【PFFアワード2024】気になる作品をお先に拝見&ここを観てほしい!勝手にプレゼン大会
今年で第46回という歴史ある映画祭、ぴあフィルムフェスティバルが9月7日(土)より国立映画アーカイブにて開催されます。
今年も魅力的なプログラムが並ぶなか、コンペティション部門である「PFFアワード2024」はやはり要注目!長く映画監督をめざす若者たちの登竜門であり続けており、 森田芳光、石井岳龍、犬童一心、黒沢 清など日本が世界に誇る監督たちがここから羽ばたいています。
われわれU-NEXT、毎年ぴあフィルムフェスティバルとコラボレーションさせて頂いておりますので(今年のコンペ作品はもちろん、過去の受賞作もたくさん配信しています!)、ひと足お先に各自気になる作品を拝見いたしました。
今日はその中から8作品を、映画部メンバー各自の切り口での「この作品の、ここを観てほしい!」というポイントとあわせて紹介します!
新しい、若い才能との出会いのきっかけになれたら嬉しいです。
■『松坂さん』/「本当に起きていることと劇中劇(劇中脚本?)のバランス、その関係性の変化を観てほしい!」(林)
「人が人に興味を持つこと、人が人を知りたいと思うこと、そして実際に知っていくということ。それを面倒と思うか素晴らしいと思うかは、真逆のように思えて割と近いことなのかもしれない。であれば自分は、素晴らしいと思っていたい。そんなことをじんわり考えさせてくれる良作でした。
映像や音のクオリティが高い上に、本筋じゃないところで挟み込まれる5秒10秒のちょっとした行動の描写がとても上手だと思います。それがあることで、各人の実在感がグッと増して、わすが39分間なのに主人公たちが忘れられない存在になりました」(林)
■『正しい家族の付き合い方』/「作品全体の世界観がわかった瞬間を観てほしい!」(君嶋)
「14歳の天才監督現る!家族をテーマにした短編ドラマかと思いきやトンデモない展開になっていくのが素晴らしいです。このアイディアはどこから沸きあがってくるんでしょうか…?監督が作る他の作品も観たくて仕方がないです。将来への期待も込めて1位!」(君嶋)
■『わたしのゆくえ』/「探偵女性が行おうとしていることが分かった瞬間を観てほしい!」(君嶋)
「静かだけど不穏な空気が漂う演出、探偵という日常ではあまり触れない非現実的な存在をリアルに落とし込んで、本当にすぐそこありそうなレベルの物語にしているのが素晴らしいと思いました!」(君嶋)
■『ちあきの変拍子』/「女子高生の不満が爆発する瞬間を観てほしい!」(君嶋)
「イマジナリーフレンドをテーマにしつつ、女子高生の我慢と爆発を描いていて面白い!またそれだけに終わらせない脚本のひと工夫も個人的にとても好きでした」(君嶋)
■『アイスリンク』/「ビビットな色使いで描かれる、素敵な世界観を観てほしい!」(齊藤)
「原色をふんだんに使ったどこか毒々しい世界観に、10分の短尺でありながら一瞬で引き込まれました。どこを切り取っても絵になる素敵な映像で、まるで絵本を読んでいるような不思議な感覚に。へんてこな会話劇も、優しい音楽も、虫の鳴き声も全てが映像にマッチしてました」(齊藤)
■『サンライズ』/「コジマさんを観てほしい!」(齊藤)
「監督の制作現場の同僚であり、友人(?)であるコジマさんのキャラクターがとてもよかったです。インタビューでの「嫌いな言葉はないです!ニコッ」に彼女の人間性が全て詰まっている気がしました」(齊藤)
■『鎖』/「鮮烈で暗示的な実写カットと独創的なアニメーションのシームレスなつなぎを観てほしい!」(宮嶋)
「冒頭からインパクトのある身体描写のカットで、こりゃあ只者じゃないぞ、くるぞくるぞ…という印象。それを軽々と超えてくる予測不可能な映像表現のシークエンス。実写のなかにアニメを組み合わせた作品は多いですが、このシームレスなつなぎ込みは実写パートの表現力があるからこそだと感じます。中国が舞台であることによる異国の空気感とともに、赤い花、紅と白の風船、花嫁の真っ赤なベール…と鮮やかな赤をリピートする色彩表現はやがて女性性、とりわけ、社会規範によってまとわされる女性性という暗示につながっていくのもお見事です!」(宮嶋)
■『季節のない愛』/「監督が22歳と知ってびっくり!登場人物の絶妙な距離感と、抑制しつつも饒舌な映像表現を観てほしい!」(宮嶋)
「山登りのシーンで『最近さぁ、妙に何か忘れ物してる気がするんだ。どこかに何かおいてきちゃった気がするの』ってセリフを言わせる22歳、人生何周めなんでしょうか。その年の頃は週末誰と何して遊ぶかしか考えていなかったです私…。名前のつかない感情を描写する抑制のきいたカット割りやシーン展開からも伝わるものが多く、光るものを感じます!」(宮嶋)
もちろん、コンペティションにはご紹介した作品以外にも若者たちの感性と情熱あふれる作品がいっぱい!きっとこの中から将来の名匠やヒットメイカーが生まれるはずです。
ぜひいち早く才能の萌芽を目撃してくださいね。
第46回ぴあフィルムフェスティバルは9月7日(土)から21日(土)まで、国立映画アーカイブ(東京都中央区)で開催です!
現地で観る:チケットの購入はこちらから!(販売中)
配信で観る:U-NEXT「PFFアワード2024」特集はこちらから!(9月7日正午スタート)
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