デリカシーのない男たち
私は営業職の人たちの中で働くことが多いのだけれど、たまに違う畑に行くと、なんて気の利かない人たちなんだろう…なんてことを思うことが頻繁にある。違う。出来る営業マンは気の利いた言葉をさらりと言うのが職業病で20代後半の私にはそのことが理解できていなかったのだ。今となっては「雲丹ちゃん今日は○○が素敵だねー」なんて言われても「ありがとうございまーす。さすが出来る営業マン!今日もお口が冴えてますね!」と特に鵜呑みにすることもなくこちらもさらっと返事をするようになった。お世辞だか褒め言葉だか曖昧な言葉を鵜呑みにして「私最高っ!」なんて思っていた毎日が懐かしい。
だが、世の男たちの大半は女性の容姿について辛辣な言葉を何の疑問も持たずに投げかけてくる。「あれ?ちょっと太った?」「にきび?歳的に吹き出物か~ストレス?」「今日化粧薄いねー寝坊?」「髪巻いてないの?手抜き?」→すべて超どうでもいい。私の仕事に関しては一切関係のない話である。私が少し太ろうが、吹き出物ができようが、寝坊して化粧が薄く髪も巻いてないからって誰にも迷惑はかけていない。一社会人として、最低限のレベルは死守して出社している。こんな言葉をポンポンと投げかける割に、男は打たれ弱い。「ひげ伸ばしてるんですか?」「今日の服装ちょっと遊んでそうですね」それくらいの言葉でショボン、とまるで塩をかけられたナメクジのようになる。デリカシーの無いわりにすぐしょげる、ひねくれる。最悪だ。面倒な生き物だ。
母性本能をくすぐるような人に魅かれる私にとっては、すぐしょげる、ひねくれる、最悪に面倒な生き物でさえ時に可愛くて愛おしく思えるときがあるので不思議で仕方がない。私は追われるより追う恋がしたいし、愛されるより愛したいし、守られるより守りたいタイプなのだ。けれど、イメージだとか雰囲気のせいですべて逆を想像されることが多く、幻滅しただとかなんか違ったといわれるとよく言われる。是非とも勝手に想像して幻滅して文句を垂れるのだけはやめてほしい。不思議と男の人はこのギャップをすごく嫌がるけど、女の人は歓迎してくれる。性差って不思議。
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