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6/7練習試合オリックス対広島

開幕まで2週間を切り、各チーム仕上げの段階に入りつつある練習試合。オリックス対広島戦を見たので、プロニューの「今日の熱視線」的な感じで書いていきます。まずは結果。

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今日の試合、熱視線を浴びせたいのは大城選手です。昨年はセカンドの福田選手が92試合で1番打者を務めましたが、現段階でやや出遅れており(今日の二軍戦では3番に起用されるはずが、試合開始直前に変更されていました。不安です。)、今年は本格的にセカンドに取り組んでいる大城選手に出番が回ってきています。大城選手は、昨年わずか3試合しか1番打者として起用されていませんが、この練習試合では2日連続でトップバッターとしてスタメン出場となりました。結果、4打数2安打1四球1得点1盗塁としっかり結果を残してくれました。

まず第一打席。広島の先発はドラ1右腕森下投手。本来の調子だと森下投手はフォーシームで140後半〜150kmをコンスタントに投じるのですが、立ち上がりいつもの球速が出ず変化球も高めに浮いていました。ファール2つで追い込まれてからの4球目、落ちきらずコースも真ん中に入ったチェンジアップを叩きます

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左中間を真っ二つに割るツーベースになりました。去年は345打席で吉田正・中川に次ぐチーム3位の二塁打18本、走力がある分ボールを捉えれば長打につながります。昨年は得点力不足に苦しんだオリックスにおいて、初回先制点を取ることが極めて重要だと考えているので、初回先頭の大城選手の二塁打は試合を優位に運ぶ大きな一因となりました。(その後、吉田正尚選手の打席で先制のホームを踏みました。)

第二打席は二回ワンアウトランナーなし。比較的自由に振れる状況の中で、前の打席とは一転してカーブ2球で入ってこられたあとの3球目。

インハイ難しいところにきたフォーシームに対し、腕を畳んでレフト前に弾き返します。しっかりと左足を踏み込んだ上で、シンプルにバットを出していったバッティングは見事。さらに続く小田選手の打席の初球で走り盗塁成功。初球から走って得点圏に進んでくれるとベンチにとっては采配が広がりますね。

第三打席は4回裏ワンアウト2塁の場面。ランナーを進ませたくない広島バッテリーは三振を狙ってフォーシーム主体の組み立てを行います。3球で追い込まれますが、そこからが長い。

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6球フォーシームを連続で投げますがファールで逃げ、バッテリーとしてはフォーシームの力でねじ伏せるのは諦めチェンジアップで引っ掛けさせる策に転じました。それでも一球粘り、8球目のチェンジアップは残念ながらバッテリーの狙い通り引っ掛けたサードゴロになりました。

配球チャートの通り、ストライクゾーンの管理はしっかりできていて、結果球も高めに浮いたストライクゾーンのボールでした。狙うべきボールは間違っていないのと、8球投げさせたことは1番打者としての役割を十分果たしていると言えます。引っ掛けても一、二塁方向に転がしランナーを進められれば最高でしたが、今日2安打の選手にそこまで求めるのは過度でしょう笑。

第4打席では後述する駿太選手のセーフティースクイズが影響したか、制球を乱した塹江投手からストレートのフォアボールをもぎ取りました。

守備では二回表、メヒア選手のセンター前に抜けそうな鋭い打球、ベンチの采配でシフトを敷いていたとはいえ何事もなく打球に反応し、地肩の強さを生かしてノーバウンドで一塁送球

この肩と、身体が流れながらでも一塁に強く放れるボディバランスから、大城選手に関して私はショート推しなのですが、二遊間どちらもリーグ平均並みの守備を見せてくれるので安心感がありますね。

序盤戦での主導権争いにおいて、今日の大城選手が果たした役割は攻守に極めて大きく、今日のMVPだったと思います。ロドリゲス選手の豪快なツーランも良かったですが笑

大城選手は入団後から年々打撃の成績が良くなっており、OPSで見ると一年目は.506だったのが、二年目に.583、三年目に.600、四年目の去年は.694と4年間で2割もOPSを上げています。OPSを導くための長打率・出塁率がともにルーキーイヤーに比べて1割近くプラスしていて、パワーも確実性も上がり今年・来年あたりは年齢的にもピークを迎える可能性があります。昨年の出塁率.329は通年通しての1番バッターとしてはやや物足りない数字ですが、今回のような代役での1番打者だったり下位での起用としては十分だと言えます。若い太田椋選手、宜保選手の一軍お試し起用も今年は予想される中で、大城選手にはその若い選手に立ちはだかる高い壁になって健全かつハイレベルな競争をして欲しいですね。

あとは今日1番びっくりしたプレーについては書かないといけませんね。4-3と追い上げられた五回裏ツーアウト満塁でバッター駿太選手。その初球。

まさかのセーフティーバント。

当然ですが、満塁の場面でのバントはどこに転送してもアウトが取れ、極めてリスクの高い作戦となります。三塁ランナーはロドリゲス選手であまり速くなく、この場面もキャッチャーが捕球できていたらアウトでしたね。サードメヒア選手の送球がロドリゲス選手に当たったことでボールは逸れ、2点が入りました。

正直、この作戦は今後使われることはないでしょうし、今日の試合を見たからと言って他球団が対策をするとは思えません(ツーアウト満塁でバントや内野安打を警戒して前進守備をとる球団はないでしょうし、バッテリーにしてもピッチャーゴロと同様の対応で想定するだけです)。結果的に点は入りましたが、駿太選手は4日ソフトバンク戦と昨日の広島戦と1週間で2本のホームランを放っており、打撃で結果を出している選手にはチャンスでどのような打撃が出来るか見たかったというのが本音です。確かにバントは上手かった、でもツーアウト満塁、練習試合でやる作戦ではないな、というのが私の感想です。

その他、山本由伸投手は開幕に向けたいい投球を見せ、中継ぎ陣も比嘉・山田・ヒギンス・神戸の4選手でわずか被安打1と、上記満塁セーフティー以外は淡々としたいい勝ち試合でした。明後日からは最後の練習試合6連戦。内容も結果も求めたいですね。

パリーグTVによるハイライトはこちら↓

データは例の如く以下サイト参照です。


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