ID:INVADEDが面白かった話

タイトル通りアニメ『ID:INVADED』が面白くて、今期最高というか今まで見てきたアニメの中でもかなり上位に入るほど最高だったという話。

普段この手の警察モノとかミステリとかは見ないし、ぶっちゃけキャラデザもそこまで好みなわけではなくて(後からどんどん好きになった)、じゃあなんで1話を観る気になったかというと、脚本が舞城王太郎だったから。舞城王太郎は中学生の時に学校の図書館で「魔界探偵冥王星O」を借りて読んだのがきっかけで、読んだことのある人は知ってると思うけどリレー小説なんだよね、これ。複数人の作家が「越前魔太郎」ってペンネームで小説をリレーするって企画で、それも十分に面白かったんだけど、ともかくそのリレーの最後を担当したのが舞城王太郎だった。で、ひねたガキだったころの自分は、そのあまりの中二っぷりというかクスリを決めて意味不明につっぱっしてる感じがドストライクで刺さったわけで。次に読んだのが「ディスコ探偵水曜日」で、現場は物理法則に従っていませんのでこれで成立!みたいな推理を読んで、ミステリってこれで良いんだ…って衝撃を受けたと同時に、真面目に議論している普通のミステリを読むのが馬鹿らしくなった。その後も舞城がシナリオを担当した漫画「バイオーグ・トリニティ」で改めてその無茶苦茶なテンポにドはまりして今に至る。一般的には「龍の歯医者」とか「煙か土か食い物」が有名なのかな。

というわけで脚本に期待して観たんだけど、最初から最後までだれることなく面白かったんだよなあ。盛り上がりが各話にあって、なおかつストーリーが先に進んでいるという感覚があるから、この先の展開に不安にならない。あとから見直してもここいらなかったって場面がない。完璧。最高。刑事モノとアクションとSFの配分がきっちりしてたのも良かった。

ニコニコでコメ付きで視聴するのが楽しかった。推理とか考察系のアニメでここはこうなんじゃね?とコメで話し合うのも楽しかったし、何より普通は想定通りでやっぱり…となるか、伏線でも何でもない思わせぶりなだけだったり、脚本側が予想を裏切ることを意識しすぎて突飛な結末を迎えてえぇ…となったり、こっちが空回りして終わるだけ(それもそれで楽しい)だったが、この作品は謎の解決の魅せ方が上手かった。謎の答えにたどり着くのは難しくないんだけど、魅せ方が上手いから自分の予想通りだったことを忘れてしまうというか、わかってたけど良い!ってなってしまう。この辺りは全然別ジャンルになるが映画『バジュランギおじさんと小さな迷子』を思い出した。展開わかりきってるんだけど勢いで泣いちゃうんだよね…。

あと、名探偵 酒井戸役のツダケンの演技もマジで良い。作中の「イド」と呼ばれる精神世界のようなものの中での演技と現実世界の演技の使い分けが素晴らしい。力強さと優しさのメリハリがある。10話の電話のシーンなんかは必聴だよね。あんなんずるいわ。富久田役の竹内良太の演技も良い。うさん臭さのある声が終盤にはチャーミングでかつ頼もしさを帯びてくる。

EDや挿入歌にMIYAVIを起用したのも良かった。特に4話のsamurai45は燃えたよね。海外受けもしっかり狙っていく姿勢が感じられた。

あとはなんだろうな。聖井戸の服のセンスが最高にフェチで良い。

最終話を観たそのままの勢いで書いてるから、ぐちゃぐちゃだしまとまってないけど、ともかくマジにすべての要素が良かったし4月9日からBS11で早くも再放送やるみたいので見てない人はぜひ見てほしい。撮りためてる人は今すぐ見ろ。以上

#IDINVADED  

#舞城王太郎

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