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代々木と幕張、始まりと終わりを考える

こんばんは!熟成黒胡椒です。
今回は11月2日&3日に開催された神椿幕張戦線についての自分の解釈と所感と感想をまとめたnoteになります。ライブレポではないです。ライブレポは20%くらいの確率で出します。
現象Ⅱ()、そして怪歌()。再び観測したその時間で、観測者の皆さんが抱いたことはそれぞれあるでしょう。このnoteもそんな一人の観測者の観測記録として、一意見として読み進めていただければなと思います。

深化と決戦、そして戦線

まず本題に入る前に、2023年度の出来事をざっくりおさらいしたいと思います。
2023年3月4日、概念武道館で開かれた「不可解参()を起点として、SINKA LIVE シリーズが始まりました。V.W.Pの5人が神椿市で繰り広げるバーチャルライブ達です。この前年までは新型コロナの流行によって現地ライブが大幅に制限され続け、その結果神椿のバーチャルライブは発展していきました。個人的にはこのタイプのライブも好きなので定期的に開催してほしいですし、最近でもミニライブと称して一時間ほどのバーチャルライブが時々開催されています。
ですがその分、この年の現地ライブ数はかなり少なかった印象です。

そんな時期を乗り越えて開催されたのが、2024年1月13日&14日の神椿代々木決戦二二四。神椿史上、過去最大規模の現地ライブでした。

未だに印象深いです。自分の中でもターニングポイントすぎる

この2日間では、SINKA LIVEシリーズをきっかけに新しく現れた観測者、ずっと現地ライブを待ちわび続けた観測者、初めて現地に行くことを決意した観測者、そんな様々な観測者たちが一堂に会する機会となりました。特にこの代々木決戦が初現地という観測者も多く、自分もその一人です。
SINKA LIVEシリーズのEP.5にあたる「現象、そして花譜の新たなライブシリーズである「怪歌」。神椿の歴史においても、多くの観測者にとっても、この神椿代々木決戦が大きなターニングポイントになっていることは間違いないでしょう。

そして今年の2024年は、前年の分を取り返すかのような勢いで怒涛の現地ライブが開催されまくりました。神椿代々木決戦から続く神椿戦線2024、そう銘打たれたライブシリーズは計4回。代々木決戦も含めると、今年だけでなんと10公演も開催されました。

Albemuth「罪と楽園」春猿火「シャーマニズムⅢ」の神椿新宿線線
ヰ世界情緒「AnimaⅢ」そして「KAMITUBAKI FES'24」の神椿横浜戦線
花譜×理芽「Singularity Live Vol.3」理芽「NEUROMANCEⅢ」の神椿後楽園戦線
V.W.P「現象Ⅱ(再)」花譜「怪歌(再)」の、神椿幕張戦線

代々木決戦から幕張戦線まで、1年をかけて様々なライブが行われてきたわけです。そして、この一年で変化したこと、獲得したことや喪失したことが、V.W.Pの5人にも、多くの観測者にもそれぞれありました。

変化

神椿のストーリーに注目した時、1月の代々木決戦を始まりとすると、11月の幕張戦線は終わりにあたります。不可解参(想)~現象ⅡまでがSINKA LIVEシリーズの一区切りであるように、代々木決戦~幕張戦線も「神椿戦線2024」というストーリーの一区切りと捉えることが出来ます。
そしてこの一年、V.W.Pはそれぞれ様々な舞台に挑みました。自身のワンマンライブであったり、外部のライブへの客演であったり、舞台劇や声優という新たな境地にも挑戦しています。色んな経験、様々な時間を経て今の彼女たちがあります。

そしてこれこそが、同じ舞台を再演する意味でもあると、自分は感じています。
同じ内容のライブでも、この時間に関わる全ての人間に前回から今回で変わった部分や成長した部分があって、同じ現象をもう一度繰り広げることで、以前の自分と今の自分の対比を行うことが出来ます。
対比することでその変化を認識し、今の自分を明確に観測できる。そうすれば、次の場所へと進みだせる。

これは魔女の5人にも、そして観測者にも、同様に言えることです。
例えば、昔聞いていた曲を久しぶりに聞き返したとき、昔住んでいた場所の景色を久々に見た時、その時に感じる想いや抱く感想は以前抱いていたものと変わるはずです。
同様に、同じ現象を観測しても、時を経ると抱く感想は変わる。何故なら、それはその人間に変化があったからです。
神椿戦線を通して得たもの、変わったこと、この1年で魔女にも観測者にもあった、一人一人に起きた変化。それは進化かもしれないし、成長かもしれないし、喪失かもしれない。けれどプラスでもマイナスでも、それは同じ変化です。
幕張戦線で、同じ現象を観測して、新たに受け取ったもの。大なり小なり、観測者一人一人の中にはそれがあるはずです。

MCで理芽チも語っていたように、再には「再会」という言葉もあります。再びV.W.Pと観測者が再会する機会であった幕張戦線。再びこの場所で会えたことに、色んな意味がありました。

始まりと終わりが同じ2つのライブであった意味、代々木から始まった物語が幕張で結末を迎えた意味。それは、この2024年の旅路を確認し、その変化を確実に認識するため。そして、一人一人が次の新たな舞台に進むため。そんな時間が、自分の観測した神椿幕張戦線でした。

アップデート

幕張戦線はリビルド公演ではありましたが、アップデートされていた部分も多くありました。体感ですが、既存の要素が6割、そして新しい要素が4割です。

一番大きいのは、KAMITSUBAKI PHILHARMONIC ORCHESTRA(通称カミフィル)の存在でしょう。代々木決戦の時から新たに追加された要素として、通常のバンド+オーケストラという大所帯の編成になりました。
ストリングス隊は以前からもいましたが、その音の厚みが一気に重厚になり、その音色によって新たな表現が生まれたような印象を受けました。特にの「再会」や「飛翔」といったストリングスの映える楽曲は、オーケストラの存在で新たな魅力が生まれていたように思います。

また、今回1日目では幸祜ちゃんが体調の都合で出演できず、代役として音楽的同位体の狐子ちゃんが出演することになりました。
ですが、その空白を感じさせないほどにライブの完成度は維持されていて、同位体という存在の力強さとカバーする他4人の力を感じました。いずれ来たる現象Ⅲにて、再び完全体のV.W.Pと相対する日が待ち遠しいです。

狐子ちゃんいい顔すんじゃん!!

ライブ構成は、二日間とも代々木決戦と大筋は同じでしたが各所が変わっていて、比べてみるのも面白い構成になっていました。

現象Ⅱ(再)では、ヴァーサスパートは新たなコラボの新曲ラッシュに新鮮なインパクトを受けました。
また、「花束」以降の曲順が「同盟」「天命」「欲望」「遊戯」「切札」「魔女」と、大筋をなぞりながらもライブ初披露曲を差し込んでいましたし、逆に「描き続けた君へ」「百年」「ゲンフウケイ」「身空歌」「邂逅」の一連の流れは前回と全く同じでした。
SINKA LIVEシリーズのEP.5であることはそのままに、新曲や初披露曲を挟むことで新鮮な体験を刻み付けていく、この驚異的なバランスと采配には驚きました。

2023年のSINKA LIVEシリーズから繋がってるんだな…としみじみ

怪歌(再)では、「糸」「夜が降り止む前に」といった初期の曲から、「何者」「背景」「代替嬉々」といった最新の歌承曲までを披露し、ライブの降り幅を広げていた印象がありました。怪歌自体が「新しい花譜の提示」といった印象を個人的に持っているのですが、それがよりダイレクトに伝わるようなアップデートでした。
そして廻花の存在です。前回は登場の衝撃が大きかった人がほとんどでしたが、今回はその存在を知っているからこそじっくり楽曲に注目することが出来ました。再び「はじめまして」を交わすことで、さらに彼女の存在への解釈を深められたように感じます。

また、神椿代々木決戦からの10か月で、それぞれの観測者は様々な戦線に赴きました。その終着点がこのライブであることを示すように、1日目の会場には各戦線の様々なペンライトが持ち込まれ、思い思いに振られていました。
1日目のアーカイブを見てみると、AnimaⅢ、現象Ⅱ(幸祜)、シャーマニズムⅢ+リングライト、アイスクリーム、NEUROMANCEⅢ…といったように色んなペンライトが握られています。観測者一人一人にそれぞれの辿った戦線があって、そしてここに集ったことを感じずにはいられませんでした。
無線制御によって光り方の統一されたペンライトの光景が広がっていた代々木決戦に対して、幕張戦線では全く真逆の景色が広がっていたことも印象深いです。

みんなバラバラのペンラ持っててマジで良かった…

神椿代々木決戦自体が既に完成されていたライブではありましたが、神椿幕張戦線はそれをグッと強化したような印象でした。Ver.1.5みたいな感じですね。

終わりに

ここまで読んでいただきありがとうございました。
このnoteを書いた経緯ですが、実は代々木決戦以降のこの一年で個人的に感じている自身の成長が多く、クリエイターとしても人間としても大きく変われたような実感がありました。自分は戦線を辿るたびに魔女たちの歌を受け取り、そのエネルギーで進み続けるような生き方をしていて、常に過去と今を比較しながら進み続けているのですが。今年の戦線、その始点と終点が同じ現象Ⅱと怪歌であったことがどうにも面白く感じます。
こうして過去の地点と今の地点を比較し、違う要素のみを取り出したときに現れる存在こそが、魔女でも観測者でもその人間の変化であり進化そのものだと、自分は信じています。
これからもまた、様々な現象を観測していたいですね。

熟成黒胡椒でした!ではでは~

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