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Fusion360の為の左手デバイスの検討(12/16追記あり)

メモです。
3D CADはSketchUpを昔触って以来、久しぶりなのですが、CADを使うと左手デバイスが欲しくなりますね。
Fusion360を始めたばかりですが、左手デバイスの情報を集め始めたら止まらなくなったので、勢いで投稿します。

2024/12/16追記
3Dマウスに「SpaceRat」と、ソフトウェアの「MouseMix
マウス以外のデバイスに遊舎工房の「Primer16」と、SpaceRat作者製「Fusion360 Printed Macro Keyboard」の情報を追加しました。


3Dマウス

市販品は数万円するので、とりあえずDIY可能な3Dマウスの情報を集めてみました。

Orbion 3D Space Mouse DIY

有名らしいです。こちらの方面にアンテナを張っていなかったので、初めて知りましたが。
先端部分が回転するのと、上下左右に動いて、Fusion360で拡大したり回転したりさせることができます。
筐体は3Dプリンターで印刷し、電子パーツとマイコンを仕込んで自作する事ができるデバイスです。

このプロジェクトで利用している「Arduino Pro Micro」というマイコンは、CPUに「ATmega32U4」というものを使っています。

これは、USBHIDデバイスとして認識される機能をもっています。HID、つまりキーボードやマウスとして認識されます。
自作のキーボードを作ったり、レースシム用のデバイスや、絵描き用の左手デバイスを自作するのに重宝されています。
これをつかって、ジョイスティックで上下左右の移動と押し込みSW、ロータリーエンコーダーで回転、さらにプッシュボタン3個を組み合わせて、Fusion360の画面をグリグリと動かせるようです。
バージョンは2.5(2023/3/9)が最新のようです。

Orbion BLE(Bluetooth Low Energy)対応版

Orbionからフォークして、ESP32マイコンに変更。ESP32内蔵のBLEで接続し、有線接続はオミットしているようです。ESP32は、USBHID機能を持っていませんしね。
が、配線図はPro Microのままだし、CADデータをいじった形跡も無いです。どう配線して、どのESP32(開発ボードなのか、もっと小さい基板なのか)が分かりません。配線はソース読めってことでしょうか。
その辺を含めて全部自己解決できるなら、ESP32用のコードが手に入るので、チャレンジしてみる価値はあるのかも。

Salim Benbouziyane氏のDIY-Spacemouse

デザインの洗練されっぷりは、ORBIONより上ですね。
動作原理も、磁気を使った位置センサーなので、構造がシンプルなのが良いです。
同じような動作をする、ジョイスティックを3軸、4軸つかったデバイスもありましたが、そちらより小さく、また故障も少なそうです。
ただ、レビュー動画をみるとちょっと反応がピーキーっぽい感じで、気になるけど手が出しづらい感じです。
マウスモードで動いているようで、グリグリ動かしている間に、マウスカーソルがどこかに行ってしまいます。
たぶん、ORBIONも似たような挙動をするんでしょうけど。

3Dプリンターとarduinoで作るオープンソース3dマウス

DIY-spacemouseが磁気センサーを使っているのに対して、Joystickデバイスを4方向にとりつけ、XYZ軸の移動を検知して動くタイプのマウスです。
挙動そのものは、DIY-spacemouseに近いでしょう。
中央の軸に、4方向にJoystickを貼り付けるので、サイズが大きいのが特徴です。
ここでいうJoystickは、PlayStationやXBOXのゲームパッドに付いているようなアレです。電子部品として市販されています。

どのように取り付けているかは、動画をご覧下さい。

SpaceRat (2024/12/16追記)

Salim Benbouziyane氏のデバイスに似ていますが、6軸IMUセンサー(3軸の角度センサーしか使っていないようです)と、親指用のトリガーに磁気センサー(ホールセンサー)、そしてトップに平行移動用のトグルスイッチが付いています。

また、使用しているバネも25mm x 8mmが1本だけなので、部品も入手しやすいと思います。磁気センサーを複数つかって位置情報をとるより、IMUで角度を計測する方が、デバイス構成がシンプルですね。

操作は、
前後左右に倒す:マウスホイールボタン+Shift+マウス動作=上下左右に回転
親指のノブを前後させる:拡大と縮小
トップのボタンを押す:マウスホイールボタンを押した状態=上下左右に平行移動
という割り当てになっています。

マウスを2つそれぞれ認識させる「MouseMix」を使う

SpaceMouseは皆、マウス操作をエミュレートする為、右手で操作するマウスの邪魔をしてしまいます。左右二つのマウスがあるのに、操作できるマウスカーソルが一つなので、どうしても操作が混乱します。
これを解決する方法として、SpaceRatの動画の後半で触れていますが、「MouseMix」というソフトを使う方法があるようです。

このソフトを使うと、普通のマウスとSpaceMouse、それぞれ別に認識されるようです。

赤と緑、2つのマウスカーソルがある

SpaceRatの動画が作られたのは3年前で、その時点では、「ズーム機能が使えなくなることがある」という問題があったようです。
SpaceRatのほうはその後バージョンアップが無い(動画では、数ヶ月後にはVersion 3がでるよ!と言っていますが)ようですが、MouseMixは順調にバージョンアップを重ねているようなので、もしかしたら、解決しているかもしれません。
その内SpaceMouseを入手したら、試してみようと思います。

マウス以外のデバイス

KeyFuda2

3Dマウスじゃありませんけど、Fusion360に使えそうなカスタムキーボード。見ての通り、ロータリーエンコーダーが付いているので、キーと組み合わせて拡大縮小や回転が出来る、かも?

その他、Fusion360専用カスタムキーボード

「キーボード 自作 Fusion360」とか、いっそAIに聞いてみると、いくつか出てきますね。
キーマップを変更出来るカスタムキーボードを自作して、Fusion360のショートカットを割り当てるだけですが、割と便利そうです。

上記はてブの人が冒頭で触れている、CADAMというCADは、昔仕事で使ったことがあります。私の場合、ICADという基板設計用CADのほうがメインでしたけど、ハードは共通で、富士通の汎用機で動いていました。
ボタンにライトが仕込まれてて、熱いんですよね。指を載せっぱなしにしているので、段々と指先だけマヒしてきました。

キーボード電卓

電卓のように計算が出来て、結果をWindowsに送信できたら、Fusion360の寸法入力が捗るんじゃ無いか? と思いついたときには興奮したんですが、調べてみると既にあるんですね、電卓+テンキー。
しかも、CANON等各社から出ていて、有線・無線に対応していて、いまさらゼロから作る意味も無さそうな分野です。


上で触れているとおり、一時期CADの仕事をやったことがあるのですが、CADで設計する場合、2次元だろうが3次元だろうが、寸法の直接入力は最も多用する機能です。
なので、右手でマウスを握ったまま左手でテンキーを打てるこの手のデバイスは、検討の価値があると思います。

遊舎工房のマクロパッド(2024/12/16追記)

自作キーボードのお店で売っている、カスタマイズ可能なテンキーボード(16キー+2ロータリーエンコーダー)ですね。
よりキーの多い、Primer29キットというのもあるようです。
今回調べるまで知りませんでしたが(自作キーボード界隈は、高いので・・・)、この手のキーボードは、ブラウザでキーカスタマイズやマクロの設定ができるようです。

キーボードレイアウトを複数切り替える「レイヤー」という使い方もできるので、
普通のテンキー:スケッチ寸法を入力する
Fusion360用ショートカット:各機能を呼び出す
を切り替える、という使い方が良さそうですね。

価格ですが、基本キットに加えて、キーボードの軸(赤軸とか茶軸とかいう奴)と、キートップをそれぞれ16個、別売りで購入するので、だいたい5500円くらいです。
さらにキートップに印刷するサービスや、刻印(レーザー刻印)するサービス等、色々充実しているようです。

Fusion360 Printed Macro Keyboard

「SpaceRat」のKiki Hobby Repairの人が公開しているキーパッドです。
軸を買う必要がありますが、一般的なカスタマイズキーボードキットと違って、PCBを使用していないので、キー配線をすごく頑張っています。
あと、キー配置も、全部Arduinoにハードコーディングされていますので、カスタムキーボードのような「後からキー配置を変更する」機能がありません。
変更したい場合は、自分でソースコードを書き換える必要があります。といっても、対応するボタンが送信している文字を変えるだけです。

利点は安価なことです。軸が100円×15個、あとはArduino Pro MicroとUSBケーブル、中の配線だけです。
ケースとキートップは、3Dプリンターで印刷します。
Primer16の、さらに半分くらいで買えますね。

結局どうするか

色々挙げましたが、とりあえず面白そうなのは3Dマウスの2つですかね。
とりあえず、年末にORBIONを作ってみる予定。
(2024/12/16追記)
一番作りやすそうなのは、SpaceRatだと思います。


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