
2019.08.01 すももジャム(貴陽)
同じすももジャムでも、ソルダムと大石早生ってそんなに違うのかな、と思って比べたらあまりに違ったので、ならば他のすももはどうなのか、と俄然気になってきた。
というわけで貴陽。
貴陽は大玉で味が良く、高級品種とされている。千疋屋さんに行けばブランドものが目玉の飛び出るようなお値段で買えるかもしれないが、案外他のすももと変わらない価格でその辺でも売っており、今回も近所のスーパーで1パック398円で買った。
せっかくなので生食してみると…なにこれ美味い!
皮が赤く果肉が黄色いのは大石早生と同様だが、とにかく甘い。ブドウを思わせる芳香があり、大石早生ともソルダムとも全く異なるキャラクターを推してくる。
ジャムとしてはどうだろう?
同じジャムにするなら食べて美味しい材料の方が当然美味しいジャムになるが、美味しい材料なら何でもジャムにすべきかと言ったらそんなことはない。美味しいけどジャムに向かないものは少なくない。向かないというか、生で食べた方が美味いのでジャムにするモチベーションが低い。
貴陽は皮付近の酸味が強いので皮を剥いて食べることを推奨されていることが多く、ならば皮ごと煮ればまぁいけるかな。ただ、じつはブドウってあまり上手くジャムにできたことがないので、ブドウの香りもなんとなく不安を誘う。
レシピはソルダムや大石早生と同じ。適当に刻んで砂糖半量をまぶして30分くらい置き、水分が出てきたら火をつける。
沸騰したら中火に。灰汁が出るので取る。
10分ほど煮たら残りの砂糖とレモン汁を加える。
さらに5〜10分(かき混ぜながら、とろみなどの具合を見て適当に)煮て出来上がり。
きれいな色に仕上がった。ソルダムのような濃い赤ではないものの、鮮やかでキリッとした美しい赤だ。
たびたび申し上げていることですが、ジャムを評価するときはまず「色がきれい!」と褒めることです。人から手作りジャムをもらった時などに是非お使いください。もちろん、明らかに茶色っぽいやつとか(赤緑まざったルバーブを煮たやつとか)、ほとんど黒いやつとか(ブルーベリーとか)もあるので、きれいじゃないと思うものを無理してきれいと言う必要はないです。
ちなみに僕はここでこう書いてしまってるので僕のジャムに対しては言いにくいかもしれませんが、全然気にしないのでどんどん言ってもらって構いません!よろこびます!
色がきれいに仕上がって、それを瓶詰めして並べたときの充足感のためにジャムを煮てるところがあるので、今回もまあまあ満足。
いや、ジャムなので食べないわけにいかないし、当然美味しいジャムができた方が美味しいしうれしいので、味見。
あれー…
いや、美味しい。それは認める。が、さっき生食したときの感動はどこへ?見事に当初の不安が当たってしまった。
風味が弱い。「ブドウの香り」は完全に飛んでしまっている。ああ、そういえばアヲハタのまるごと果実シリーズは砂糖の代わりにブドウ果汁使ってたりするもんな、ブドウは飛びやすいのかもな…
大石早生のザ・すももといった香りや、ソルダムの桃のような豊かな甘い香りを知る身からすると、あまりにあっさりしている。まぁこれはこれでクセがなく食べやすいし使いやすいとも言えるか。そもそも、すももジャムを品種別に食べ比べる人間は多くないので、別に気にしなくてもいい気がする。色はきれいだしね!
「貴陽ジャム」って字面はすごい気に入ってるのでまた作りたいという想いはあるけど、生が美味しかっただけに次は生でたくさん食べたいかな…。