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「はやぶさ49号」が札幌に来る日~札幌に接続する在来線のあり方~

 はやぶさ49号をご存知だろうか。東京を6時丁度に出て新青森、日が合えば新函館北斗まで最速クラスで運ぶレアな臨時電車だ。以前、私はそれから着想を得て北海道新幹線札幌延伸後の東京~札幌における早朝・深夜の予想ダイヤを公開した。

しかし、そこには接続する在来線のダイヤとの間に欠陥があると気がついた。


札幌(06:00)→東京(10:40)の始発でみる「課題」

札幌市営地下鉄が凶悪すぎる

 札幌市営地下鉄と言えばゴムタイヤで走る機械的な側面が有名だが、実は始発が6時代と言うダイヤの側面は全国的には知られていないのではないか(恐らく日本の地下鉄で一番遅い)。現に、この体制のせいで6:00始発の特急北斗2号に間に合わない。とは言え、それらはどんなダイヤか。下に各始発駅から、さっぽろ駅までの出発、到着時刻をまとめた(「:」の後は所要時間(分))。

  • 麻生(6:00) → さっぽろ(6:09) : 9

  • 栄町(6:00) → さっぽろ(6:11) : 11

  • 福住(6:00) → さっぽろ(6:14) : 14

  • 真駒内(6:00) → さっぽろ(6:18) : 18

  • 宮の沢(6:00) → 大通(6:15) → さっぽろ(6:24) : 24

  • 新さっぽろ(6:00) → 大通(6:19) → さっぽろ(6:28) : 28

 ゆえに前回作成した予想ダイヤ (札幌駅6:00始発) に各線が接続対応をしようとすれば、これらの始発時刻の大幅な繰り上げが必要となる。特に、東西線系統では新さっぽろの始発を1時間ほど繰り上げることになるだろう。
 因みに札幌の日の出とは夏至が3:55、冬至が7:06だそう。東京のそれがそれぞれ4:25、6:51とあるので始発は東京よりも早くてよさそうだが……。

いや、JR北海道もダメだった

 地下鉄の始発が遅いと言うことは……JR北海道も遅かった。しかし、この「遅い」と言うのは単に始発時刻が遅いと言う訳ではなく、札幌駅の到着が遅いのだ。そのため、頑張って5時代に始発を出しても到着が6時代と言うのがざらにある。例えば、小樽~札幌が33.8 km、新千歳空港~札幌が46.6 km、旭川~札幌については136.8 kmである。神戸~大阪が33.1 km、大垣 (岐阜) ~栄 (名古屋) が47.4 km、熱海 (神奈川?) ~大宮が134.9 kmと考えればもう少し頑張っても良いように思う。
 早朝のダイヤについてまとめてみると、次のようになる。

  • 室蘭線……苫小牧(5:40)→札幌(5番線)(6:45) : 65

  • 函館線 (上り)……旭川(5:18)→札幌(3番線)(6:43) : 85 ※ライラック2号

  • 函館線 (上り)……岩見沢(5:55)→札幌(2番線)(6:40) : 45
    ~6:40の壁~

  • 函館線 (下り)……小樽(5:38)→札幌(10番線)(6:24) : 46

  • 千歳線……千歳(5:40)→札幌(3番線)(6:22) : 42
    ~6:20の壁~

  • 札沼線……当別(5:33)→札幌(6番線)(6:11) : 38
    ~6:00の壁~

  • 函館線 (上り)……江別(5:34)→札幌(10番線)(5:58) : 24

  • 函館線 (下り)……手稲(5:28)→札幌(6番線)(5:45) : 17

 6時の始発に間に合いそうなエリア、手稲~桑園くらいしかない……。

新幹線延伸で在来線の始発を繰り上げるとしたらどうするか

 では、実際に札幌延伸に備えて在来線のダイヤを白紙改正するとしたらどうなるか。以下に繰り上げがされるであると言う線区と想定されたダイヤを示す。

  • 千歳線……千歳(5:00) → 札幌(5番線)(5:43) : 42

  • 札沼線……当別(5:02) → 札幌(11番線)(5:40) : 38

  • 函館線 (下り)……小樽(5:00) → 札幌(6番線)(5:45) : 46

  • 函館線 (上り)……岩見沢(5:00) → 札幌(2番線)(5:45) : 45

三大都市圏では比較的よく見る5時代の始発となった。ただ、何だかんだ冬季運休だったり臨時列車扱いに収まりそうではある。

現行の在来線のダイヤから新幹線のダイヤを組んでみるとどうなるか

東北・北海道新幹線の早朝帯のダイヤ案。
念のため(新在直通構想のある)函館~新函館北斗も掲載したが、設備的に直通運転と他列車の接続をする余裕はないように感じる。あと、札幌の最速達便は本当に「はやぶさ」なのだろうか?

 所要時間や細かい時間調整は参考資料を見ていただくとして、様々に考えた結果、6:00丁度始発の電車は臨時に落として6:01発にて対応することとした。定期列車の最速達便の始発は特急ライラックの接続として07:01発とした。

札幌の在来線の課題は長万部にもある

  • 東室蘭(0546)→豊浦(0634) ※ラッシュ対応のための折り返し

  • 東室蘭(0718)→長万部(0808) ※北斗2号

長万部に関しては本数自体が少なく、接続便が早朝深夜にあるか否かがかなり怪しい。もし、この豊浦行きが長万部まで延長するとすれば、到着時刻は7:10頃。この区間は既存の北斗のダイヤを変える方が得策かも知れない。

札幌(19:10)→東京(23:50)の最終でみる「課題」

終電対応は新幹線のダイヤを繰り上げるのがよさそう

 何故終電案を出しといて即撤回をして繰り上げるのか。これには札幌圏の終電事情にある。現状、札幌近郊のJR北海道の終電の発車時刻が23:59に統一されている。行先も手稲、岩見沢、千歳、あいの里公園となっているので申し分ない。しかも、その9分前の23:50には小樽行の終電が出ている。ただ、繰り上げるにしても10分程度であり、小樽行の最終への接続はないだろうか。
 一方、地下鉄に関しては0時代でも運転がされている。ただ、運転本数は「終電の発車時刻が0時丁度」としているからか少なくなっている。とは言え、この事実にのっとると、札幌市営地下鉄の営業列車については増やす方向性しかないように感じる。果たして、今後の札幌市やいかに。

参考資料


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