日本美術の底力 「縄文✕弥生」で解き明かす 山下裕二著 NHK出版新書
昨年、新潟に旅行で行った際に、魚沼の西福寺を訪れ石川雲蝶の天井画を観てきた。
なんともど派手でコテコテ、そして超絶技巧に度肝を抜かれた。
なぜ、この時代にこの場所でこんなにすごいものを作れたのだろうか。
日本画のイメージの侘び寂びというか、渋さとは全く異なる造形に戸惑った。
伊藤若冲や「相撲生人形」を観たときの違和感。
今まで頭にある、日本画の印象とかけ離れていてどこからその創造のエネルギーが生まれてきたのだろうかという疑問。
それは、日本の美として認められていた、静であり、寡黙、そして余白の美である弥生的な美。それに対し、過剰で饒舌な縄文の造形にあるもう一つの「日本の美」というものが、もともと日本人の根底にあったということを知ることができた。
日本美術を見る視点がひとつ広がった気がしている。
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