桶狭間学園の朝

 関東某所、桶狭間学園。緑に囲まれた校舎、活発なクラブ活動、どこにでもある普通の学校である。今日も校門では明るく生徒たちがあいさつを交わす。爽やかな朝にふさわしい日常の一コマである。
 そんな校舎の一角、あまり生徒が近寄らない旧校舎部室棟は吹奏楽部や軽音楽部、それにマンドリン部やピアノ部やギター部、さらにはEDM部といったメジャー系の文化系部活、アルペンホルン同好会やガムラン同好会といったマイナー系文化系部活が朝練をしていたりすることは桶狭間学園では日常茶飯事であるが、今日に限って不気味に静まり返っていた。今日は朝練は休みの日なのだろうか?
 そんな部室棟の一室、インターネット部(実質的に自由活動部)の広めの部室に一人の女生徒が寝袋で朝寝をしていた。よほど寝袋が居心地いいのだろう。起きる気配が全くもってない。それほどに女生徒は夢心地であった。今日も平穏な一日になるのであろう。
……CRASH!その時、インターネット部の部室の扉は何者かによって破られた! 派手な登場演出でインターネット部の部室に侵入した何者かは漆黒のボディアーマーめいた忍装束で般若の面をしていた! ナムサン! ニンジャである!
「政府要人殺しを失敗してしまった……ほとぼりが冷めるまでしばらくここに隠れさせてもらう…‥ム、そこに誰か眠っているな。騒がれたら困るので死んでもらうぞ!」
 般若面のニンジャは背中からニンジャソードを引き抜き寝袋に突き立て……ナムアミダブツ! 
 しかし手応えが悪い! 般若面のニンジャは寝袋を確認するとそこには寝袋しか存在しなかった!
「ヌゥ……これは一体!?」
 キョロキョロと周囲を見渡す般若面のニンジャ!
「ここだよ! ここ」
 どこからともなく声が響くと、部室の教壇に菫色の軽装忍装束を纏った女ニンジャの姿があった!
「朝寝タイムを邪魔するなんて許せない」
 と女ニンジャが怒りをあらわにしリボンを構えて臨戦態勢に入る!
 般若面のニンジャはニンジャソードにニンジャパワーをエンハンスする! 全身から確かな口封じの意気込みを感じる!
 ニンジャパワーをニンジャソードにエンハンスして斬属性ダメージをブーストした斬撃が女ニンジャを襲う! だが、女ニンジャは慌てずリボンをニンジャソードの持ち手に向けて鞭打! 結果、般若面ニンジャはニンジャパワーがいい具合にのったリボンの鞭打が手首にヒットしてニンジャソードを取り落とす! その隙を逃さず、右手から細い糸を般若面ニンジャに向けて射出! これは蜘蛛糸拘束術だ! 般若面ニンジャはたまらず蜘蛛糸で身動きをとれなくなる! これは勝負ありだ!
「壊したドアとダメにした寝袋の賠償金はあなたの雇い主に払ってもらうからね!」
女ニンジャは般若面ニンジャに無慈悲な宣告をすると般若面ニンジャを桶狭間学園からつまみだすため、桶狭間学園の警備当直に連絡をとるために校内回線にダイアルするのであった。


すいません、これはなんですか? 

※この作品はサプライズニンジャ・コンに参加するために書き下ろした作品です。
※大体約400字前後書いたらおもむろにニンジャを出す方針で作成しました。
※ところで般若面ニンジャの雇い主は気に食わないという理由で政府要人を暗殺するなんて常識がありませんよね?

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