東京ヤクルトスワローズ2022年期待の若手選手6選
こんにちは、シュバルベです(๑>◡<๑)
今回のテーマは今年2022年のスワローズ期待の若手選手についてです。既にサラリーマンスカウトさんの動画でもお話しさせていただいたのですが、せっかく資料も作ったのでその補足として今回のnoteを書いていこうと思います。
動画では投手2人、野手2人の計4人を挙げましたが、こちらの投手編では1名増量の期待の投手3人を挙げたいと思います。早速、どうぞ!
・金久保優斗投手
先発ローテーションの一角に入り、奥川・高橋と若手先発投手陣結成を期する一年
まずは先発ローテーション入りを嘱望される若き右腕、金久保優斗投手です。プロ入り後早々にトミー・ジョン手術を受けるなど決して順風満帆とは行きませんでしたが、入団以来少しずつ登板数を伸ばし昨年は一軍でも10登板、貯金を3つ作りチームのリーグ優勝に大きく貢献しました。
2021年の成績はこちら。
8試合に先発、防御率は2点台で4勝をあげました。ただイニング数は42イニングと伸ばせなかった要因は不運な事故にあります。5月14日の試合で打球がみぞおち付近に直撃、その影響でフォームを崩してしまいました。
それでもシーズン最終版のチームがリーグ優勝争いしている中で一軍に復帰し、10月17日の復帰戦で5回2失点で勝ち投手。クライマックスシリーズ第3戦では打球直撃により緊急降板した原樹理投手のあとを継いで3.2回を1失点にまとめゲームを作りました。日本シリーズでは登板こそなかったものの全試合に帯同し、ロングリリーフでの起用に備えていました。
これまで金久保投手は年間で投げるイニングを少しずつ伸ばしてきました。各年の一軍/二軍での登板数は次のようになります。
打球直撃の影響がなければ21年に一軍+二軍で100イニング超えていた可能性は高いですね。それは今年に持ち越しということでしょう。
ピッチングスタイルとしては、140km/h中盤のフォーシーム、落差の大きいスライダー、カウント球にも決め球にも使えるスプリットとチェンジアップ。しっかりと軸になるボールを複数持っているので、狙って三振が取れる点が金久保投手の魅力でしょう。
変化球に磨きをかけるべく、2月のキャンプでも精力的に練習を行っている一幕も。
貪欲にレジェンド上原浩治氏に訊く姿勢が良いですよね。余談ですが、上原氏が現役時代にスワローズの小川投手と高橋投手は合同で自主トレも行っていましたね。小川投手はともかく、高橋投手が高いパフォーマンスを見せられるようになった下地にもなっているのかもしれません。
金久保投手に話を戻すと、21年の得点圏被打率は.175と極端に低く、ピンチでも動揺せず自身のボールを投げ切れるメンタルの強さはクライマックスシリーズという極限の場面でも大いに生きていたと思います。
2022年、金久保投手にはぜひ年間100イニングを最低限の目安として投げて欲しいと思います。特に一軍でどれだけ登板数が伸ばせるかで、スタミナの向上が欠かせません。これまでの最長イニングは6回なので、7イニング目にマウンドに上がるだけのスタミナと安定感が求められます。
なお投手で珍しい右投左打で、その打力は高校生時代に山下輝投手から本塁打を放ったほど。プロ入りしてからはまだ1安打ですが、投手も打席に入るセリーグなのでその打撃にもぜひ注目していきましょう。
高橋奎二投手、金久保優斗投手、奥川恭伸投手の3人の若くて力ある投手が先発ローテーションに入りチームを引っ張る日はすぐ目の前に来ているので、非常に期待をしています。
・宮台康平投手
手薄なリリーフ左腕の救世主になる
投手の2人目は宮台康平投手です。東京大学出身ということで入団時から多く取り上げられましたが、大学時代は大学日本代表に選出され日米野球でも好投を見せるなど実績もあった投手です。
大学3年秋ごろから怪我の影響もあり球速が今一つ出ない期間が長く、日本ハムではルーキーイヤーで一軍マウンドを経験するも20・21年と一軍登板なし。二軍でも目立った成績を残せず戦力外となりました。
トライアウトで好投を見せたことでスワローズが獲得、昨年は一軍登板は無かったものの二軍では見違えるような好成績を残しました。
二軍では同じイースタンリーグに所属するチーム同士での移籍でしたが、奪三振率・与四球率・被本塁打率など主要な項目が悉く良化。登板機会が全てリリーフになったことで割り切りもできたのか、ストレートの球速が140km/h中盤を平均して出せるようになり、防御率も2点台でフィニッシュしました。
スワローズは昨年優勝・日本一を果たしたものの左のリリーフは足りていないカテゴリーで、後半戦では田口麗斗投手を後ろに配置転換する苦肉の策も取りました。左の中継ぎはほぼこの田口投手と坂本光士郎投手の2人が担いましたが、ともに対左被打率が3割を超えているように右打者以上に苦手としています。
宮台投手が対左打者相手にいいピッチングを見せられると、昨年からの上積みになりチームの戦力拡大に繋がります。現東大野球部監督の井手峻さん以来の東大出身投手一軍勝利を見たい部分もありますし、チャンスをものにしてほしいですね。
宮台投手についてはこちらのnoteで深く書いておりますのでご参考になればと思います。
・梅野雄吾投手
代名詞のストレートで先発転向も視野に入れ、復権を期する大事な2022シーズン
3人目の期待の若手選手、というには既に実績を残しているのが梅野雄吾投手。高卒1年目の2018年から一軍登板機会を得ると、3年目の2019年には68試合に登板し防御率3点台と中継ぎエース格のピッチングを見せました。
こちらは入団後の一軍での登板成績です。
2019年をピークに、20年・21年はシーズン途中の故障で離脱した時期があります。19年に在籍していた外国人のハフ投手並みに投げさせた挙句チームも最下位に沈んだ当時のピッチングコーチの運用には未だに怒りが残っていますが、プロの世界は毎年新しい投手が加入してくるので梅野投手はもう一度復活を果たしたい立ち位置です。
梅野投手の代名詞は強気のストレートで、21年も平均145km/hを記録し投球の60%近くを占めています。昨年末に一時的に公開されたホークアイデータでは、チームでトップクラスにホップ成分の多いストレートを投げていたことが数値に出ていました。
スライダーは横に滑るものと縦に落ちるもの2つ持っており、フォークボールも有効なボールとしています。21年はシーズン途中で離脱したものの奪三振率は過去最も高く、与四球率にも改善が見られ、投手としての完成度は上がっています。
昨年のスワローズは清水投手が72登板、マクガフ投手が66登板、今野投手が64登板、石山投手が58登板と中継ぎ投手の登板数が嵩みました。優勝したものの、やはり投手の疲労は大きいシーズンになったことは間違いないでしょう。梅野投手が復権を果たし、中継ぎ投手陣の枚数を整える、そんな2022年を基本的には思い描いていました。
が。
2月末に行われたオープン戦で梅野投手は先発で登板し3イニング無失点。その後、3月頭に新外国人の遅れを原因とした梅野投手の先発転向が報じられました。
理由としては次の3つ考えられるのかなと思いました。
一つ目は故障への対策です。登板管理されているとはいえ19年のような滅茶苦茶なコーチの起用も起きうる中継ぎより、しっかりと中6~10日空けられる先発投手の方が調整はしやすいというものです。
二つ目の先発経験に関しては、髙津監督が二軍監督時代に先発として投げられるよう育てて来たということです。その著書『二軍監督の仕事』には次の一節があります。
実際にプロ初登板は先発でしたし、1年目の二軍では先発起用を主としてきました。最後に先発したのは2018年5月5日の広島戦で同試合では1.1回5失点と大炎上したのですが、その頃に比べて一軍で通用してきた自信も経験もあるので新たなチャレンジは楽しみです。
三つ目のバリューの問題は、元スワローズの秋吉亮投手を見れば明らかでしょう。実績あるサイドスロー投手ですが、FA権取得イヤーに「ノンテンダー」で放出されると獲得する球団は無く最終的に独立リーグ行きを余儀なくされました。ロッテ有吉投手とDeNA国吉投手のトレードなど、中継ぎ投手のバリューは先発投手と比べて歴然とした差があり、先発が出来るか出来ないかはプロ野球人生を大きく左右します。
実際に開幕してから梅野投手が一軍で先発するかは始まってみないと分からないですし、仮に先発でスタートしても昨年の田口投手・スアレス投手のようにシーズン中盤から中継ぎに回ることは十分想定されます。それでも23歳という年齢を鑑みると先発にチャレンジすることは十分その努力に見合った成果が出ると思っています。
先発起用を考えた時に大事なのは悪い時にゲームが作れるかどうかです。ストレートが走らない、カウント球に苦しむ、必ず発生することです。そうした時にどれだけ引き出しがあるか、3年目ぐらいまではカーブやカットボールも投げていたのでこうしたボールも含めて打者と駆け引きして欲しいなと思います。
高校に入るまでは遊撃手だったその打撃にも、かつてプロ初打席ライトゴロという珍事を生で見た身としては楽しみがあります。先発だからこそ見られるものなので期待してしまいますね。
ここから先は野手の注目若手選手を紹介します!投手と同じく、3人の選手を選びました。
・宮本丈選手
秀でた打棒でレギュラー奪取を狙うユーティリティプレイヤー
まずは複数ポジションを守るユーティリティかつ巧打のバッティングが光る宮本丈選手です。ドラフト時は遊撃手としても評価されてきましたが、入団後はセカンドを中心に一・三塁を含む内野各ポジションと、ここ1年は外野の両翼でも守備機会を持つユーティリティプレイヤーになってきています。
最大のアピールポイントは打撃で、プロ入り後の一軍成績はこちら。
昨年は出場機会数こそ2020年より減少しましたが、4割に迫る高い出塁率を誇り、OPS.781と好打者のカテゴリーに入ってきました。出場の多くは代打からの出場でしたが、代打時の成績は打率.313、出塁率は.452。得点圏での打率は4割と素晴らしい集中力を見せました。
打撃アプローチに優れ、21年は12四球に対し10三振とゾーン管理ができています。代打での出場機会が多い故、対戦する投手はセットアッパーやクローザーなど力ある投手が多い中でこれだけの成績を残した打力は一見の価値ありと言うべきでしょう。スワローズの21年最終戦では広島のクローザー栗林投手から唯一の本塁打を放っており、22年の更なる活躍を予感させています。
スワローズのOBである上田剛史氏のYouTubeで青木選手が出演した回では、「チーム内で最も貪欲に打撃に取り組む選手」として紹介されていました。
22年に関しては、そのユーティリティー性を活かして両翼・一二三塁と5つのポジションを狙います。山田哲人選手で見慣れていることもあり本職に最も近いセカンド守備はやや物足りず、両翼で全幅の信頼を置けるほどの強肩はありませんが、球際には比較的強く日本シリーズのファインプレーなどガッツ溢れる部分を見せてくれます。
各ポジションに高い能力を持った選手がいますが、故障離脱や不振に陥る可能性はある中で宮本選手がサブにいるという状況はチームの編成上願ったり叶ったりでしょう。複数のポジションを伺いながら、長所である打撃でアピールし、非常に近い将来青木選手の後を担う姿を思い描いています。
昨シーズンに続き開幕前の怪我で出遅れていますが、故障が無ければ確実に出番が回ってくる選手なので頑張ってほしいですね。
・長岡秀樹選手と武岡龍世選手
野手の残り二人は2019ドラフト同期の長岡選手と武岡選手です。この二人に関しては既にこちらのnoteで今年に懸けるものは書いてしまいました(手抜きだろ)。
簡単にまとめると、次のようになります。
ともに2年続けて二軍を大きな怪我無く完走し、シーズン通してプレーをする体力はついていると考えています。セットで語られることの多い”長武コンビ”ですが、攻守に特徴が出始めて今年一軍殴り込みをかけ始めると思うのでぜひ注目してみてください。
ともにキャンプ~練習試合で試合に出場し守りの面では破綻なく一軍クラスに混じっているように見えます。二軍とは違う相手バッテリーの攻め、打球の速さ、状況判断のスピード感などを経験し将来のスワローズの内野の要になっていって欲しいですね。
以上、東京ヤクルトスワローズに所属する6人の若手選手を取り上げてきましたがいかがでしたか?高卒4年目の濱田選手や、大卒2年目の木澤投手など投打にパワーあふれる選手もいますし、ここに取り上げた選手含め若い選手の台頭はチーム力向上に必須となります。
黄金期の90年代も成しえなかった2年連続日本一にはこうした選手たちがチームに刺激を与え続ける必要があるでしょう。間もなく開幕し、半年にわたる長いシーズンに突入します。大きな故障なく各選手が自身の持ち味を発揮すれば #絶対大丈夫 なので頑張ってほしいですね。
■出典
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