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ゲーム感想 この大空に、翼をひろげて【ネタバレ有り】
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「この大空に、翼をひろげて」は、2012年・・つまり今(2025年現在)から13年前にR18のPC用アダルトゲームとして発売されたアドベンチャーゲームで、switch版はCERO C(15才以上)として一般向けに修正された内容で2019年に発売されている。
switch版を一通りクリアしたので、ネタバレなしの感想とネタバレありの感想をそれぞれ書いてみた。この記事のネタバレありをプレイ前に読む場合は、自己責任ということでお願いしたい。
概要
舞台は日本の風ヶ浦(架空の地域)。近くに大きな湖があり、街は再開発によってショッピングセンターや風力発電の風車などが立ち並ぶキレイな場所。
主人公の水瀬 碧(ミナセ アオイ)は、怪我で自転車レースの選手生命を絶たれ、今いる学校の部活に居づらくなったことから故郷に戻ってきた。住み込みバイトをする学生寮に行く前に、懐かしみながら風車の丘を散歩していると、紙ヒコーキが目の前を通り過ぎていく。
気になって紙ヒコーキを拾い飛んできた場所に行ってみると、車椅子に乗った女性── 羽々音 小鳥(ハバネ コトリ)──がいた。車椅子がパンクしてしまい動けなくなった小鳥、自転車修理の道具を持ち合わせていた碧はパンクの修理をする。そんな時、湖の向こうから白い機体のグライダーがこちらへやってくる、2人は上空をゆっくりと旋回して戻っていくグライダーを眺めていた。
小鳥を途中まで見送り、住み込みバイトをする学生寮「トビウオ荘」に入ってみると、出迎えたのは下着姿の女性・・・。ここが女子寮であることを知り、バイト先の変更を考えたものの、今から見つけることもできず仕方なくその学生寮の寮母として働くことに。ちなみに、助けた小鳥もその学生寮の住人だった。
そして登校初日、幼馴染──姫城 あげは(ヒメギ アゲハ)と田崎 柾次(タザキ マサツグ)──とも再会、放課後に部活動の下見をしていると、校舎裏にあるガレージで超留年生で天才と言われる望月 天音(モチヅキ アマネ)と出会う。
天音1人でソアリング部として活動しているが、部員数が足りないとして廃部の危機にあることを知った碧と小鳥とあげはは、ソアリング部に入部し廃部の危機を救う。そして、小鳥の部屋に隠されていた航行日誌(フライトログ)の持ち主 美鷺 イスカ(ミサギ イスカ)の夢──雲の回廊(モーニンググローリー)を渡ること──を叶えるためにグライダー制作とフライトの活動をしていく・・と、そんな物語だ。
感想(ネタバレなし)
良かったところ
グライダーにかける青春
ソアリング部のメンバーは、何かしら心に傷を負い前向きな気持ちになれない状態だったけど、グライダーとイスカ(今は学校を去り行方不明のソアリング部にいた天音の親友)の夢がメンバーを結びつけるキッカケとなり、「自分たちが作ったグライダーでモーニンググローリーを渡る」を目標に前向きな気持ちを取り戻していく。
平坦な道のりではなく、うまくいかないことがあってもその都度皆で協力して困難に対処していく。そんな姿は少々暑苦しいかもしれないけど、見ていて心地がいい。そして、グライダーづくりだけでなく、メンバー達との恋愛やワチャワチャとした寮生活の描写はまさに青春という感じだ。
学生時代に部活動・・いや、何かに打ち込んだことのある人なら、(事情はそれぞれ違うだろうけど)碧達のグライダーに懸ける情熱に感情移入できるんじゃないかと思う。
大人になって振り返ってみると、「なんで、あんなに必死になっていたんだろう?」と思うこともあるし、良かったことも嫌なこともあった、そして納得いく結果が残せず少し苦い思い出にもなっている。それでも、ゲームをプレイしていて当時のことを思い出して少し熱い気持ちになった。
飛んだ時の高揚感
グライダーが出来上がりいよいよ飛び立つ瞬間は、手に汗握るぐらいにドキドキした。画像、映像、音楽、文章表現のそれぞれが噛み合って、高揚感が高まっていく。
アドベンチャーゲームをプレイして涙が出てくるような感動シーンはよくあるものの、この飛んだ時の感動やドキドキ感というのはなかなか味わえないんじゃないかと思う。
努力して何かを成し遂げた時や成功した時に似たような、そんな気分になった。
モーニンググローリーの演出
イスカと天音の夢、そして碧達の目標であるモーニンググローリーは、この物語のクライマックスだ。
作者がわざと焦らしていた訳ではないと思うけど、待ちに待ったモーニンググローリーに到達した時は、焦らされた甲斐があってか初めて飛んだシーン以上に大きく感動したし、素晴らしく感じた。
言ってしまえばただのデカい雲でしかないんだけど、如何に凄いことで神秘的な景色であるか、を演出でプレイヤーに伝えている。
一歩間違うと陳腐なものになってしまうけど、ここはうまくプレイヤーの気持ちを持ち上げてくれている、と感じた。
音楽の良さ
先日書いた記事「神田アリス も 推理スル。」の感想でも書いたけど、ゲーム中のBGMはプレイヤーに大きな影響を与えている。感動的なシーンをより一層盛り上げる役割をするのがBGMだ。
このゲーム、何となく80年代から90年代前半ぐらいの映画やアニメの音楽をオマージュしたような曲が流れてくるけど、気のせいだろうか・・・。最初はBGMが無駄に壮大だったりカジュアルすぎたりして、違和感を覚えたけど、慣れてくるといずれもシーンにマッチした、気持ちを和ませたり楽しませたり持ち上げたりしてくれる曲になっていると感じた。
ちなみに、オープニング/エンディングの曲(歌)は、最初何とも思わなかったけど、各ルートのクリアで何度か聴いたせいか、今では結構気に入っている(中古だけどCDを買っちゃった・・)
コストパフォーマンスの高さ
このゲームは、主人公の碧と恋愛関係になる女性が5人──羽々音 小鳥、姫城 あげは、望月 天音、風戸 亜紗(カザト アサ)、風戸 依瑠(カザト ヨル)──居る。恋愛関係になる女性によって物語が分岐していき、モーニンググローリーを目指すことに変わりはないけど、それぞれ違った結果に、つまり5人分のシナリオが用意されていることになる。
しかも、物語は2部構成で共通部分をスキップしても軽く4~5時間は掛かるぐらいのボリュームだ。
更に主人公以外はモブキャラ含めてフルボイス。これで定価は2500円は、いくら10年以上前のゲームとは言え破格の値段だと思う。元がR18のアダルトゲームという色眼鏡で見ずに、魅力的な物語としてオススメしたい(とは言え、主人公の周りは女性ばかりのハーレムちっくな状態なので、女性にはオススメしづらい)
ちなみに、コスパと関係ないけど、亜紗と依瑠の双子は2部から本格的に出てくる。
イマイチなところ
慣れるまで我慢
実は、始めた時、小さなことだけどゲームのあちこちでストレスを感じていた。
BGMが無駄に壮大だったりカジュアルだったりしてしっくり来ないとか、主人公である碧の性格がお節介焼きで且つちょっと図々しくてイラッとしたり、各キャラのボイス音量が大きめで調整が面倒だったり、ゆっくりと喋りすぎに感じたり、各シーンの場面転換の動作がもっさりしていたり・・など、あちこちが気になった。
慣れると気にならなくなるけど、この辺は人を選ぶかもしれない。気にしない人は気にしないだろうけど、気になる人はとことん気になって感情移入を阻害する要因になるかもしれない。
シナリオ格差
この物語のメインヒロインは、羽々音 小鳥。そして、小鳥のシナリオで回収されてないイスカの話は、望月 天音がヒロインとなるシナリオで回収される。
この2人のシナリオが大きくメインとなるシナリオで、残りの3人(あげは、亜紗、依瑠)のシナリオは、軽めの話になっている。
それぞれ心に傷というか悩みを抱えながらも、グライダー作りと碧との恋愛を通して前向きに生きていこうとする姿に変わっていくので、つまらないということはないけど、個人的にはしっくり来なかった、というか取ってつけた感が強かった(別の人がシナリオを作ったんだろうか?と思うほどに・・)
なので、小鳥の次に天音の順でプレイしてしまうと、残りの3人は気持ちがダレてしまうので、天音ルートは最後に取っておいた方がいいかもしれない。
追記
wikipediaを見たら、やっぱり別の人がシナリオ作っていたんだ・・wikiを見るまで知らなかったけど、やっぱり・・という気がする。
スキップが遅い
選択肢は頻繁に出るわけではなく、恋愛対象となるヒロインを決める際に時々出てくる程度だ。
そのため、選択肢を選んでから次の選択肢までスキップすることになるんだけど、物語のボリュームがある上にスキップが遅い(スキップ中は音声カットするとかにすればいいのに)ため、次の選択肢まで結構時間が掛かってしまう。
まぁ、フルボイスでキャラクター表示だけでなく、動画も再生されたり、グライダーのCG表示なんかもあったりするので、高速でスキップするのはswitchの処理能力的に厳しいのかもしれない。
ということで、久しぶりに熱い気持ちになることができたアドベンチャーゲーム、楽しかったし感動した。買ってよかった、と思える1本だった。
ちなみに、感想とは関係ないけど、switch版のサムネイルに表示されている女性は、小鳥ではなくイスカ。私はずっと小鳥だと思い込んでいたけど、天音のシナリオをクリアして初めて気づいた・・。
さて、これ以降はネタバレの感想になるので、未プレイの方はこの先は読まないことをオススメする。
感想(ネタバレあり)
ここからは、ネタバレありの感想を書いていく。ネタバレなしの方では書かなかったネガティブな感想もあるため、不快に思ったら遠慮なくブラウザのタブを閉じて頂きたい。
あげはルートについて
まず、碧の幼馴染である あげは がヒロインとなるルートでは、あげは と付き合うことになっても、あまり代わり映えのしない日常を過ごすことになる(恋愛要素も他ヒロインと比べると淡白)
おまけに「うぉおおおおお、やるぞぉぉぉー」みたいな体育会系ノリも出てきてちょっと薄っぺらいし、あげは の秘密主義で碧達に隠れてやっていたこと(ばれたら退学レベルと言っていた)を最後の方まで隠していた割には、これといって秘密にする程でもない内容で、肩透かしを食らった気分になった。結局のところ間延び感が否めず、面白くなかったというのが正直な感想だ。
唯一良かったと言えば、あげは の妹 ほたる の出番が多くなったところ。普段引っ込み思案で自分の気持を伝えることができない ほたる が、このルートでは積極的に行動するし、姉の あげは と碧を取り合うことになっても構わないという意思が明確になって、こういうのは嫌いじゃない。
亜紗ルートについて
あげは 程ではないものの、亜紗のルートもあまり魅力的には感じなかった。
天才と言われる妹やデキの良い家族、親戚の中で、凡人の亜紗は劣等感に苛まれている。これが亜紗の悩みであり心の闇で、凡人である私も、仕事などで優秀な人と一緒になると自分のデキの悪さに落ち込むこともあるから、亜紗の気持ちは分かる。
ただ、亜紗の場合、そのことからすぐにイジイジ、ウジウジとしてしまうことが多く、さすがにイラッとしてしまうことが多かった。
ちなみに、他ヒロインのルートと違い、亜紗のルートだけモーニンググローリーを渡ることに失敗してしまう。これは、受け継がれていく意思だけでなく、亜紗が自らの力で空を飛ぶこと、飛べることを示す、明るい未来を表している、と思っている。
依瑠ルートについて
依瑠は自分の能力が高いことを自認し、姉や他の人の目標となる存在にならなければならないと考え、普段から人の輪に入ることなく斜に構えたような言動をしているせいか、とっつきにくいキャラになっている。
そのため、このルートでは、彼女が何を考えているのか?が見えてくる興味深いものなんだけど、少々無理やり感があるというか、依瑠が抱えている悩みというか背負ったものが今ひとつ伝わりづらいし、碧のことが好きになるのも唐突過ぎる気がして、シナリオの歪みみたいなものを感じた。
ちなみに、理事長の孫である風戸姉妹が、理事長の権力を使用するのはこのシナリオのみ。小鳥ルートをやっていた時に、理事長の孫である風戸姉妹であれば、飛岡先生の妨害なんていくらでも阻止できたはずなのに、なんでやらなかったんだろう?と思っていたけど、理事長に助力してもらうのは、自分達の力でグライダーを飛ばすことの線引きとして敢えて使わない選択をしていたんだろう、とこのシナリオをやってみて理解した。
ここでそれを使ったのは、依瑠の今までの価値観──意味の有無や価値の有無で判断すること──ではなく、「好きだから」「皆と一緒が楽しい」という気持ちを失いたくないから、手段を選ばなかったのだろうと思っている。クールな依瑠が熱くなる展開なので面白かっただけにシナリオの歪みが残念だ。
R18の影響
依瑠ルートのところでシナリオの歪みと書いたけど、メタ的に見るとR18ゲームとしてのヒロインの属性による影響なのだろう、と邪推している。
主人公と恋愛関係になるヒロインのタイプとして、運命の出会い、幼馴染、年上のお姉さん、妹キャラ、双子という種類があり、その属性によるシチュエーションが先に想定されていたんじゃないだろうか?
シナリオ的には、小鳥と天音の2人で十分な内容になっているけど、R18ゲームとして考えた場合、女性のタイプが少なく、それ目的の人にとってはインパクトが小さい。
だから、増やした結果、今度はシナリオに歪みは出てくるし、恋愛も急な展開になるし、話もとって付けたような内容になってしまう。そんなことを感じた。
天音ルートについて
天音ルートでは小鳥ルートで言及されなかった、イスカと天音の関係やイスカが学校を去った理由、そして執拗にソアリング部を妨害する飛岡先生の思惑などが語られ、ある意味答え合わせ的な物語になっている。
小鳥ルートが、碧と小鳥の物語なのに対して、天音ルートはイスカと天音の物語。
小鳥ルートでは、イスカの言葉が天音から碧に伝えられ、天音ルートでは、イスカの言葉が図らずも碧から天音に伝えられ、そのことを思い出す。小鳥、天音のルートを通してイスカの存在の大きさを感じることができるシーンがある。
そして、イスカの手紙を読み、また心を閉ざしてしまった天音に対し、小鳥の紙ヒコーキSOSと同様に、小鳥の部屋に隠されていた航行日誌がイスカの本当の気持ちであることを説明するシーンや、モーニンググローリーを渡った後、あんちゃんが連れてきてくれたイスカと電話で話すシーンは凄く感動できて、素直にいい物語だと感じた。
ただ、少々残念なところもある。
過去、イスカの担任だった飛岡が、身体の弱いイスカを無事卒業させてやりたかったとの想いから、ソアリング部に合流してグライダー制作を実現させてしまったことや、ロボット部を大会準優勝後に辞めてしまったことで天音を逆恨みしていることを語るものの、小鳥達にツッコミを入れられて、妨害する理由があれこれ変わり、かなり話がとっ散らかってしまう。そして、これまで執拗に妨害していたのに、急にうなだれて謝罪する姿も急すぎて違和感ありまくりだった。
更にイスカが事故後に書いた手紙の内容は、イスカなりの想いがあってのことか?と思ったけど、正直・・ん?と思ってしまうような内容で、作者側で敢えてその手紙を読んだ天音が心を閉ざす流れにしている感じがして、感情移入していた気持ちが少し離れてしまった。
小鳥ルートについて
メインヒロインとなる小鳥ルートは、メインなだけあって一番感情移入ができた。特に2人の恋愛感情は、他のルートのヒロインと比べ自然でわかりやすい。
ただ、自分の中に、車椅子で足の悪い女性に対し、障害を持った女性で可哀想という憐憫の感情やバイアスが掛かっていることも感じていて複雑な気分になる。
事故である日突然自由に動けなくなった彼女が絶望的な気持ちになるのは想像に難しくない・・実際には五体満足の私にはそうなった人の気持ちなんて、これっぽっちも理解はできないだろうと思うので、あくまで想像することしかできない。
そういったバイアスがあるせいか、ゲームとは言えプレイしていて小鳥以外のヒロインを選択するのは、何かこう後ろめたい気分というか、何か心がチクリとするような気分になる。
また、グライダーに乗ることで両親を心配させしまった件は、親が子を想う気持ちと、子が親を想う気持ちのどちらも理解できるけど、小鳥の両親のように子どもの気持ちに向き合おうとする親は、今どきどれぐらいいるだろか?なんてことを考えた。寮生の時雨 佳奈子(シグレ カナコ)が子どもの頃にインコを飼っていた友達の話をして、東京に連れ戻される小鳥の境遇を暗喩するけど、正解のある話ではないので難しい。
そして、そこから落ち込む碧に対し、イスカの言葉(正しいことは人の数だけ存在する)が天音から伝えられ、紙ヒコーキのSOSが小鳥の本当の気持ちを表していたことに繋がるのは、大逆転の展開で本当に良かったし、グッと来るものがあった(自転車で車に追いつくのは、少々無茶な演出という気はしたけど・・)
ということで、ネタバレありの感想でした。
ネガティブなことを色々書いてしまったけど、それでも買ってよかった、プレイしてよかったと思っている。
感想追記(ネタバレあり)
車椅子について
小鳥は自分ひとりで生活できることを示すために、完全バリアフリーの恵風学園に入学しているけど、トビウオ荘で小鳥がお風呂ぐらい自分一人で何とかなると行動した結果、溺れそうになり碧に助けてもらうというシーンがある。各種施設がバリアフリーであったとしても車椅子の人が介助なく生活するのはかなり難しい。
ゲームの話なのでそこまで言及することは無いだろうけど、実際のところは、寝ていたベッドから車椅子に移動するだけでも一苦労だろうし、着替えだって介助なしにはできないと思う、トイレだって身障者向けトイレがあっても苦労をしているのではないかと想像している。
車椅子の少女というと「アルプスの少女ハイジ」に出てくるクララを思い出す。クララはベッドから車椅子に移動することもできなかったし、当然着替えもできなかった。当時のお風呂は温泉か湯浴みのような状態だったとは思うけど、やっぱり1人で何かするには限界があると思っている。
考えたところで、どうしようもないことだけど、やっぱり気になってしまう。
ハット先輩
この物語をより楽しくしてくれる要素に、「トビウオ荘」に住んでいる帽子を被ったアヒル──ハット先輩(コールダックのアヒル)──がいる。
イスカが連れてきたハットは、その後小鳥の同居人として暮らしているけど、要所要所で可愛く「クワッ、クワッ、クワァ~」とボイス付きで寮生達の会話に混ざってくれて、これが凄く和む。
学生寮のワチャワチャ感は、このハット先輩の存在も何気に重要だと思っている。
ちなみに、グライダーの機首にはアヒルがマーキングされているけど、これはおそらくハット先輩じゃないだろうか?
あんちゃん
碧やあげは達の幼馴染で、皆の頼れるお兄さんが「あんちゃん」こと五十嵐 達也(イガラシ タツヤ)だ。
碧のようにアレコレとお節介を焼いたりすることは無いけど、頼まれればしっかりとフォローするし、皆が困った時にはさりげなく助けてくれる。決して押し付けがましいものではなく、必要最低限の言動。まさにカッコいい大人の男性と言えるのがあんちゃんだ。
ちなみに、ソアリング部に居た時からイスカのことが好きで、どうやって付き合ったらいいか悩んでいる姿は・・男性だけど、ちょっとカワイイ。
時雨 佳奈子
碧の頼れる先輩として「あんちゃん」と双璧になるのは、寮生で碧の1年先輩になる時雨 佳奈子だ。
寮の中で下着姿でウロウロしたり、変な提案をしてトラブルメーカーな部分はあるけど、普段の飄々とした態度とは裏腹に、考えさせられるような話をして要所要所で物語を締めてくれる。
私の個人的な好みだけど、佳奈子のような女性に結構惹かれてしまう。女性というだけでなく、人として魅力的だったりする。
以上、追記分の感想でした。