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第3回ユネスコウィーク ユースフォーラムの開催に向けた次世代委員の思い ~ユネスコ活動に関わるユース世代の縦・横のつながりをつくりたい!~

ユネスコ未来共創プラットフォーム事務局は2024年11月25日(月)~12月1日(日)の一週間、「第3回ユネスコウィーク」を開催します。最終日の12月1日(日)には、次世代ユネスコ国内委員会のみなさんと「ユースフォーラム」を企画・運営します。

今回は次世代ユネスコ国内委員会 委員長の小林さん、ユースフォーラム担当の谷垣さんとの対談をお届けします。


ユネスコ未来共創プラットフォーム事務局(以下、事務局):まず小林さん、昨年度のユースフォーラムの振り返りと、それを踏まえた今年度のユースフォーラムのテーマ、目的などをご説明いただけますか?

小林委員長:昨年度は、「ユースによる『未来への宣言』〜ユネスコ活動から考える気候変動〜」をテーマに次世代委員として初めてユースフォーラムを開催しました。気候変動を軸に、教育・科学・文化分野ごとに分科会を企画したり、参加者のみなさんと共に気候変動課題を踏まえ、「未来への宣言」を作成しました。初めての取り組みであったにもかかわらず、沢山の方々にご協力をいただき、また気候変動という文脈でユネスコ活動の魅力を届ける貴重な機会になったと思います。

今年度は、「『今から、ここから、わたしから』ーユースが集い、創るユネスコ活動の未来ー」というテーマで開催します。

事務局:では、次に谷垣さんに伺います。今年度のフォーラムのテーマを設定した理由と目的を教えてください。

谷垣委員:このテーマを設定した理由を、委員会内で認識している課題を元にご説明しようと思います。私たちは、日本のユースによるユネスコ活動が抱える課題を「活動の継続性=縦のつながり」「活動分野間の隔たり=横のつながり」の二つで整理しています。

まず一つ目の活動の継続性については、小中高を中心に多くのユネスコスクールで活発なユネスコ活動がされていたり、大学のユネスコクラブを中心に学生さんが熱心に活動されていたり、地域ユネスコ協会などの団体で活動されているところもたくさんあります。しかし、その学校や大学を卒業すると、活動を継続する場がない、見つけられない、というケースが多くあるようです。

二つ目の活動分野間の隔たりについては、ユネスコには教育、科学、文化の大きく三つの分野があり、その分野の中にもいろんな活動があって、そういう多岐にわたるところがユネスコの良さかなと思っています。しかし、その分野間の交流が少ないと感じています。分野が多岐にわたるユネスコだからこそ、多様な団体や個人がつながれる場を創れたらいいなと思いました。

今回は、次世代ユネスコ国内委員会が中心になってユースフォーラムを企画するだけではなく、多様な分野で活動されている団体さんと共にこのユースフォーラムを創るというところにも力を入れたいと思っています。参加してくださる皆さんと、この日、この場所から、自分たちで、一緒にユネスコ活動の未来を創っていきましょう、という思いを込めて「『今から、ここから、わたしから』ーユースが集い、創るユネスコ活動の未来ー」というテーマを設定しました。

事務局:ユネスコ未来共創プラットフォームの事務局でも「縦・横のつながりをつくる」ということを目的のひとつとして活動しているのですが、「ユースをどう巻き込むのか」というのは、私たちとしても課題になっています。今回のテーマにとても共感するとともに、一緒に企画できること、運営できることを嬉しく思っています。
では、続けて各分科会のご説明を谷垣さんからお願いできますでしょうか?

谷垣委員:今回は、教育防災まちづくりの三つの分科会を企画しています。

まず教育分科会では、テーマを「みんなでつくる『これからの学びのカタチ』―ユネスコの勧告を手がかりに―」と設定し、昨年のユネスコ総会で採択された教育に関する勧告 (通称:平和、人権及び持続可能な開発のための教育に関する勧告)※を手がかりに、学校の先生、子ども、行政、NPO団体、企業など、多様なステークホルダーが、共にこれからの教育について考え、語り合う場を作りたいと思っています。

防災分科会では、「ユネスコの視点で防災を学び、実践する―未来に生きる防災―」というテーマを設定しました。地震や台風など、今年も本当に大きな災害いろいろありましたが、防災・減災は今まさに、自分たちが直面している大きな課題だと思います。ユネスコの文脈の中でも防災は重要な柱になっています。今回は、ユネスコにおける防災の取り組みについて知り、避難所を想定したワークショップを通して、防災について一緒に考える場を作りたいと思っています。

まちづくり分科会については、「共に考える『我がまち』の未来―ユネスコ創造都市ネットワークを事例に―」というテーマで開催します。ユネスコ創造都市ネットワークというものがあるのですが、世界中で約350の都市が創造都市に指定されていて、文学、映画、音楽、デザイン、食文化など、昔から代々受け継がれてきた素敵な文化を後世に残していくために、熱心に活動されています。日本にも実は11個の創造都市があります。けれど、こういった創造都市の取り組みはまだまだ知られていないところもあると思うので、それをぜひ多くの方に知っていただき、これから一緒に作っていく未来のまちについて考えられるような場を作りたいなと思っています。

事務局:次世代ユネスコ国内委員の皆さんは、様々な興味・関心であったり、バックグラウンドを持った中で集まっていらっしゃって、それが活かされるような様々な分科会が企画されているということで、とても楽しみにしています。
さて、社会人や学生など、それぞれ立場がちがう委員の皆さんで今回企画・運営をされるということで、準備で苦労していることであったり、当日楽しみなことはありますか?

小林委員長:まず、各委員の住む地域が離れているため、オンラインで準備を進めていくことはやはり大変でした。その中でも、ユースフォーラムの位置付けを考えることには一番時間をかけました。私たち委員会の設立目的は、私たちと同世代のユースがよりユネスコ活動に参画してもらえるようなムーブメントを起こすことです。しかし、ユースの中には、ユネスコ活動自体をまだ知らない方も、もう既にユネスコ活動に取り組んでいる方もいます。最終的には、まずはユネスコ活動に取り組むユース同士のつながりをつくり、ゆくゆくはユネスコ活動をあまり耳にしたことないユースにもユネスコ活動の魅力を届け、ともに活動する仲間を増やしていくことを目標に動き出しました。

楽しみなことは、みんなで企画をしたユースフォーラムを参加者の皆さんに届けられること、そしてユネスコ活動に取り組むユースのつながりを深められることです。さらに新たな出会いから、ユースフォーラム後にもつながるような機会になればと思います。

事務局:ユネスコ未来共創プラットフォーム事務局としても運営の皆さん、参加者の皆さんと対面でお会いできることを楽しみにしています。今回のユースフォーラムはハイブリッド形式をとっており、かつオンラインでの配信もあるので、遠方の方にも参加していただけるような機会になればと思います。
また、次世代ユネスコ国内委員会にとどまらず、当日どのような縦のつながり、横のつながりが生まれるのか、楽しみですね。
では最後に谷垣さんから、参加者の皆さんへメッセージをいただけますでしょうか?

谷垣委員:まずは何よりも、たくさんの方々に参加していただきたいなと思っています。私もこのユネスコ活動に関わって10年ぐらい経ちますが、これまで日本各地でいろんな人に出会ってきました。熱心にユネスコ活動に取り組んでいる方々が一堂に会して、縦にも横にも輪を広げて、これからまたユネスコ活動一緒に頑張っていこうねっていう仲間ネットワークができたらいいなと思っています。

今回は、対面だけではなくオンラインでの配信もあります。また、ユースフォーラムの1日だけでなく、ユネスコウィークとして週を通したプログラムになっているので、前2日に開催する国際シンポジウムやユネスコスクール全国大会にご来場の方は、ぜひ最終日のユースフォーラムにも足を運んでいただきたいです。また遠方の方も、オンライン参加者向けの参加型ワークショップもありますので、ぜひご参加いただければと思います。

今回のテーマにあるように、今から、ここから、私から、みんなでユネスコの未来を一緒に作っていける場にしたいと思っていますので、ぜひたくさんの方のご参加をお待ちしております。

事務局:やはり何事も活動するには「仲間」が必要だと思います。今回のユースフォーラムが参加者の皆さんにとって良い「仲間作り」の機会になることを楽しみに、引き続き次世代ユネスコ国内委員会のみなさんと準備を進めていきたいと思います。本日はありがとうございました。


いかがでしたでしょうか。ユースフォーラムへの参加はこちらからぜひご登録ください。

当日、皆さまとお会いできることを楽しみにしております!


DATA
対談実施日:2024年10月15日
語り手:次世代ユネスコ国内委員会 小林・谷垣(2024年10月現在)
聞き手:ユネスコ未来共創プラットフォーム事務局 新井
※参考
Recommendation on education for peace and human rights, international understanding, cooperation, fundamental freedoms, global citizenship and sustainable development
(UNESCO Digital Libraryへリンク)