った打力が影を潜め1本塁打に留まりました。二塁打も1本のみで、ジョーンズ選手にかける期待の大きさからすると月間で長打が2本というのは物足りません。10月に入ってから3試合で4安打と復調傾向にあるので、彼に期待している長打も伸ばしてほしいところです。

センターは継続してレギュラー不在です。8月末〜9月途中まで中川選手がメイン起用されていましたが、月間打率.163と打撃不振に伴い9/15に登録抹消、以降は西浦・西村・小田・佐野の4選手が守備についています。佐野選手のみ9月昇格後に8打数4安打と当たっていますが、9/14に右打から両打に再転向するなど試行錯誤をしている真っ最中です。

佐野選手は今季15盗塁を失敗無く決めており、攻守にレベルアップできれば大きな戦力になりそうです。その他挙げた3選手はいずれも打率1割台。どの選手も足はあるものの、打撃面では物足りない成績が続きセンターのポジションはオリックス最大の穴となっています。

ライトには8/21に昇格した"ラオウ"杉本選手が9月は24試合85打席に立ち、.320/.400/.413と好成績を残しました。そのあだ名と、昨年までのホームランの印象からプルヒッターのイメージが強いですが、今季はレフト方向に28.4%、センター方向に51.9%、ライト方向に19.8%。昨年はレフト方向に42.9%とイメージ通りだっただけに、今年はセンター返しを心がけたバッティングが出来ています

打球の強さを示すHard%は44%でこれは吉田正尚選手の44.7%につぐチーム2位。昨季との比較では、ストライクゾーンのスイング率は73%→82%、ストライクゾーンのコンタクト率は70%→86%と大きく向上しています。二軍でOPS1.112と打低のウェスタンリーグに於いて圧倒的な数値を誇ったのはゾーン管理能力の向上があったのではないかと考えられます。

3.のこりの試合をどう生かすか

シーズンも残り30試合。最下位だからと言ってだらだら負けていたら来年の浮上や選手の能力向上は無いよ!と前回投稿で書きましたが、ここ30試合は5分の成績で戦えています。二軍から昇格した選手をその日にリリーフやスタメンで起用しており、育成モードに入りつつも勝ちを重ねているのは中嶋監督の手腕によるところも大きいでしょう。

特に外野手の杉本選手は前監督時代に一度も昇格せず構想外とも思われていた中で、チャンスをつかんで今はほぼレギュラーとして出場しています。二軍で結果を出す→一軍で起用→結果の如何で処遇を決める、という本来ごく自然な流れが今のチームではできていると感じるのは私だけではないでしょう。

ただ、やはり各ポジションで見てきた穴のポジションが他球団と比べて劣っているのは否めません。打撃においては長打を打てる打者の獲得と育成を追求していかないと、結局同じ問題点を抱え続けることになります。FAなのかドラフトなのか新外国人の獲得なのかという、3択の中でその問題点を解消する必要があるので課題の洗い出しがほぼほぼ終わった今、今オフの動きを楽しみにしたいと思います。

■出典

・ESSENCE of BASEBALL(https://1point02.jp/op/index.aspx)

・nf3(http://nf3.sakura.ne.jp/index.html)

・アメリカ大手データサイトのfangraphs(https://www.fangraphs.com)

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