韓国ドラマ: Run On
心地よいペースで話が展開され、日常に疲れた時に観るととても癒されるドラマ。スポーツエージェントと字幕翻訳者という、一見すると交わらない世界で生きる二人が織りなす恋愛模様は、静かでありながらも感情の波がしっかりと描かれている。女性のキャリアや人間関係、自己成長のテーマが織り込まれており、ほんの少し背中を押してもらいたい時にオススメ。
固定概念にとらわれないキャラクター
登場人物たちが固定概念にとらわれることなく、互いを尊重し支え合う姿が描かれている。キ・ソンギョム(イム・シワン)とオ・ミジュ(シン・セギョン)が、ただの恋愛にとどまらず、互いを尊重し合う関係を築いていく。ソンギョムが元アスリートとしての試練や過去を乗り越えようとする中で、ミジュは彼に自分の価値観を押し付けることなく見守り、時には支え、共に成長していく。ミジュも自身のキャリアや夢に真摯に向き合い、ソンギョムや周りの人たちから支えを受けながら、彼女自身が独立した人間として描かれている。
ソ・ダナ(スヨン)とイ・ヨンファ(カン・テオ)の関係も、「女性が守られる」という枠を超え、ダナが先輩としての強さを発揮しつつも、時にはヨンファの明るさや柔らかさに支えられる、バランスの取れた関係性。ただのロマンチックな展開に留まらず、お互いの価値観や生き方を尊重し合いながらも、変化していく関係性の描写が心地よい。
自己実現と現実のあいだで
オ・ミジュもソ・ダナもフィールドは異なるものの、仕事に誇りと情熱を注ぐ。自分の追い求めるもの、譲れない信念。二人に共通するのは、自分に恥じる行動はしないということ。社会生活を送る女性にとって、これは決して簡単ではない。そんな姿は自分の決断に揺れる現代の私たちにとって勇気を与えてくれる。
スローテンポなストーリー
大げさな展開や過度な感情の起伏に頼らず、キャラクター同士の会話や日常のちょっとしたシーンに重きを置かれている。仕事や人間関係などに追われる日々から少し離れて、「自分のペースで走っても良いんだ」ことを思い出させてくれる。恋愛を軸にしながらも、それぞれのキャラクターが自身の価値観や生き方を見つめ直す姿が、共感できるテーマとして描かれている。
美しい映像と音楽
新しくもあり懐かしくもある音楽とともに韓国の四季折々の風景を背景に物語が展開していく。都市風景や自然の描写が全体に静かな輝きを与えている。映像だけでも成立するのではないかと思うほど美しい映像たちに癒される作品。それを成立させている美術、音響、演技が圧巻。シンプルかつスタイリッシュなファッションやインテリアも、魅力が詰まっている。