・家持も食みし鰻を記念日に 姫
6月13日は結婚記念日だ。
前日、長女が鰻をご馳走してくれる、というので、近場の有名店「まるや本店」を予約した。
実は、この店を覗いたことはない。
うな豊やあつた蓬莱軒、4代目菊川が好みだからだ。
以前はいば昇も。
だが、数年前に行って懲りた。
注文してから炊く熱々ご飯と焼きたての蒲焼は、幻と化していた。
さて、予約制のない店はきついので、上記の近所の店を試してみた。
18:30、駐車場はかなり混んでいた。
予約なしはお断りのようだ。
本店限定の鰻会席もあるが、鰻が食べたくて来たのだから、丸ごと1匹の上ひつまむしと肝の南蛮漬けを注文した。
櫃に盛られたひつまむし。
ご飯も鰻も思ったより熱くない。
やっぱり極熱でなくては。
それでも、細く刻まれた蒲焼は食べやすく、ズンズン腹に入っていく。
3膳目は、薬味を載せて出汁をかけるとの指南。
これが不味いのだ。
出汁がぬるくなっている。
茶漬けの習慣がないので、お手上げだ。
元来、夫も私も、ひつまむしより鰻丼派だった。何を血迷ったか、長女のオーダーに揃えてしまった。
彼女はひつまむし派、という。
大ぶりの鰻を1本、ざっくり切った鰻丼の、舌にのせて広がる味わい。
細かく刻んだものより、遥かにおいしい。
やっぱり厚切りがいいよね。
鰻重でも、長焼きでもない。丼に限る。
昨春、津駅西口近くの店で食べた鰻丼は、名古屋の半値で、美味しさ2倍だった。
津は鰻屋の激戦地で、近郊に住んでいた叔父も、営んでいたことがある。
そういえば昔、津出身の友人たちと津祭りに行き、鰻丼を食べたっけ。
実家の近くにあるうな豊は名店だが、今はどうかな?
以前はトップクラスの味わいを誇っていたが。
亡き両親の思い出と共に、いつまでも最高の店
として、我が心に君臨している。
並ぶのを覚悟して、行ってみようかな。
背か腹か任せて鰻裂かれけり
江戸前に負けぬ三河の大うなぎ 姫
なぜ刻む鰻嘆くよひつまむし
半寸に刻みて鰻茶漬けとや 姫
老夫婦ひつまむしより鰻丼派 姫