鄙びて沈み込む薬局

 10分間だけ普通の人間に戻れる呪い。いつだってやけ落ちる灰と湧き立つ香りに支配されていた。永らく、そして殆ど今も、私はコレが愛情だと知って泣いている。肉塊のように生々しくて冷たいのだけれどやさしさがあって、愛は暴力的なんだ。さむい。この季節は毎年、どれだけ頑張って予防しても熱を出す。いやだ…目がしばしばする。涙が勝手に出てくる。居もしない人の存在をこんなに近くに感じている。

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