『UNDER 25 OWARAI CHAMPIONSHIP』決勝戦レポート
2023年9月16日(土)、草月ホールにて『UNDER 25 OWARAI CHAMPIONSHIP(以下、UNDER25)』決勝戦が開催されました。
『UNDER25』とは、“25歳以下”だけが出場できる新しいお笑いの大会。6月の一次予選、7月の二次予選、8月の準決勝を経て、1,004組のエントリーから選び抜かれた10組が決勝の舞台で戦いました。
25歳以下の頂点に立ち、『UNDER25』初の王者となったのはえびしゃ(ワタナベエンターテインメント)!
決勝本番では、どんな戦いが繰り広げられたのでしょうか?また、審査員の講評は?熱戦の様子を、写真とともにレポートします!
【一次予選~準決勝レポート】
オープニング
『UNDER25』決勝のMCは、三四郎!
『UNDER25』優勝特典は下記の通り。賞金に加え、『オールナイトニッポン0(ZERO)』単発パーソナリティー権など「ラジオ」にまつわる豪華特典が贈られます。
三四郎は、9年間『オールナイトニッポン』でパーソナリティーを務めています。今では大人気の『三四郎のオールナイトニッポン』ですが、はじまりは単発番組。『UNDER25』の単発番組がきっかけで、未来のラジオスターが生まれるかもしれません。
決勝審査員は下記の通り。
ファーストステージ
①でぃ(無所属)
1番目に登場したのは、でぃさん。大学時代は学生芸人として活動し、卒業後は1年間小学校教諭として働きました。あらためてお笑いの道を志し、この春からフリーで芸人として活動しています。
ネタ終了後、集計を待つ間にMC・三四郎とともにトーク。決勝の舞台は普段でぃさんがライブに出ている会場より規模が大きく、3階まで客席があります。たくさんのお客さんに見られることで、「ノッてきた」そうです。
~審査結果~
合計:552ポイント
②えびしゃ(ワタナベエンターテインメント)
2番目に登場したのは、えびしゃ。芸歴1年目ですが、トリオのうち2名が25歳のためえびしゃとしては今年がラストイヤーです。「優勝して肩書を付けたい」という想いで、『UNDER25』に挑みました。
えびしゃのネタは、大根さんと中村さんが考えているということ。小宮さんに「ちょっとも考えてないの?」と聞かれると、「ちょっとは考えてますよ!」とサエキさん。中村さんいわく「"考えた"という結果だけ残してあげています」ということ。
~審査結果~
合計:630ポイント
③兄弟(吉本興業)
3番目に登場したのは、兄弟。2歳差の兄弟で、実は10年ほど口をきかなかったくらい仲が悪かったふたり。兄が「弟と10年も喋っていないなんてまずい」と思い話しかけたところ、朝までお笑いの話で盛り上がったそう。ふたりで『M-1グランプリ』に出場したことをきっかけに兄の体制は就職活動を辞め、芸人になったそうです。
兄が来月で25歳になるため、兄弟もえびしゃと同様今年がラストイヤーです。吉本で可愛がってもらっている先輩を聞かれると、兄の体制さんが「木村祐一さんです」と回答。コンビニで買ったお酒を公園で飲む「マブダチ」(小宮談)のような関係性だそうです。
~審査結果~
合計:623ポイント
④村上、元気そうでよかった。(マセキ芸能社)
4番目に登場したのは、村上、元気そうでよかった。さん。もともと漫才をしていましたが、相方と音信不通に。そこからピン芸人として活動するようになったとか。自分にしかない強みは「迫力」。「圧でお客さんを巻き込みたい」と意気込みを述べていました。
村上、元気そうでよかった。さんは、三四郎と同じくマセキ芸能社所属。今年4月に所属したばかりで、三四郎とは初めて会ったそう。ネタの手ごたえを聞かれると「正直そんなに…」と村上さん。下ネタを連呼する内容だったので、客席にいた女性たちに「ごめん」と謝罪していました。YouTubeに上がっているネタをすべて観るほど、下ネタを得意とする事務所の先輩・ルシファー吉岡さんを尊敬しているそうです。
~審査結果~
合計:537ポイント
⑤デカ盛り薬膳(駒澤大学お笑い集団ナイフとフォーク)
5番目に登場したのは、デカ盛り薬膳。大学生コンビで、今は就職活動中です。河野さんはすでに内定が決まっており、ふたりでコンビ活動できるのはあと少し。「多くの人の前で自分たちのネタをやる」という二度とない機会を通じ、「見たことのない景色を相方に見せたい」と意気込みます。
現役大学生のデカ盛り薬膳。ですが、小宮さんから「あなた25歳以上でしょ?」と言われてしまった河野さん(本当は21歳)。準決勝でも「おじさんすぎる」と言われたそうです。
~審査結果~
合計:589ポイント
⑥ペンた丸(プロダクション人力舎)
6番目に登場したのは、ペンた丸さん。準決勝までは同じ人力舎に所属する芸人がいましたが、決勝に進んだのはひとり。「事務所を背負うくらいの気持ちで頑張りたい」と意気込みました。もともと映画監督を目指していましたが、お笑いのほうが「すぐに表現できる」と思い切り替えたそう。「人を傷つけない優しさ」を武器に、決勝に挑みます。
同じネタを『R-1グランプリ』でも披露したことがあり、そのときとは比べ物にならないくらい『UNDER25』は「あったかかった」とペンた丸さん。ピン芸人ながら、憧れている芸人はダイアン。コンビを組みたかったが誰からも誘われず、「気付いたらこんなところに」いたそうです。
~審査結果~
合計:613ポイント
⑦リバーマン(ワタナベエンターテインメント)
7番目に登場したのは、リバーマン。演劇サークル出身ということで、演技力が強みのコンビです。サークルで孤立してしまったことを機に、「ふたりでやれる演劇はコント」ということで活動を始めました。
ワタナベエンターテインメント所属で、同じく決勝に残っているえびしゃよりも半年先輩のふたり。豪華な審査員席を見て「すごい眺め!」と古川さん。バナナマンに憧れて「リバーマン」というコンビ名を付けたということで、"第3のバナナマン"とも呼ばれるオークラさんからのコメントが気になっていたようです。
~審査結果~
合計:532ポイント
⑧伝書鳩(駒澤大学お笑い集団ナイフとフォーク)
8番目に登場したのは、伝書鳩。高校生からの同級生で、大学2年生で結成した現役大学生トリオです。大学生でありながら『キングオブコント』準決勝に残っており、今後の活躍が期待されています。
ネタ終わりに拍手笑いが起き、三四郎からも「最後きまったね!」とのコメントが。駒澤大学お笑い集団ナイフとフォークに所属しており、なんと『UNDER25』決勝にはデカ盛り薬膳とともにサークルから2組進出しています。大学卒業後は、プロを目指すことを決めているそうです。
~審査結果~
合計:621ポイント
⑨友田オレ(GATE)
9番目に登場したのは、友田オレさん。現役大学生ながらプロ芸人として活動しており、『ABCお笑いグランプリ』決勝にも残った実力派です。
ネタは高校時代に組んでいたコピーバンドの仲間と一緒に作っているそう。「友田オレ」の発音は、「共倒れ」ではなく「どれがどれ」と同じです。
~審査結果~
合計:595ポイント
⑩ガングリオン(無所属)
最後に登場したのは、ガングリオン。唯一の大阪芸人で、大阪を背負って決勝に挑んでいます。強みは「悪口」。ネタはすべて悪口を元に書いているそうで、悪口・早口・挙動に注目してほしいとコメント。
大阪拠点にフリーで活動しているガングリオン。『UNDER25』は、予選から自分たちで交通費を捻出して通いました。小宮さんから「東京に活動拠点を移す予定は?」と聞かれると「来れるもんなら…」とクボさん。北村さんは「僕は、ついていくだけです!」と大きな声・まっすぐな瞳で宣言していました。
~審査結果~
合計:556ポイント
チャンピオンシップマッチ
全組のネタが終了し、ファーストステージの結果は下図のとおり。
えびしゃ・兄弟・伝書鳩の三組がチャンピオンシップマッチに駒を進めました。
チャンピオンシップマッチのネタ順は、くじ引きで決定します。運命のネタ順は……
ネタ順が決定し、ついにチャンピオンシップマッチのスタートです!!!
ネタ
集計中
3組のネタが終了し、MC・三四郎とトークをして投票結果を待ちます。
結果発表
観客投票の結果は……
そして、審査員の投票結果発表へ。
まるで『M-1グランプリ』のような演出に、緊張感が高まります。結果は……
優勝コメントを求められると、「優勝できるかどうかずっとハラハラしてた」と大根さん。優勝賞金25万円について、中村さんからは「全部が解決できる金額」とコメントが。サエキさんからの「賞金は3分割でお願いします」という言葉で、第1回『UNDER25』が締めくくられました。
【優勝】えびしゃ インタビュー
終演後、優勝したえびしゃにインタビューを決行!興奮冷めやらぬ三人の言葉をお伝えします。
——優勝おめでとうございます!喜びの第一声をお聞かせください。
中村: デカい!
大根: マジでそれです!
サエキ: 僕は親に感謝してます。
中村: なんじゃコイツ……。
大根: 親、見に来てたよな。
サエキ: え、嘘!いた?
大根: めっちゃ手振ってたよ。
サエキ: マジ!?後で手振ろう。
中村: ……後で手振ろう?
——「デカい」について、もう少し詳しく教えてください。
中村: 「一番面白い」とされたことがデカいです!あのメンツの中で一番になれたことが嬉しいです。
大根: 友達も多かったから、そこに勝てたのが嬉しいですね。
——『UNDER25』にはどんな想いを持って挑みましたか?
中村: 年下には負けたくないし、同い年では一番面白くいたい。勝手な想いですけど、大学生の大会で優勝しても「大学」という世界の中でしかない感覚だったんですよ。『UNDER25』に優勝すれば「この世代で1番」になれるので「これは負けられない大会が始まったぞ」と思ってました。
大根: 「負けられない戦い」感あったよね。
サエキ: 絶対獲りたかったですね。
——評価されて特に嬉しかった審査員はいますか?
中村: 僕はお笑いをはじめたきっかけがバナナマンさんなので、「オークラさんが審査員にいる」だけで嬉しかったです!大根がテンパって「本読んでない」とか言ってたんで、もっと想いを伝えたかったです(笑)。
大根: 本当は読んでるんです……(笑)。
中村: 僕らの評価とかどうでも良いんで、昔話を聞いてみたいくらいです(笑)。
大根: 僕はスカートの澤部さんですね。『オッドタクシー』の主題歌を担当されていて……
サエキ: マジ!?
中村: ……すみません、こういうヤツなんです。
大根: 『UNDER25』でも曲を作ってくださって、嬉しかったですね。
サエキ: 僕は佐久間さんですね。『ワタナベNo.1決定戦』決勝のとき、今日やった1本目のネタは見ていただいてるんです。今日は2本目も見ていただけたのが嬉しかったですね。
中村: 『ワタナベNo.1決定戦』のとき、佐久間さんに「一番若手が一番変わったことをしてて、良い賞レースだったんじゃない?」と言っていただいたんです。僕らとしては「飛び道具一発勝負」という印象を与えてしまったんじゃないかと思ってたんで、今日はちゃんと会話のあるコントで「良い」と言っていただけたのが嬉しかったです。
——MCの三四郎さんはどうでしたか?
サエキ: 超楽しかったです!!!面白過ぎる!!
中村: 小宮さんが横にいるんだから、もっと変なことをしとけばよかったと思いました。
大根: 確かに、なんでもカバーしてくれるもんな(笑)。
中村: ずっと緊張してたんで、なにを喋ったか覚えてないです(笑)。
大根: 『ワタナベNo.1決定戦』の平場はめちゃくちゃだったもんなぁ。
中村: そのときは審査員の方に「おしゃべりはもっと勉強してもらって……」と言われたんですよ(笑)。
大根: そのときに比べたら、今日は堂々とできました(笑)。
——初開催の大会で優勝ということで、来年以降も楽しみですね。
大根: 次回も絶対に開催して、僕らに箔を付けてほしいです!来年、客席で偉そうにしたい(笑)!
中村: サエキは今24歳なんで、来年も出場権があるんですよ。
サエキ: えびしゃとして優勝できたのはめちゃくちゃ嬉しいですし、僕は来年も絶対に出ます!ひとりだけ2連覇します!!