2018.04.18 つぶあん

昨晩、無性にあんこを炊きたくなったのであんこを炊いた。

だから今日は家に帰ればあんこがある。そう思うだけで頑張れる。

あんこ炊くのもジャム煮るのも似たようなものと思われるかもしれないが、というか両者を比べようとしたことが無い人がほとんどかもしれないが、とにかくあんこ炊きとジャム煮は感覚的には全く違う。

そもそも目的が違う。

ジャムは保存食を作りたいという本能だ。が、あんこは、ただあんこが食べたいから炊く。それはそれで本能なのかもしれないけど。

もちろんあんこも瓶詰めや冷凍で保存できるが、どういうわけか、どうしても、炊きたてが断然美味い。だからこそ冒頭に申し上げたように、あんこを炊くと早く帰ってあんこを食べたくなる。

また、材料を鍋に入れて煮るのは同じでも、工程は全く異なる。ジャムは、このブログでも再三申し上げてきたように材料の下拵えが労力の大部分を占める。火にかけるのはせいぜい30分、中火でグツグツ煮る。

一方のあんこは下拵えがほとんど不要で、小豆を洗ったらすぐに鍋に入れられる。ただ、そこから時間がかかる。渋切りするのに10〜15分、下煮1時間、砂糖を入れて煮詰めるのに30分とか、なんだかんだ2時間くらいかかる。

基本的に弱火でコトコト。ずっと鍋の前に立っている必要もないのだが、結局気になって台所に立ちっぱなしになることが多い。そんなとき鍋の中で小躍りする小豆をただ眺めていると、やたらと思索がはかどる。目の前の鍋の中の水面が妄想と現実を繋ぐ門となる。要するに現実逃避であり、それはそれであんこを炊く魅力のひとつである。

ちなみに豆が古かったり皮が厚いと下煮が永遠に終わらないまま午前3時になったりする。なので、これからあんこを始めようと考えている人は新豆を、それもちょっといい豆を買っていただきたい。豆の香りも全然違う。

ちょっといい豆は、ちょっといいスーパーに売ってたり、もちろんネットでも買える。たいていは北海道産の小豆で、ちょっといいと言ってもせいぜい1kgあたり1000円なので、敷居は低い。250g入りの袋とかでよく売られているが、家庭の鍋で作りやすい量なのでこれを買っておけば間違いない。


さて、あんこをどうやって食べようか。

どら焼きか、大福か、あんぱんか…この際スプーンですくって舐めようか。それでも誰にも文句を言われないのが自作あんこのいいところ。

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