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日本ジオパーク全国大会 ユースセッションに参加して〜ユースの繋がりが未来のジオパーク活性化の種となる〜

2023年10月28日、次世代ユネスコ国内委員の小林と沖田が銚子ジオパークで開催された第13回日本ジオパーク全国大会in関東のユースセッションに参加しました。
 
ユースセッションは、鳥海山・飛島ジオパーク推進協議会 主任研究員の大野希一先生によって、全国のユースが互いの活動を共有しながら自分の地域資源の価値・魅力を再認識する機会とすることを目的に昨年度初めて開催されました。2回目となる今年度は銚子ジオパークを舞台に、秋吉台、山陰海岸、下北 、室戸、白山手取川、隠岐、蔵王、銚子、島根半島・宍道湖中海のジオパークで活動する約36名の中高生が集い、多様な側面から地域を理解するために与えられたミッションをクリアしながら街歩きをしました。

街歩きのあとは、銚子の魅力と課題、またその上で持続的可能に地域資源を活用する方法についてディスカッションをしました。銚子地域をより盛り上げるアイデアとして、シェアサイクリングの導入や地域のお店を巡るスタンプラリーの作成などが提案されました。

実際にユースセッションに参加した高校生より感想文をお寄せいただきましたので、ご紹介します。
(全体の文字数の関係で一部省略させていただいております。)


千葉県立銚子商業高校の生徒より
地元でも知らないことや場所があって、とても新鮮で楽しかったです。また、地域の課題などを話し合う場では斬新な意見や、意見で出たものが既に出ていることがあったり、情報が届いていないことがあったり、各班のお題の答え合わせを見たり、考えたりするのが難しかったけど、面白かったです。他の地域の方々と地域を見て回ったとき、地方によっていろいろな差や食い違いがあって面白かったです。

ジオパークに参加して、改めて人との繋がりは大切だと実感しました。人との繋がりの大切さを感じたきっかけは先生から企業の方とのお話を伺ったときです。県をまたいで地域の特色や活動内容などを聞けてとてもいい経験になりました。銚子電鉄を降りて街を歩いている際、銚子はとても良い街だと思いました。他県の方達は遺されている建物や自然の豊かさなど、歩いてみないと気づけなかった事が多くあったと思います。漁港から見える景色や、道、街並みには何か惹かれるものがあったと思います。これらを実感し、他の地域との違いを探し、そこから銚子を活気付けるために行ったらいい事などを話し合い、最終的には SNS を通じて繋がることが出来ました。このような経験を通じてこれからの活動や考え方に大きく影響を与えられたと思います。またイベントがあった際は積極的に参加していきたいと思いました。

千葉科学大に到着後、フィールドワークを通じて銚子をよりよくするためにはどうしたらいいのかなど様々な意見を交換する機会があり、その中で銚子は交通の便が良くないという課題について話し合いました。原因としては銚子に向かうまでに時間がかかってしまうことと、銚子市内でもバスなどが少なく、移動しづらいとのことでした。そのため、銚子に向かうまでのルートとして、陸からではなく、海からのルートを増やすことや、銚子市内ではレンタル自転車を各地に設置するなどの解決策がでました。また近年、聖地巡礼が流行していてドラマや MV などの撮影地に起用されることが多いのでそれを活かしたらどうか、というようにかなりの意見を交換することができ、とても充実した時間を過ごすことができました。これらのことより、他県の人と交流することによって固定観念を取り払って考えることができたと思います。次回もこのような機会があれば参加したいと思います。

島根県立隠岐高等学校の生徒より
他の地域の高校生と交流したことで自分にはない発想を知ることができてとても面白かったです。発表を聞いて自分たちがやっている活動に取り入れられそうなことを見つけることができたし、発表を聞いてもらったことでたくさんの意見をいただけてとても嬉しかったです。また、色々な方とお話ししたことでたくさんの関わりを持てたこともいい経験になりました。

まずは、街歩きで千葉にあるたくさんのジオパークの資源を知ることが出来ました。そしてそれを知るだけでなく、使いながら守る方法を考え共有しました。このような一連の流れを皆が、ジオパークでどのような活動をするにしてもできるようになればいいなと思いました!そのために、これからも周りの人に伝える意義を考えながら活動していこうと思いました。

本当に楽しかったです。 自分とは違う考え、そこから生まれる新たな考えなど学べることが多かった大会でした。 自分たちと似たような取り組みをしている高校や大人の方もいるし、また違った視点から物事を捉えている人たちもたくさんいました。 今回の大会で学べたことは自分たちの住んでいる隠岐の島というものが自分たち以外から見るとどうなのか、また他の地域との相違点などそれを自分から見つけようと出来たのが大きな学びだと思いました。 今回の大会の中でのユースセッションでの交流では新しく友達ができたことでつながりもできました。 自分から話すことの大切さ、つながりの大切さ、本当にこのユースセッションは楽しかったです。

石川県立鶴来高等学校の生徒より
全国大会を通して白山手取川ジオパークは水の旅で水とは関わっているが海側のジオは、初めてだったので地域による違いや、いいところを知れてよかった。フィールドワークで他の地域から来た同年代の色々な人との仲を深めることができたり、どういう景観があるのかだったりを体験することができてよかった。鶴来高校の取り組みをどう改善していけばいいか色々な物を参考にして気づくことができた。これからの改善点としては、自分がどんなジオと関わりどんな活動をしているかを発表するには、今のままでは弱く感じた。直接関わって地域を盛り上げている部分をもっと増やしていかないといけないなと思った。今自由に動ける2年だからこそもっと企画していく必要があると感じた。この三日間を通して自分がどれだけジオと関わり、どれだけ他地域の高校生と差や違いがあるのかなど色々なことに気づかされた。大事にしていく部分や変えていった方がいい部分もありまだまだ未完成だなと思った。この学校に来た以上どう盛り上げていったらみんなが楽しめて関わっていくかを考えていきたいと思った。山側と海側のジオの違いを楽しめたいい旅でした。

ユースセッションに参加した高校生の感想文より(一部省略の上掲載)

最後に昨年と比べて印象的だったのは、主催の大野希一先生が"とにかく今日出会ったみんなが仲良くなることが大切"とおっしゃっていたことです。今回も高校生と共にユースセッションに参加をし、ユース同士の繋がりが、10年後、20年後の未来のジオパークをより活性化していく種となることを確信した1日でした。こういった機会によって蒔かれた種を未来で開かせるためにも、次世代国内ユネスコ国内委員会がユース間の士気を高めるエンジンのような存在になれればと思います。

DATA
イベント名 第13回日本ジオパーク大会 in 関東  ユースセッション
開催日時  2023年10月 28日(土)
会場  銚子ジオパーク(千葉科学大学)
執筆  次世代ユネスコ国内委員(2023年10月現在)小林真緒子・沖田広希