2017.10.13 パイナップルジャム
急に秋めいてしまって、世間ではパイナップルとかいう空気ではなくなってしまったと見える。
近所のスーパーでカットパインのパックが見切りで半額になってたので、たくさん買ってきた。
ジャム界隈をウロウロしていると、結構な頻度でパイナップルジャムと遭遇する。へぇー美味しいのかな、どうなのかな、まぁ美味しいんだろうななどと思いつつ、いつも素通りしてきた。
パイナップルは嫌いではない。美味しいと思うけど、イガイガするからたくさん食べられない。なので敢えて買うことはほとんどない。
パイナップルジャムを煮ようというモチベーションも低い。なんか、南国系フルーツは全体にあんまり煮たい欲が出ない。たぶん、常夏で保存食が必要ない地方のフルーツ煮てどうすんねん、という本能のはたらきだろう。大抵のことは本能で説明できる。
一方で、秋の深まりとともに
「なんでもいいからなんか煮たい欲」
も、それはそれで本能的に強くなっている。
というわけで、安いし、既にカットしてあってラクチンだし、とにかくなんか煮たいという妥協点としての、カットパイン。
ことあるごとに手作りジャムの手間を宣伝しているこのブログだが、別に手間をかけることを強要したいわけではない。ただ単に、かかってしまった手間をこれ見よがしに振り返っているだけであって、「手間暇は正義」とは全く考えていない。ラクに美味しく作れるのであれば、それは大いに推奨されるべきだ。それで沢山の人にジャムを煮てほしいというのが、何様かよくわからないが、僕の想いだ。スーパーでカットフルーツ買ってきて煮るとか最高じゃないですか。
ひとつ、見切り品の場合、傷みには注意しなければならない。
「傷んでるフルーツでもジャムにすれば美味しいよね」
というのは、ジャム界隈でよく耳にする誤解のひとつだ。僕の考えでは、それは半分正しい。が、半分しか正しくない。
「傷んでるフルーツでもジャムにすれば食べられる」
傷んでも捨てずにジャムにするというのは素晴らしいことだし、美味しいには違いない。
しかしジャム側から見てベストではないことは強調しておきたい。
「美味しいフルーツで作ったほうが美味しいジャムになるに決まってる」
身もふたもないようだが、これが真実である。
今回買ってきたカットパインは、見切り品とはいえ全く傷みのないもので、かくして美しい黄色のジャムが出来上がった。
パイナップルは煮ても溶けないので、あらかじめフードプロセッサーにかけるが、そのときの爽やかな香りに気分がアガる。この、パイナップルをフードプロセッサーにかける、だけでもやる価値ある。
ペクチンは少ないので、とろみを出すのに少し煮詰める。ただ、ほんとにパイナップルの爽やかなイメージそのままの黄色に仕上げようと思ったら、ペクチンを添加して、煮る時間は最小限にする方が良さそう。
パイナップルは香りも酸味も甘味も強いが、それはジャムにしても損なわれない。なのでパイナップルジャムの味は、まさにパイナップルのそれである。
それでいて、生食に比べてまろやかというか、舌がシュワシュワする感じや喉がイガイガする感じはない。加熱によって酵素が壊れるから、かな?
あのイガイガが苦手だけどパイナップルの味は好き、という人にはオススメだけど、そんな人いるのか…
…オレか!!
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