#08 一番好きで、一番最低だった
-予感-
彼からの着信に出ると、
彼「ごめんこんな遅くに、ちょっと話したいことがあって。」
私「どうしたの?ていうか飲み会は?」
彼「今終わったところ」
私「そうだったんだ、連絡ないから寝坊したのかと思ったわ」
彼「ごめん、ぎりぎりで起きて行ったから返せなかった。」
私「そっか、ならよかった。で、話って?」
彼「うん...俺たち別れよう。」
ー--悪い予感はあたりました。
私「なんとなくそんな気はしてた。
けど、どうして?私なんかしたかな?」
彼「〇〇は何も悪くない。俺の問題なんだ。
元カノが夢に出てきたんだ。
それからなんとなく気になって、気付けば元カノがずっと頭から離れな くなってた。俺たぶん元カノのこと好きなんだと思う。」
え?元カノ?あのよくわからない子だよね...
なんで彼女が夢に出てくるんだよ...
というか、夢に出てきただけでなんで私たち別れなくちゃいけないの?
私の頭は「?」だらけで何も言葉が出てきませんでした。
何も返事をしない私に「○○、聞こえてる?」と彼は言いました。
私「うん、聞こえてるよ。でも、そんな理由納得できない!
そんな理由じゃ私別れないよ。」
彼「...」
私「私のこと嫌いになった?」
彼「嫌いになってないよ。でも、今俺の心にいるのは元カノなんだ。」
私「じゃあ、元カノとよりを戻すってこと?」
彼「いや、あいつは他に彼氏がいるっぽい。
だからよりを戻すとかではない。」
私「だったら、別に私と別れなくてもいいじゃん。
もしかしたら一時の気の迷いかもしれないし。」
彼「俺も始めはそう思ったよ。
でもいつまでたっても頭から離れないんだ。」
私「なんでよ!全然納得できない!」
元カノを好きだという彼の一言で私と彼が付き合ってきた今までの全てを否定されたようで、気付けば涙が溢れていました。
全く納得できない理由に私は別れを受け入れることができませんでした。
しかし、彼は別れてほしいと言うばかり。
涙がとまらず、精神的にも追い詰められた私は過呼吸になっていました。
息がくるしくて、吸っても吸っても体に酸素が入ってきません。
意識も朦朧としていて、ただただ彼の私の名前を呼ぶ声がうっすらと、
聞こえていました。
誰か助けて、と声を出したくても声がでません。
深夜だったため、親も寝ていて気付いてくれませんでした。
しばらくして、ようやく少し落ち着くことができました。
彼もだいぶ混乱していたようで、
「○○、ごめん俺が悪かった。別れないから、大丈夫だから。」
と言って私を落ち着かせようとしてくれていました。
その言葉を聞いて少し安心した私。
過呼吸が完全におさまった時にはもう3時を回ってなっていました。
彼「本当にごめん、とりあえず落ち着いたみたいだし、
今日はもう遅いから休もう。」
私「うん、そうだね。私の方こそごめん。」と言って、電話を切りました。
電話が終わり、寝れるわけもなく、
ただなんでこうなってしまったのかと考えていました。
彼の別れようという言葉が頭から離れず、また涙が溢れました。
彼は本当に私のことが好きだったんだろうか。
たった1回夢に出てきたというだけで、彼の心は動いてしまう程度の
気持ちだったのだろうか。
そもそもその元カノは何者なんだよ。彼にそんなに思われる元カノが
憎くてたまりませんでした。
初めての彼氏で、別れを経験したことが無かった私は、
彼と別れてしまった世界が想像できず、別れてしまったら自分はどうなってしまうんだろうという恐怖から、死んでしまった方がましなのではと思うほど弱っていました。包丁を取りに行くところまでいってました。
でも自分ではそんな勇気もなく、誰か殺して、と心で叫びました。
それだけ私の世界は彼中心に回っていたのです。
夜が明け、リビングにいた私は親が起きてくる時間になったので、
こんな姿を見せるわけにもいかないと、自分の部屋に行きました。
そして、身も心もヘトヘトだったので、ベットに入った瞬間眠りに
つきました。
今日の出来事が夢であって欲しいと願いながら。
#09 一番好きで、一番最低だったへ続く...
PS.
はじめに、ここまで読んで下さった方ありがとうございます。
私は今#10を書いている最中なのですが、あることを思い出したので
#08に戻ってきました笑
そして、せっかく思い出したので残しておきたくなりました。
そのエピソードをここに残そうと思います。
別れようと言われる少し前から彼は見たことのないよつばのクローバーの
ネックレスをするようになりました。
ネックレスをするようなタイプでも無かったし、そんなネックレスを彼の部屋で見かけたこともなかったし、一番によつばのクローバーなんて男性が好んでつけるのだろうかと色々疑問点はありながらも、彼に聞くことができずにいたことを思い出しました!
そして後から聞いた話ですが、そのネックレスは例の元カノからもらったものだったらしいです。(私も薄々そうではないかと気づいていましたが)ネックレスをつけ始めるようになった時から彼は私に何らかのメッセージを発していたのだと思います。
そして、ネックレスをどこに閉まっていたのかは分かりませんし、
元カノの夢を見て思い出したのかも、捨てられずに大切に持っていたのかも
分かりませんが、彼の性格上は私は後者だと思っていて、私と付き合っていながらも元カノへの気持ちは無くなってはいなかったのだろうと思います。
なかなかに女々しい奴なのです。
そういえば、彼の部屋にでっかいデイジーとドナルドのぬいぐるみがあって、それも元カノがUFOキャッチャーで取ったやつだったか、ディズニーに行ってペアで買ったやつだったかわすれしたが、とりあえず元カノとの思い出のものだと誰かから聞きました。
それも捨てずに、これを抱いて寝ないと寝れないんだとか言ってたなー。
私はその時は元カノとの思い出の品なんてことしらずに、かわいいなとか呑気に
思ってました。彼はどういう気持ちだったんだろう。
今後、もし彼に会うことがあったらそういえば、、、ってこの話の本当のところを聞いてみたいなって思っています笑
もはや笑い話ですし、彼にとっては黒歴史かもしれませんが笑
そんなちょっとしたエピソードでした!
では引き続きよろしくお願い致します。