俺の実家に聖火が一時的に安置されることになって半年が過ぎた。
俺の実家に聖火が一時的に安置されることになって半年が過ぎた。
初めのうちはマスコミ関係者が殺到して騒がしかったが、今は平時の落ち着きを取り戻している。聖火を収めた部屋の周囲に結界を張り巡らしたのが功を奏したようだった。しかし家族が言うには加護の押し売りが不定期に出現し帰らせるのに一苦労しているらしい。一番ひどいタイプの押し売りはオリンポス山の方から来ましたと、主張し譲らない加護の押し売りに帰らせるのに数時間を有した。後にオリンポス山に連絡したら「うちとは無関係」という言質が出て一安心したそうだ。まったく困ったものだ。
ここ数年、仕事がべらぼうに忙しく、実家に帰ることもままならない日常だったが、そろそろ実家に帰郷しないと、家族に怒られてしまう。というより、親戚一同の集まりぐらいは顔を出せと催促された。俺は何とか有給休暇を取り上司の顔を伺っているのだが、仕事が一山越えて片づける見通しが立たないのである。何とか実家に帰郷して聖火の顔を拝めたらいいなとは俺は今思っている。
これはなんですか?
この胡乱企画に参加した作品です。