潮干狩りと瞬間移動。
僕は中学の頃、初めて潮干狩りを経験したのだが。
あの腰をかがめた体勢でひたすら同じ作業を繰り返すのが苦痛だった。
しかし僕はある事に気づき閃いた。
そう先に来ていた隣の子供達の集めた貝を、ばれない程度にスッと手に隠し瞬間移動させてみたのだ。
まるで僕はマジシャンになったような気分だった。
するとつらかった潮干狩りもだんだんとスリルと楽しさがまさり。
途中子供たちが「あれ貝減ってね?」と言う言葉にも、
いやそれくらいだったよ、そんな事よりもう少し深く掘っても全然平気だよ
と軽くアドバイスを送る余裕ぶりも見せた
そして最後には家族の誰よりも僕は貝を採り自慢げに見せびらかした。
が最後に現実を知る。
一人1キロまでという制限を知らなかったのだ。