別れ際いつもそっけない
妹と甥っ子は帰っていった。
あっという間だった。
子供の成長は早い。
数を数えられるようになっていた。
いち。にい。さん。しー。
ごー。ひち。はーち。じゅうー。
6と9を忘れがちだけど。
すごいじゃん。
ドライヤーが。
熱いことを知っている。
これアチチだから。
あぶないねー。
ストーブも。
これアチチだから。
バツね。
うがい手洗いも。
マスターしていたね。
ガラガラぺ。
バッチリだね。
私がガラガラガラガラ。
ガラガラガラガラガラ。
とやっていたら。
おにいちゃん!
うがいすご!
と言われ。
吹き出しそうになった。
こっちは。
年期が違うからね。
ゴミ箱にボールを入れる遊びをした。
甥っ子はゴミ箱を廊下に出し。
ガラス戸を閉めてやってきて。
私にボールを渡し。入れてー。と言う。
戸を閉めた先にあるゴミ箱に。
ボールを投げて入れてみろ。
という無理難題を仕掛けてきた。
ボール入んないよー。
どうすればよかったんだ!
私のお腹に乗って運転をしている。
バスにのってゆられてましゅー。
ゴーゴー。
バスにのってゆられてましゅー。
ゴーゴー。
そろそろみぎにまがりましゅー。
さん。にー。いち。ごー。
ロケット発射ー。
ブーンと持ち上げると。
きゃあー。と喜んでくれる。
それを無限ループでやらせてくる。
好き嫌いが多いのが心配。
餃子もおでんも食べないが。
ロールケーキが。
美味しい事はちゃんと知っている。
おつまみの小魚ナッツも。
気に入ってくれた。
ママは。やった!
これは食べてくれるんだ!
と喜んでいた。
発見があってよかった。
お婆ちゃんの。
スティッチの小銭入れを。
気に入ってしまった。
お金が入っていて汚いよー。
私の部屋から。
小さい魚の鉛筆削りを見つけてきた。
パカっと外したら。
削りカスが飛び散った。
これも汚いよー。
ウェットティッシュで。
拭いて渡したけど。
鉛筆を削る穴に指を突っ込む。
危ないよー。
取り上げたら。
寂しそうな顔になってしまった。
ごめんねー。
ああ。そのまま。
帰る時間になってしまった。
みんなとバイバイすることは。
ちゃんとわかっている。
チャイルドシートに座り。
そっけない顔になる。
ずっとあんなに楽しかったのに!
私の方が寂しくなってしまう。
また。遊ぼうね。