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自作キーボード「Ergotonic_F24」 ビルドログ
はじめに
この記事は、販売前のβ版に基づく内容となっています。現在BOOTHにて頒布されている製品版と比べ、仕様が若干異なる場合がありますので、ご留意ください。
尚、記載内容はあくまでも、個人の感覚に基づく記載で、特定の意見、感覚を否定するものではありません。
制作者のHanachiさんより頒布前のβ版に関する募集があり、迷わずエントリーさせていただいた。というのも今年の春先ぐらいからだろうか・・・なにやら分離・変形・合体機構を取り入れたキーボードということで、試作機に関するツイートを目にしたことがきっかけでかなり気になっていた。
できた!#Ergotonic_F24 (試作)
— オタヒーのサメ (@otahinosame) March 22, 2022
左右分割と一体型のいいとこ取り!
見た目がバチクソかっこいい pic.twitter.com/Ub68r53NYy
速報 む#Ergotonic_F24 試作#mechanicalkeyboard #自作キーボード #メカニカルキーボード pic.twitter.com/7n729qrGBu
— Keeb Taro (@KeebTaro) March 31, 2022
「ちょっとこれ、激しくかっこいいやつだ・・・!!」
年末あたりからキーボード沼に浅漬け状態だった、私はより一階層、深い沼に引き込まれたのであった・・・(笑)
合体変形機構のロマンもさることながら、もう一つの特徴であるWillow配列という独自配列にかなり興味がわいていた。
配列の縦のライン、横のラインを弓なりにカーブ支えたような見た目で、均一ではない指の長さや、キーを打つ際の指の曲げ伸ばしをフォローする効果を期待しているそうだ。
Willow配列については、こちらのHanachiさんのブログにかなり詳細にまとめられている。
https://coal.hatenablog.com/entry/2021/11/01/230327
下準備
まずは基板とケースの側面のヤスリがけ&PCB基板とケースの側面を黒く塗る。
![](https://assets.st-note.com/img/1662306976462-pXG206ZS1Y.jpg?width=1200)
ファームウエアの準備
Ergotonic_F24のファームウエアはREMAP対応しているので、以下の手順でファームウエアの書き込みを行う。
REMAPのカタログを開き、FIRMWAREのタブをクリックする
USBケーブルでProMicroをPCに接続する
ProMicroをリセット(スルーホールでRSTとGNDと書かれた部分をピンセット等でショートさせることでリセットされ、赤いLEDが点灯)する
![](https://assets.st-note.com/img/1662392204892-yPnpQAh5qm.jpg?width=1200)
Flashをクリックする
ダイアログに「Aruduino Micro ペア設定済」と表示されたらクリック
完了(もう一方のProMicroにも同様の手順で書き込んでおく)
ダイオードのはんだ付け
基板のパッドに予備はんだを盛り、ダイオードの向きに注意しながら表面実装を行う。
尚、Ergotonic_F24のダイオードは基板の中央下あたりに、集中して配置されている。はんだ付けの漏れや、間違いに気づきやすく、組み立てに配慮されていると感じた。
![](https://assets.st-note.com/img/1662392763569-GUdg9sImY2.jpg?width=1200)
LEDのはんだ付け
LEDは基板底面を照らすアンダーグローで、両手合わせて16か所ある。
ビルドガイドを参考にしながら、こちらも向きを間違わないよう注意する。
熱に弱いLEDをはんだ付けするため、温調はんだごてを270度に設定して作業した。
![](https://assets.st-note.com/img/1662392916252-jcq7td8Bjl.jpg?width=1200)
パッド1か所をはんだ付けしたら、次のLEDに移るを繰り返して、全体を4周するようにすると
LEDを熱しすぎることを避けられる
キーソケットのはんだ付け
Ergotonic_F24はホットスワップ(キースイッチソケット)対応のため、組み立て後のキースイッチ着脱が可能である。
48か所※にキーソケットをはんだ付けしていく。
※ロータリーエンコーダーの取り付け予定箇所が決まっていれば、該当箇所にはキーソケット取り付けは不要(取り付けた場合でも、干渉等の問題はないようだ)
TRRSジャック、基板コネクタのはんだ付け
基板裏からTRRSジャックをはんだ付けする。
Ergotonic_F24を分割型として使用する際は、TRRSケーブルを接続する。
おなじく左右の基板を接続するためのパーツとして、基板コネクタを取り付ける。一体型として使用する場合は、基板コネクタで左右を接続する(TRRSケーブルでも可)。
個人的に当キット最大のヤマ場であると感じた。基板コネクタは端子が細いため、はんだ付けには少しコツがいる。
Hanachi氏のビルドガイドにも、この点は詳細に解説頂いているので、十分に参照されたい。
私が行った手順を書きに記載する
コネクタをマスキングテープなどで基板に固定する
コネクタ表の足のうち1本を慎重にはんだ付けする(仮止め状態なので、無理に動かさないようにする。)
コネクタの基板裏側のスルーホールからはんだを流し込む
残りの足をはんだ付けする
足同士の間隔が狭いため、となりの足へのはんだ流入、ショートに注意
尚、使用した小手先はB型(品番 T18-B)であり、白光の温調はんだごてFX600-02に標準装備のものであった。はんだについてはΦ0.6mmを使用した。
![](https://assets.st-note.com/img/1662393215759-LiBg5Ct1Xw.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1662393215312-gUYMyH93B7.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1662393215353-1HcmZrcG43.jpg?width=1200)
PrpMicro(コンスルー)のはんだ付け
Promicroの向きと、Promicroと基板自体をはんだ付けしないよう注意します。
ロータリーエンコダーの取り付け
ロータリーエンコーダー(EC12互換)を取り付け可能。
RE1, RE2, RE3, RE4の表記がある4か所に取り付け可能だったが、手が伸びやすい、内側に配置し、カーソルとBackspaceとDelを割り当てた。
![](https://assets.st-note.com/img/1662393440413-NU9saT2ukt.jpg?width=1200)
今回は内側赤丸箇所に取り付けた
いざ導通確認
一体型コネクタと合わせて、TRRSケーブル接続の動作も確認しておく。
LEDの点灯とキーソケット、ロータリーエンコーダーの導通を確認。
![](https://assets.st-note.com/img/1662736911809-V1Yvip71tQ.jpg?width=1200)
変形・合体機構の組み立て(お楽しみの・・・)
いよいよ、ErgotonicF24最大の?お楽しみポイントである、変形・合体機構を組み立てていく。
三つのジョイントパーツで構成されており、まずは中央のパーツで左右のジョイントパーツを挟み込むようにして取り付ける。
左右のパーツは、左右のサンドイッチケースに短いスペーサーを取り付けてできた隙間に引っ掛けるようにして取り付ける。
表裏16か所のネジを緩めることで、概ね4つの形態に変形させることができる。
尚、左右分割型へ変形させる場合は、ジョイントパーツと基板コネクタのケーブルを取り外す。
スイッチ・キーキャップの取り付け
ErgotonickF24は個人的にはどこか、armyなイメージだったので、
OEMProfile PBT Doubleshot Keycap - Black Gray(遊舎工房さんにて購入) をチョイス。
![](https://assets.st-note.com/img/1662393641350-u4LW2JTuOM.jpg?width=1200)
スイッチは最近マイブームのDurock製より、Silent Linear Dolphin(こちらも遊舎工房さんで購入)をチョイス。
無駄のないWillow配列とサイレントアーミーなスイッチ周りは今回のビルドのイチオシポイント(笑)。
![](https://assets.st-note.com/img/1662393588295-ql2ILrBBJv.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1662393723064-1Zo0Jnyc7T.jpg?width=1200)
まとめと使用感(指福なWillow配列!)
どの形体で使っていくか迷ったが、ひとまず一体型モードで若干、ハの字に展開した設定に落ち着いた。
個人的な感想としてはと、にかくWillow配列が新感覚すぎる。
なんというか・・・指に吸い付いてくるという表現がしっくりくるだろうか。
具体的には「これはさすがにミスタッチかな・・・?、横着しちゃったかな・・・?」という感覚なのにちゃんと打てている不思議!
基板の設計面でも、シルクプリントによる表裏のインジケーターや、ダイオードの集合配置など、組み立てやすさへの配慮が随所に!
分割モード、合体モードと変形、Willow配列、とにかくじっくりと使い込んでみたいキーボードに仕上がった。
こんな方におすすめかも
・分割、一体型で迷っている方
・変形合 体にロマンを感じる方 (笑)
・ホームポジションからの移動コストを最小化したい方
・ローターリーエンコーダーのぐりぐりを体感したい方
自慢フォトコーナー
![](https://assets.st-note.com/img/1662393801960-BlbC1xUpeQ.jpg?width=1200)
個人的には見た目も使用感も一番しっくりきた
![](https://assets.st-note.com/img/1662393802114-eqtHUAR91f.jpg?width=1200)
まさに翼のようである!
![](https://assets.st-note.com/img/1662393934957-tjUN8nNqq3.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1662737364655-8xVBw1R6DD.jpg?width=1200)
かっこいいー--!
![](https://assets.st-note.com/img/1662393803001-0nJ3cLQCp6.jpg?width=1200)
【この記事はErgotonic_F24を使用して書きました】