伯爵令嬢 or DEATH
ポインセチア伯爵令嬢、メアリーはパーティを楽しんでいた。なぜなら妹のエピファニーの社交界デビューのパーティだからである。
「率先してエピファニー様に社交界の規範を示すメアリー様は素晴らしいですわ!」
メアリーの取り巻きもエピファニーに規範を示す良い姉の姿を見て灌漑深い感情になっていた。それを見てメアリーはニコニコと笑う。良い循環関係であった。そこに一人の貴族の青年が現れる。クリスマスローズ伯爵子息のエドワードである。
「やぁ、今日のメアリーも美しいね」
「やだぁ、ほかの女にも同じように口説いていらっしゃるの?」
エドワードの口説き文句を適当に流し、とりとめのない貴族子息的な世間話を交わし合った。そこにエピファニーが急ぎ足で近づいてきた。
「エドワード様!エピファニーです。社交界デビューして右も左もわからないエピファニーをエスコートしてくださいませ」
「しょうがないエピファニーだ。初めてのエスコートは知り合いのほう安心するものだ。実は私も兄にエスコートしてもらったのだよ」
「わぁ、嬉しいですぅ!」
エドワードはメアリーに目くばせをしてエピファニーの手を取りダンスフロアに向かった。これから貴族の嗜み社交ダンスをするのだ!
そんな二人を慈愛溢れる表情で見守っているメアリーだった。
フッ!
突然、パーティー会場の灯りが消された。少しパーティー会場はざわめいた。すぐ使用人が灯りを再点火してパーティーに戻ったが何かが違っていた。パーティー会場の隅、窓際にいた中年貴族がうつぶせに倒れていたのだ。しかも後頭部には手裏剣のようなものが突き刺さっている。ニンジャの仕業だ!