【追悼】巨匠・ロジャー・コーマン氏に思いを馳せて
こんにちは。映画部・齊藤です。
GWも明け、重い腰を上げながら社会復帰に勤しんでいる中、残念なニュースが飛び込んできました。
「B級映画の帝王」として知られ、数百本以上の作品を手がけた映画プロデューサーであるロジャー・コーマン氏が亡くなりました。享年98歳、大往生です。
普段B級映画を観ない映画ファンの方でも、その名は一度でも耳にしたことはあるのではないでしょうか。
https://www.cinematoday.jp/news/N0142946
彼の手がける低予算映画では当時映画業界を志す、まだ駆け出しの若者たちを積極的に起用しました。
スティーヴン・スピルバーグ、マーティン・スコセッシ、フランシス・フォード・コッポラなどの名監督もなんと「コーマン塾」出身です。
監督だけでなく俳優ではロバート・デニーロ、ジャック・ニコルソンなど、今では大ベテランのハリウッド俳優らも彼のプロデュース作品に出演していました。
名だたる映画人の「育ての親」として彼の功績を称え、2009年にはアカデミー名誉賞を受賞しております。
私の初めてのコーマン体験は『デス・レース2000年』でした。
当時大学生の頃、親元を離れて下宿生活を送っていた私はキャンパス近くのTSUTAYAにて「発掘良品」のDVDを片っ端から借りては観る生活を送っていました。
新作・準新作の棚に見向きもせず、「発掘良品」コーナーへ直行する自分ってシネフィルじゃない?と思いこんでいたイタい大学生だったのですが、そのラインナップの中に『デス・レース2000年』が光り輝いていたのです。
エロ・グロ・バイオレンスの三拍子そろった最高の悪趣味エンターテインメント。
加えて「安楽死デー」など不謹慎極まりないやりすぎブラックジョークは、ポリコレ現代社会では心配が勝ってしまいます。
「発掘良品」ってけっこう真面目で硬派な作品もある中、『デス・レース2000年』というギャップに度肝を抜かれたのを覚えています。
今思うと、B級映画いわゆるカルト映画に対して興味を抱き、自分で開拓するようになったのもこの頃からだなと。
70~80年代のジャンルムービーにロマンを感じ、コーマン繋がりでロイド・カウフマンという変態おじさんを知り、京都みなみ会館で『悪魔の毒々モンスター』を観に行ったこともありました。
その時はまさかU-NEXTに入社して、トロマ作品を買い付けすることになるとは思ってもいなかったです。
コーマン作品は邦題がある作品だけでも239作品。(※出演作含む)
これはマラソンのし甲斐がありますね…。
U-NEXTでは、20代のジャック・ニコルソンを拝める『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』やコーマン印のサメ映画である『シャークトパス』シリーズやなど一部作品を配信しております。
とはいえ彼の膨大な作品数には及ばずなので、これから発掘して皆様にお届けできればと思います。
改めまして、ロジャー・コーマン氏の功績を称え、心から哀悼の意を捧げます。
ありがとう!ロジャー・コーマン!
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