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5歳の娘 イケメン俳優に恋をする

「わたし、すきなおとこが3人いるの」


5歳の娘に言われて、思わず、ブハッと声が出た。

漫画で笑うシーンの効果音としてよく描かれている、あの、ブハッだ。

いままで、ブハッなんて言葉を発したことはなかったが、あの効果音は正しいことが証明された。


まさか幼稚園生で、男子のことを「男」と呼ぶなんて。最近の5歳は恐るべしである。



3人の男の内訳を詳しく話を聞くと、年中同級生の男の子2人と、年長の男の子1人が好きだと言う。

「いっくんは、とても優しい年長さんだよ。折り紙を手伝ってくれたし」
わかるよ、優しい男子はモテる!

「りょうくんは、いっぱい喋るけど、たまに私をドンって押してくるの」
ツンデレタイプか!

「そうすけくんは、給食テーブルが一緒で、いつも私を笑わせてくれるよ」
会話が弾ませてくれる男子は最高!


3人のプロフィールを聞いて、不要な分析をする私だったが、こんな話するの今だけかと微笑ましくなった。

結婚すると名字が変わるという制度も知っていた娘は、3人の男たちの名字と自分の名前を言い並べて、
「うーん、上と下の名前が、なんかあわないね」
などと、つぶやくものだから、これまた笑ってしまった。



こないだ家族でショッピングセンターに行った。
映画館の前にあるポスターを見て、ふと娘が言った。

「わたし、この人すき」

なんということだ。
新たな男の出現である。

娘のハートを射抜いた若手イケメン芸能人は、一体どんな人だとワクワクしてポスターを見ると、
そこには、キムタクがいた。



守備範囲が広すぎる娘。
世代を超えて、イケメンすぎるキムタク。



そして、思わず声を上げたパパ。
実は、パパとキムタクは同い年なのだ。


すかさずパパは聞く。
「パパとこの人は、同い年なんだよ!どっちがかっこいい?」

なんという無駄な張り合いか。
比較対象にすらなりませんと、私は心の中で唱える。


娘はキムタクとパパをしばらく見比べて、

「この人」
とポスターを指した。


ガクッと肩を落とすパパと、
予想通りの展開に、

私はまた、ブハッと声が出た。

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