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自作ノベルゲームに登場する怪人キャラについて語る①【自分用まとめ】

※この記事は拙作「なぎともーふぃんぐ!」「ときはふぁたーる」のシナリオのネタバレを含みます。


はじめに

2024年10月、いよいよノベルゲームコレクションにてティラノゲームフェス2024が開幕します。
自分は初参加だった2023年度に続き、今回も「シン海テン生」「ときはふぁたーる」「惑溺のしずく」の3作で参加します。
参加作の1つである「ときはふぁたーる」は前年度の参加作の1つである「なぎともーふぃんぐ!」の続編的位置づけの作品です。

今回の記事ではこの同じ世界観の作品において登場する怪人たちについて、主にデザイン面について記録しようと思います。
ほぼ自分用のまとめですが、フェス参加作品を遊んだ方に副読本的な感じで見ていただけると嬉しいです。
(なお、①とありますが②以降があるかどうかはまだ決めていません)

なぎともーふぃんぐ!


なぎと怪人態


本作の看板キャラクター的な位置づけである「山川凪人」が怪人化現象によって変異した姿です。
本作は「特撮に興味の無い人にも楽しんでもらえる、怪人が出てくるゲーム」をコンセプトにしていますが、怪人のデザインライン自体は特撮に出てくるような感じを意識しています。(何故なら作者が特撮怪人大好きだから)

普段自分は怪人をデザインするときに「メインの生物+サブの生物+ヒト型にするためのモチーフ(衣装・職業など)」の3つのモチーフを入れ込みます。
モチーフ4つだと多すぎて散らかり、2つ以下だと自分の発想力では既存のキャラクターに似てしまうことが多く、3つのモチーフを使うのが一番バランスよくデザインできます。
本作の前に制作した作品「怪人スパイがヒーローお嬢さんをそだててみた」に登場する5人の怪人は全員このルールに基づいてデザインしています。

「なぎともーふぃんぐ!」でこの形式を採用しなかったのは、「怪人スパイがヒーローお嬢さんをそだててみた」に登場する「怪人」と「なぎともーふぃんぐ!」に登場する「怪人」は同じ呼称を用いているが全く別の存在であることを強調したかったからです。

怪人態と人間態があるキャラクターを描くとき、自分は多くの場合「先に怪人態を描いてそれを擬人化することで人間態を作る」という手順で作ることが多いのですが、なぎとは人間態と怪人態をほぼ同時進行か、人間態の方が先ぐらいのペースでデザインしました。

なぎと怪人態は、「先に完成した人間態のデザインを怪人に見えるように歪める」という発想でデザインしています。
太腿~足にかけてのデザインが半ズボンを履いているように塗り分けられていたり、首元にリボンを巻いているような装飾があったりするのは人間態の衣装から先にデザインして、それをもとに怪人態を作ったためです。

ただこのデザイン方法は「普通の人間」のキャラをデザインするのが不得手な自分にとっては負担が大きく、結果的に怪人のデザインに対する制約が多くなってしまうと感じたため、続編にあたる「ときはふぁたーる」では採用していません。

なぎと怪人態にモチーフと言えるモチーフは無く、強いて言うなら「山川凪人」という人間そのものがモチーフです。
ただ、デザイン時は意識していませんでしたが角生えてるのと目の形は「ウルトラマンタイガ」あたりの影響があるかなあと思っています。
タイガはカテゴリとしてはヒーローであり怪人ではありませんが、「少年の人外キャラ」としてデザインの秀逸さが強く印象に残っているキャラなので、無意識のうちにデザインに影響を与えられたと思われます。

「なぎと」という名前に特に元ネタはありませんが、「山川」という苗字は「ウルトラマンタロウ」のうろこ怪獣メモールに変身した少女の苗字が「山川」だったことからとっています。
運命に翻弄されて人間ではないものになる子供、という感じからの頂きです。

真太郎怪人態


プレイヤーキャラである凪人の兄(真太郎)の怪人態で、特定のエンドでのみ登場します。
真太郎の人間態はゲーム中に登場しないため、プレイヤーが確認できる真太郎の姿は怪人態のみです。

基本的になぎと怪人態を成長させた感じですが、目の色およびメインカラーを赤色にしています。
これはこの世界観において「理性を保っている比較的善良な怪人=青目」「人間に悪意を持っている怪人=赤目」という法則があるためです。(善=青、悪=赤の元ネタはキカイダーですね)
真太郎は人間だったころから凪人以外の人間や社会に対して憎しみを持っていたため、赤目の怪人になりました。

そのほかなぎととの差異として、剥き出しの歯は歯を食いしばって理不尽に耐えてきた心情を表しています。
また、首元の装飾がリボンからネクタイに近い形状になっていますが、これは「社会人」というか「大人にならなきゃいけなかった人」のアイコンなイメージです。

ときはふぁたーる

ときは怪人態


なぎと怪人態で人間→怪人の順でデザインすることに懲りた自分は、続編である本作のヒロインはこれまで通り怪人→人間の順でデザインすることにしました。

ただ、ここで先に紹介した「実在の生物を軸に3つのモチーフで怪人作り」に戻してしまうと「なぎともーふぃんぐ!」から続けてプレイしたときにデザインラインの違いがどうしてもノイズになってしまう。
そのため、今作のヒロインの怪人態にも実在の生物モチーフは使わないことにしました。

デザインの軸として取り入れるキーワードは「天使」。でも普通に翼の生えた天使を描いてもつまらない。
「シルエットは天使のようだが色付きで見ると全然違う」「翼に見えるものは触手の集合体」「辛うじて天使の輪のように見える角」などのコンセプトを出し、最初に描いたスケッチがこちら。

清書してない物をスキャンしたので見づらくて申し訳ない

「ときはふぁたーる」を遊んでくださった方ならわかっていただけると思いますが、このデザインは没になっています。
本作のヒロインである暁羽は「慈愛に満ちていて、どこか魔性があって、可哀そうな子」というコンセプトだったため、哀れさを煽るにはこのデザインでは悪そうというか、尖がり過ぎているという判断です。

先に挙げたコンセプトを保ちつつ、「丸めのラインを入れて、怖すぎないように」「異形だが『可哀そう可愛いヒロイン』として成立するギリギリのライン」を心掛けて描き直したものがこちら。

こっちは清書しました

こちらがほぼ採用デザインですね。大分シナリオでのイメージ通りになったと思います。
ただ本作はノベルゲームコレクションだけではなくフリーゲーム夢現でも公開しているのですが、そちらで「怪人になっても美しい姿をしている」的なコメントをいただき、「もっと化け物でも良かったか……」と思いました。
こちらとしては「ヒロインとして成立する外見ではあるが、あくまで異形の怪人」というのが前提で、「美しい」という感想はあまり想定してなかったので。

おわりに

「なぎともーふぃんぐ!」「ときはふぁたーる」の世界観に登場する、現状で外見が判明している怪人は以上の3体です。
現状で、と書いたのは、何時公開になるかは未定ですがこちらの世界観の「完結編」にあたる3作目の構想があるためです。
そちらで新登場する怪人についても既に色々決まっています。
(と言いつつポシャったらすいません)

今後3作目に登場する怪人のデザインについて解説するときが来るのか、はたまた別世界観の怪人ゲーである「怪人スパイがヒーローお嬢さんをそだてててみた」系列の怪人のデザインについて解説するかなどはまだ未定ですが、その時が来たら今回の記事で紹介した怪人たちと見比べていただくとまた面白いかもしれません。


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