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2018.03.18 いちごジャム

いちごジャムがジャムの王道たる理由は自分で作ってみるとよくわかる。

材料が手に入りやすく、工程が簡単で、色がきれいで、絶対に美味い。

材料費が高いブルーベリー。
工程が面倒なマーマレード。
きれいな色に仕上げるのは案外難しいりんご。
そこにあっていちごはバランスが取れており且つ総合力で突出している。

さらに、自分で作ると特に美味い。
いちごジャムって美味しいとは思ってたけどここまでだっけ?
と驚くこと請け合いだ。

自作なら夢のごろごろいちごジャムも思いのままだ。いちごの果肉を潰さずにそのまま煮れば良いだけなのだが、その贅沢感と言ったら。しかもそれをどれだけ使っても誰にも怒られない。こんな道楽は他に無い。

そういうわけで、ジャム初心者にはなんだかんだいちごジャムをお勧めしたい。はじめるならいちごが出回っている今です、今。

ジャムにしてもいいかなーと思えるいちごになかなか出会えないこともあるが、たまに小粒のいちごが1パック298円とかで売ってたりする。これはもうスーパーの青果売場を観察し続けるしかない。見つけたらとりあえず買い込んでヘタを切って冷凍しといてもいいかも知れない。

いちごを煮るのは比較的簡単な部類だが、いくつか注意点というか、コツのようなものはある。

まず、いちごから水分を出すために砂糖につけておくが、特にごろごろいちごだと結構時間がかかる。最低でも3時間はかかる。それから煮はじめることになるので日曜の夜とかに始めると大変。
休みの前夜に仕込んで寝るとかのほうが安全である。

水分は火にかければ出てくるので結果的には同じにも思えるが、それでも事前に水分を出しておきたいのはその方が灰汁が取りやすいからだ。火にかけて沸騰しはじめると灰汁が結構出てくる。ここで水分が十分に出ていた方がスムーズに灰汁を除ける。ちなみに灰汁が味にどれだけ影響するかよくわからないが、きちんと取った方が仕上がりが美しい。

あと、いちご自体にはそれほどペクチンが含まれていないようで、たぶん一般的なイメージよりもゆるい仕上がりになる。長時間煮詰めればそれなりにトロミはつくだろうが、赤い色が少しくすんでしまうのは免れない。

ここまで言っといてなんだが、今回僕は何を思ったか「市販の量産いちごジャム」みたいな雰囲気を目指してみた。

ごろごろいちごジャムも美味いが、正直使いにくい(パンに塗るといちごが転がる)し、なんかすぐ無くなってしまう。あまりゆるいのもパンから垂れたりして気に食わない。

そこでいちごは粒を残さずに潰し、さらに市販ぽい固さを求めて粉末ペクチンを添加した。

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これはいい出来。
なかなかいい感じのアヲハタ感が出たと思う。
もちろん安い市販ジャムに比べると断然果実感が濃く、美味い。

いや、ペクチンいいな。
単に固く出来るというだけではなく、煮詰めなくてもしっかりと固さが出るので、美しい色味を残したり、狙った風味に仕上げたりがしやすい。

もちろんプロであれば都度違う果物の状態に対して品質を一定に保つことができる。原材料の表示に「ペクチン」を見つけたときに、「なんだ果物と砂糖だけじゃないのか偽物め」と思ってしまうのではなく、むしろ品質に対するこだわりの現れと捉えてみてはどうだろうか。

今回は前から家にあった適当な製菓用粉末ペクチンを使ったが、今後はペクチンにこだわる方向性もあり得るな。いつかペクチンを自作し出すかもしれない。

そういう道楽もある。

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