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2018年7月の短歌、15首。

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階段を降りる衣服が風を受けこれを私の翼と呼ぼう

夢じゃないよってあなたを抱きしめてそのままいつか眠りに落ちる

あの夏があまりに遠く七月を四季で呼べないままでいるのだ

未明、ただひたに眠れぬ網膜を砂嵐にて覆い隠した

PCを強制終了するようにさよなら今日の全部が終われ、──

404 NOT FOUND/利き手でない手を伸ばしても掴めやしない

もう二度と触れないままシーリングライトの白が睫毛を縁取る

絡まった糸と糸とがほどけずに2時間ばかりこのままで良い?

鍵盤が遠く聞こえる降り止まぬ小雨の中に立ち尽くしている

ここでないどこかで蝉が鳴いていて目を瞑っても明るい夜だ

どこにもない夏を探した手のひらを入道雲に翳して笑んで

あの角を曲がればきっと君がいるコンクリートが揺らぐ熱線

まだ7時なのにこんなに蝉が鳴く眠りでさえも勿体ないと

一笑に付すだけならば簡単で塗り替えたくてペンキを持った

踊り場へ駆け下りていく右手の風車が回り出すのが合図

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