キャビン利用、サルデーニャ島カリアリから夜行フェリーでナポリまで
バルセロナからフェリーでサルデーニャ島のポルト・トレスに渡り、南下してカリアリまで辿り着きました。前回はカリアリの市場について。
今回はカリアリからイタリア本土ナポリまでの船旅です。
カリアリからのフェリー
カリアリからはグリマルディ・ラインのフェリーが、ナポリ、ローマ近郊のチヴィタヴェッキア、シチリア島のパレルモへ出ています。(季節によって多少スケジュールは異なることもあり。)
シチリア島は今回の旅行の目的地の一つでしたが、カリアリからパレルモまでのフェリーは週一だけ。そうするとサルデーニャ島に6泊しなければなりません。まだシチリア、南イタリア、南ギリシャ、トルコ西岸と盛りだくさんなので、4泊で済むナポリ行きのフェリーに乗船することにしました。ナポリを含むイタリア南部は元々行く予定だったの特に問題もありませんでした。
キャビン利用
バルセロナからサルデーニャ島のポルト・トレスまではキャビン(個室)を予約せず後悔したので今回はキャビンを予約しました。
バルセロナからポルト・トレスまでのフェリーについてはこちら↓
今回の船はキャビンは外側(窓あり)、内側(窓なし)があり、二人部屋と四人部屋がありました。船によって、或いは、混雑状況によって部屋のオプションが限らる場合があるよう。相部屋はないので一人であっても二人であっても部屋一室まるごと予約します。運賃内訳はこのようになりました↓
基本運賃 €31.52x2人= €63.04
港使用料 €6.94
二人部屋キャビン(外側、障害物有)€33.66
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合計€103.64
一人あたり €51.82
今回は一人あたり17 ユーロせずにキャビンを利用できたのでお得でした。かなりの距離を一泊しながら移動できるので電車よりも効率が良く安いです。時期や混雑状況、予約のタイミング、航路、フェリー会社によっても基本運賃やキャビン料金は随分異なるようで、ギリシャがびっくり高額なキャビンで諦めました(そちらはまた追って)。
いざ乗船!
前回のフェリーの食事が不味かったので、今回は夕食、水、アルコールと朝食を持参しました。
ターミナルと呼べるものもなく、屋外のトタンの屋根だけついていてコンクリートのブロックが椅子代わり?に並んでいる簡素な待合所でした。
待合所の前の看板を読むとなんでもサルデーニャ島では豚インフルエンザが流行しているらしく、豚肉製品の島外持ち出しは禁止されているそうです。
20分くらい待って、乗船可能の時間になると門が開いて乗船です。自動車やトラックと同じところから入り、船内のエスカレーターでレセプションのある階まで上がります。
前回バルセロナからポルト・トレスまで乗船したRoma号よりも少し小さいEurope Palace号というフリートです。
キャビンにチェックイン
受付で名前を言って鍵をもらいます。廊下が長いので部屋を探すのも一苦労です。
キャビンの並ぶ廊下。
キャビンはこの通り。バスタオルとハンドタオルも付いています。左手前には小さなデスクと椅子一脚、鏡がついています。手前右手がバスルーム。コンセントはベットサイドに一つ、デスクに一つ、バスルームに一つ付いていました。
バスルームはトイレと洗面所、左にはシャワー。液体ボディソープがアメニティで付いています。日本のビジネスホテルのユニットバスのような感じです。
シャワーと洗面所・トイレの間にはシャワー・カーテンだけで特に仕切りもないので、シャワーを浴びると洗面所の方まで床がびしょびしょになるのが難でしたが、イタリアの普通のホテルでもあった問題なので、仕方なさそう。
クオリティといい部屋の大きさといいそれこそ日本の安ビジネスホテルといった感じです。一泊なのでまあ十分です。
窓は障害物ありとのことで少し料金が安かったのですが、緊急脱出用のボートを支える支柱などで、景色も見えるし全然問題無しのレベル。
部屋を一通りチェックした後は船内散策へ。
船内のアメニティ
デッキ
前回のバルセロナからのフェリーはサイドデッキが工事中だったのでほぼ利用できませんでした。今回はフルアクセス!
デッキはタバコを吸う人が多く煙いところが多いので、スモーキングエリアを作って欲しいです。ヨーロッパ本土は喫煙に関するルールがまだまだです。
スイミングプールとジャグジーがありますが、まだ5月なので閉鎖されていました。
デッキにはいくつかバーもあります。今回はワインをボトルで持ち込んだので、利用しませんでした。
子供のプレイグラウンドも。
犬のトイレもありました。犬は追加料金でキャビンに連れていけます。
出港前なのでまだキレイでしたが、もうちょっと見えないように囲むとかしたほうが良い気がします。砂場ではなく人工芝というのもどうなのか…
クラブ
バルセロナからのフェリーでもあったナイト・クラブ。
フロアは上から見るとこんな感じです。
レストラン
てっきりレストランの写真を取ったと思ったのですが、失念したのでグリマルディ・ラインのウェブサイトから拝借…カフェテリアはバルセロナ便よりも小さいです。
もう一つはテーブルクロスの敷かれたアラカルトのレストラン。
バーとラウンジ
バルセロナからのフェリーはバーは一つしかなかったのですが、このフェリーはデッキに2箇所、屋内に1箇所ありました。屋内のバーはこのような感じでした。
バーの前のラウンジでは、ライブミュージックも!クラブもそうですが、フェリーでここまでサービスがあるとは思いませんでした。
船の先端にもラウンジがあり、窓からの眺めとテレビ(イタリア語)が楽しめます。
この他にもショップや指定席エリアなどもあり、全体的に施設は充実していました。
いざ出港!
午後7時にカリアリ出港で、ナポリ到着は翌日の午前10時。15時間の旅です。
出発前に一番時間がかかるのがトラックやコンテナをフェリーに乗せること。これで度々出港時刻が遅れます。今回は比較的スムーズ。
いざ出港!前回の記事で書いたピースボートに手を振ってお別れ。
船の最後尾からカリアリの丘の上にあるカステッロ地区やその下のマリナ地区が見えます。
段々遠ざかっていきます。
海の水の色がとってもきれいな水色です。
カリアリは見えなくなり、しばらくすると軍用ヘリがやってきました!
フェリーをしばらくフォローしてはまたどこかに行き、またフォローを繰り返していました。どうやら軍事演習のよう。民間のフェリーが軍事演習に参加なんてことがあるんですね。
デッキでディナーを食べて部屋に戻ります。パニーニとナスのお惣菜。
部屋が意外と快適で、耳栓をして寝ましたが、エンジン音も揺れもほとんど気にならず、びっくりするほど普通に寝れました。あまりに快適だったので、到着1時間半前くらいまではほとんど部屋で過ごしました。
フェリーからナポリの湾を望む
朝起きて窓から景色を眺めると陸地が見えました。デッキに出るといい天気!
イタリア本土が見えます。
そしてGPSで確認したら、カプリ島!
そしてポンペイがこの火山の噴火で消滅したという、ヴェスヴィオ火山。海からすぐにそびえています。こんなに近いとは思いませんでした。
港に近づくと小さなボートが急接近し、そこから男性一人がフェリーに飛び乗ってきました!
ボートには「パイロット(日本語では水先人)」と書かれています。
子供の時毎夏キャナル(運河)ボートで過ごし、ドーバー海峡も家族のボートで渡ったことのあるパートーナーによると、港に近づくと、その港に駐在し周辺地形に詳しいパイロットが操縦を船長に変わって代行するとのこと。湾は操縦が難しく事故も多いことから通常行われているサービスだそう。
4年くらい前にベネチアでクルーズ船が岸に衝突した事件がありました。そういうことがないように水先人がいるのですが、この事故は水先人に引き継がれる前の船長の行動が原因だったそうです。
水先人の先導のもと、ナポリ中心地が見えてきました。ちょっとした高層ビル群も見えて、一見アメリカのような裝いで、ボストンとかサンディエゴと言われても分からないです。
もっと近づくとヨーロッパらしい景色が見えてきました。てっぺんに城塞が見えます。
一度訪れたかったナポリ。楽しみな半面、スリや泥棒でも有名なのでちょっと複雑な心境です。
港は比較的中心に近く便利でした。
次回はナポリ旧市街の賑やかな市場を歩きます。