巻き戻せば恥ずかしいことばかりで

ちょっと思い出しただけ、ねたばれありのの感想文。
見る予定あれば絶対に読まないことをおすすめします、というかめちゃくちゃおすすめなのでまだ見ていない人は絶対に見てほしいのでこんなの読んでないで映画を見てほしい。


風磨さんのMC番組がレギュラー化されました。おめでとうございます。
その番組で一緒にMCを務めるニューヨークの屋敷さんを見ると、どうしても思い出してしまう。「ちょっと思い出しただけ」。

この映画に関して、結構いろいろ感想を読んだ。
わたしにとって、自担や推しなど「好きな人」きっかけで見た映画じゃなくてここまで映画の感想を読み漁ったのは初めてだったかもしれない。そして、私が見たのは6月27日の下北沢トリウッドでしたが、3か月たって改めて考えたり感じることがあって感想を残しておこうと思うことも、初めてかもしれない。

私が声を大にして言いたいのが、
「屋敷と結ばれてて笑った」的な感想まあまああるんだけど、わたしはそうじゃないと思ってて………屋敷だから結ばれちゃえた、んだよ!

この作品の「同じ7月26日を遡っていく見せ方」とか俳優さんたちの演技がすっごく良くて自然で、それによって成り立つリアルさ(なんで大好き大好きの時期ってあんなにクサいこと言えちゃうんだろうね!あんなにクサいのに、それを見てても気持ち悪くならない演技のうまさが本当にすごかった)、すごく好きですごく推したい点なんですが、池松さん演じるはるおくんと沙利ちゃん演じる葉ちゃん、そして屋敷演じる葉ちゃんのダンナ、その言動からわかるキャラクターが本当に絶妙だな。。。。と思う。

ずっと考えて模索して、考えてしまうからこそ行動に出るのがゆっくりになりがちなはるおくん。
対照的に、考える前に体が、口が動いているタイプの葉ちゃん。
飲み会を抜け出して出会ってナンパした女の子に「これ100パー運命なんで。」と言うダンナ(屋敷)。
出会いも、はじまりも、すれ違いも、喧嘩も、そしてきっと別れも、新しい出会いも、結婚も、全て三人のキャラクターだからこうなったんだな。

「考える前に行動するところとか、自信がないのに強気になるところとか、~~大好きだし、」で付き合い始めた二人が、「来年の誕生日プロポーズしよう」と話した二人が、「ちょっとだけ待ってほしい」「言わなきゃ伝わんないよ」ですれ違う。お別れして、ナンパしてきて「一生幸せにするんで。」って言う男と幸せになる。
なにもかもを表してしまっているよなと思う。
幸せって、なんだろうね。なんで相手が好きなだけじゃ、どうにもうまくいかないんだろうね。言わなきゃ伝わらないけど、言ったって伝わらないこともあるの、ほんとどうしたらいいんだろうね。


そして、過去の上にみんな生きていること。
日常が習慣へと溶けていくこと。
もんじゃへの餌やりも、水やりも、朝のストレッチも。もんじゃのままだったラインアイコンも。
習慣になって溶けたものが、いつかの日常だったとわかったそれぞれの瞬間、どうしようもなく愛おしくて泣いてしまう。たまにちょっと思い出しながら、みんなこうやって生きてるんだよな。

恋愛に限らないよなと思う。
わたしのことも、すべての過去がいまのわたしを作っている。あのとき彼がくれた一言が、あのとき彼女にされたことが、あのとき錦戸亮ちゃんが話したことが、あのときふうまさんが話したことが、いまのわたしを作っているそのことにも改めて気付かせてもらえた。本当に大事に思う誰かに、影響されたわたしの一部分。わたしにも、あなたにも、きっとそういう部分があるだろう。

ちょっと思い出しながら、生きていくことを尊いなと思った。この映画を見ると、たぶんきっとそれぞれ「ちょっと思い出しただけ」に出会える。それぞれの過去が今につながっているうれしさを、感じられる気がする。

わたしの「ちょっと思い出しただけ」も書いておこうかと思ったのだけれど、見た当時もう「思い出しただけ」に消化したと思っていたはずが思いの外いまも現在進行形になってしまったのでとりあえずやめておきます。少なからず沙莉ちゃんに似ているところがあるなと思うわたしにとって、はるおくんのその先みたいな人だった。いや、今もか。
ラストシーンの屋敷の落ち着きっぷりがいろいろ表しているよなと友人と話したことを昨日のように思い出しながら、今日はここまで。

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