現代漫才の祖「象さんのポット」
ウッチャンナンチャンのウリナリの中でのコント「父さんのコップ」が好きだった。シュールな世界観に子供ながらハマった。元ネタがあることを知ったのはだいぶ後のことだった。
本家はさらに上をいっていた。
A:壁に耳あり障子に目あり。
B:古くからの言い伝えだね。
A:でもそんな家があったら怖いね。
B:いやそんなことないよ。
A:何いってんだ。そんな家があったら不気味だろってことだよ。
B:そんなことないって。
A:そんな家があったら見て見たいよ。
B:じゃあ、ぼくんち来てごらん。
A:そんなこと言って僕を怖がらせよう怖がらせようったて無理だよ。
B:別にそういうわけじゃないけどさ。
A:確かに君んちは立派だよ。壁に耳があって障子に目があるかもしれない。ただ、僕はそんなことで君にコンプレックスは持たないな。
B:・・・・・。
と続いていく。
すごいセンスの言葉のやりとり。Wボケ。たっぷりの間。ツッコミがなく、不条理な言葉を不条理な言葉で処理している感じ。
ダウンタウン的であり、笑い飯的でもおぎやはぎ的でもある感じ。
今のお笑い界におけるダウンタウンの影響は凄まじい。皆、ダウンタウンに憧れてお笑いを始める。そしてダウンタウン的な笑いが広がっていき、世間にも影響を与えていった。
象さんのポットは直接的に影響を与えていない。けれど、彼らが落とした水滴が波紋のように広がって現在、未来の笑いに広がっていると思う。
なぜなら、今見てもすごいから。
奇を衒っている様には見えない。低いテンションでの会話の中に見える凶暴な塊。