伊サルデーニャ島最大の町、カリアリの歴史地区まち歩き
バルセロナからフェリーで到着したサルデーニャ島。前回はカラフルな旧市街が魅力的なボーザ。そこから電車でカリアリに到着しました。
サルデーニャ島で最大の町カリアリ(Cagliari)は島の南に位置します。
ボーザからお昼頃に到着し、ナポリまでのフェリーは翌日の夕方なので、ほぼ1日半の滞在です。カリアリは二つの記事に分けてお届けします。
今回は古い建物の残る下の4つの歴史地区の観光です。
丘の上にそびえるカステッロ地区
今回宿泊先は丘の上の城塞内にあるカステッロ地区(Quartiere Castello、上記地図、赤)。丘の上に行くには二か所エレベーターがあるので予めその場所を確認しておけば楽です。最初は歩いて目指しました。
城塞南西側にあるエレファンテの塔(Torre dell'Elefante)から入ります。31メートルとかなり高い塔で真下から見ると圧巻!ギリギリカメラに収まりました。
エレファンテ(象)というくらいなので象のモチーフがあります。1307年に建てられていたそうですが、その頃にはすでに島では象が知られていた(或いは連れてこられていた)ということでしょうか。
城塞北側のクリスティナ門(Porta Cristina)も立派です。
城塞内はお城はなく、住宅などの古い町並みが残ります。
城塞内での一番の見所はサンタ・マリア・ディ・カステッロ大聖堂(ドゥオーモ)。
イタリアらしいファサードで何処かで見たことがあるなと思ったのですが、何処だったか?調べてみると1930年代に古いバロック様式のファサードを中世ピサ様式のファサードに改修したとのこと。「そうだ、ピサの大聖堂だ!」とやっと分かりました。
正面ファサードのフレスコ画もスペインでは見かけないスタイル。
欧州で色々な大聖堂を訪れて正直大したことのない大聖堂(バルセロナ大聖堂もイマイチ)も多いのですが、こちらのドゥオーモは小規模ながら素晴らしかったです。
天井のフレスコ画も見事。
特に半地下のクリプトの装飾が圧巻。
ちょっと漫画チックな装飾が壁位一面にあり面白いです。
天井も柄がかなり凝っています。
イタリア国内は大体街で一番大きい大聖堂(ドゥオーモ)は無料で入れるので嬉しいです。逆にスペインでは大きな街や観光地は有料のところが多いです。
城塞内はそれほど大きくないので30分もかからずにぐるっと一周できる感じです。細い趣のある通りが並びます。
今回宿泊したホテル部屋からの眺めもこのとおり。
こういうちょっと廃墟化したようなところも趣があります。
城塞内でテラッツァ・ウンベルト(Terrazza Umberto I)という下界を見渡せる展望台は必見です。
Bastione di Saint Remyという美しい砦↓の上にあります。
海や郊外の塩湖などが見渡せます。日陰がないので暑いのが難ですが、夜も夜景がキレイです。
丘の上の建物群も見えます。
コンパクトな城塞内は交通も少なく、レストランやバーなどもあまりないので夜は静かで宿泊には良かったです。
カリアリで一番古いスタンパチェ地区
旧市街の西側(上記地図、黄色)はスタンパチェ(Stampace)という歴史地区で、4つの歴史地区の中で一番古いエリアだそう。植物園やネクロポリス遺跡などの観光スポットもあります。
昔から商人が多く住んでいて活気があったそうで、今でも目抜き通りにはバーやレストランがずらりと並び活気があります。港にあるマリナ地区(以下参照)のレストランは観光客が多い印象ですが、こちらは地元民が多いです。
裏通りにはバロック調のChiesa di San Michele↓をはじめ教会も多くあります。
城塞から眺めたスタンパチェ地区。湾にはグリマルディ・ラインのフェリーが見えます。
教会のある歴史的なエリアと繁華街のコントラストが面白いです。
一見見所のないビラノバ地区
ビラノバ地区(Quartiere Villanova)は城塞の東側に位置します(上記地図上、紫)。4つの歴史地区の中では一番新しい地区で、観光スポットがあまりなく地味な印象です。
商店街もあり、大通り沿いは比較的新しめの建物が目立ちます。
何本か通りを入るとカラフルで小さい家々が並ぶエリアが。
このカラフルな建物群を見るだけでも歩いてみた価値がありました。
観光客の多いレストランが並ぶマリナ地区
港に面しているエリアだけあって(上記地図、緑)、クルーズ船の乗客が主に昼食に訪れると思われるマリナ地区。特に観光客率が高い地区です。
レストランがぎっしり並ぶ中にも遺跡があったりするのがさすがイタリア。
港から離れると地元民が行くようなお店もチラホラ。歴史的な建物も多く歩いているだけでも楽しいです。
中心は狭い路地にもレストランがたくさん。
中には美味しいお店もあるのでしょうが、いかにも観光客目当てのお店が多かったのでここでは食べませんでした。
なんとピースボートに遭遇
2日目に街中で日本人をチラホラ目にしたので普通のクルーズ船に乗っている日本人かなと最初は思いました。それから街を歩いていると、とにかくカリアリの中心のあちこちにすごい数の日本人!団体のグループの人もいて、これはもしや?と思ったら、誰かが「Peace Boat」と書かれたものを持っていました。
ピースボートといえば、何故か日本の居酒屋のトイレに広告がよく貼ってある日本の世界一周クルーズ船。
日本で乗船したことがある人に何人か会ったことがあります。20〜30代の人たちで、ユースホステルのように知らない人と相部屋になるので出会いがあって楽しい、百万円以上するけれどまた行きたいという意見が多く、てっきり若者中心のクルーズ船だと思っていました。
ヨーロッパの比較的小さな町に何千人(満室で2,100人強)という大勢のアジア人が押し寄せるというのはなかなか見かけない光景で、私も最初はびっくり。年配の人が圧倒的に多く、一般的な客室があることを知りました。
ピースボートは毎回航路が違うので同じ港に停泊するのは1年に1日ないのでは?そのピースボートに旅行先で遭遇するというのはかなり稀のはず。日本から遥々来て、日本に帰る船と思うと、海外に住んでいて特別な気持ちになります。
このピースボート、私たちが乗船したグリマルディ・ラインのお隣に停泊していました。
こちらの方が出港が早かったので、出港時にデッキから手を振りました(多分誰も見ていない…)。
ピースボートは事前のパンフレットではこの後バルセロナに寄港となっていましたが、最新のウェブ版ではタラゴナと変更になっていました。タラゴナからバルセロナはちょっと遠いので皆さんバルセロナにはたどり着けたのでしょうか?
次回はカリアリの市場を訪れます。