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短歌

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毎月の短歌のまとめ
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自選50首

自選50首

57577。
2013-2020年の短歌より。

何度でも言うよあなたが呆れても下手な鉄砲数撃ちゃ(当たれ、)

学生よ誇らかにあれ制服は初期装備かつ最強装備

絨毯も家具の一つもない新居 フローリングでミルクパズルを

持ち物は携帯ひとつ 行き先は無人島ではないから平気

降り注ぐ星の欠片を一身に浴びてこのまま溶けてもいいな

手を引いて煌めく夜の波を縫う 小柄な君とはぐれぬように

群青と星で

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0705 短歌

0705 短歌

2020年4月 - 6月の短歌、27首。

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春風にもう黙してはいられない花びらを手に握り込んでいる
アンダンテでゆく金曜日 電車だってひとつ見送るくらいの気持ち
気まぐれに購っただけの一輪の水を毎日換える横顔
軽くなったペットボトルを飲み干して思いあまってぐしゃりと潰す
あのひとに会いに行かなきゃいけなくて毒を呑んでる暇とかないの

今しがた気づいたよ

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0402 短歌



2020年2月 - 3月の短歌、20首。

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春、なにか大事なことを忘れているような気がして口を噤んだ

1時間あれば来れると知っていて1度も見なかった夜の海

たぶん明日世界が終わってしまうから君だけといるため海に来た

白く染まる息の向こうで唇に添える人差し指の細さよ

潮風がひときわ強く吹きなびくあなたの髪に透ける朝焼け

夢をみるクジラの背び

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0213 短歌



2019年12月-2020年1月の短歌、14首。

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眠らないまま朝焼けの色をしたクラゲとなって揺蕩えたなら

何者かになりたいような顔をして本当は何にもなりたくなくて

押しボタン式の信号、指先を惑わせたまま動けないまま

▶にふれてまどろむ可逆性ばかりの夜のスマホの火花

唇の端から零れ落ちていく水溶性の言葉を見遣る

藍色の夜の帳に包まれてホットミルクを

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1216 短歌

8、9、10、11月の短歌、23首。

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寝つけないって言うなら蝉の鳴く声を聴いてイントロクイズでもする?

相討ちをしよう掲げた拳銃に残した弾はお互いひとつ

アネモネの花言葉って知っている?尋ねる君の顔が見えない

等身大ばかりを路上で歌ってたあのミュージシャンのさ、アカウント知ってる?

もし僕が、なんてIFばかり考える君の手を取れる訳もないのに

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0731

6月7月の短歌、16首。

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明けない夜なんてないって歌ってたアーティストの名前なんだっけ?

スマホから弾ける音を浴び雨天、傘を差さないのと同じこと

ひとりとは怖いものだと思ってた深夜の自販機はただただ明るい

ヒツジなら数え飽きたよ今日はクジラを大家族にする夢を見る

吸えもしない煙草を買いにコンビニへ行こうか迷う行かない三時

脳内に浮

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0604



5月の短歌、16首。

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リロードをしているあなたの事だけは覚えていると指切ったので

あかねさす紫野行き標野行き向こうのホームにそっと手を振る

手遅れだなんてフレーズ使いたいだけでしょ?踊り場から飛びなよ

閃光が走る夕暮れ輪郭をヘッドライトに晒して踊る

とうに言えないことをただ飲み下し謝ることもできないままだ

変わ

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0503



4月の短歌、14首。

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まだ春を待っているのだまだ君に会えてないから始まってない

来世にはクラゲになりたい人たちで図録囲んで種を決めようか

吹きすさぶ風に視界を塞がれて春のあわいに君を見紛う

授業にも出ずにあなたと陸橋を渡る想像ばかりしていた

桜吹雪/轟音と降る大輪の花火/後ろ手に持つグレネード

忘れてと言うなら忘

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0405

2019年3月の短歌、18首。

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給水塔/あなたの髪が重力に遅れてなびく様を見ていた

強風に乱れる髪を直せずにあなたのいない春が来てしまう 

音もなく一斤染めに覆われるスクリーン越しの嵐に涙

快哉を叫べ見あげて立ち眩むように一面降る紙吹雪

何を以って成功と呼ぶ?さんざめくワルツとワルツの合間に答えて

月を両手のひらに綴じる今宵だ

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0306



2月の短歌、11首。

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再上映ばかりしているただいつか何かが変わるような気がして

君をうたうことに夜更けに降る雨のようなたしかな安寧を得る

深呼吸して肺胞に取り込んだ酸素が君にやさしく在って

明日はさ晴れてほしいねって言うときのかすかに緩む室温が好き

深夜2時、伸ばした指の先につと音を乗せたら衛星になる

深夜未明、アコギの音で上

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0201

11月、12月、1月の短歌、42首。

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春が来るまで君のこと忘れるよ悔しかったら夢に出てきて

音もなくかかる叢雲、それさえも込みで愛しいなんて言えれば

指先に星を灯して、灯台になって佇むから見つけてよ

緑青をしとやかに濃くする慈雨があなたの肩へ降りますように

立ち眩むほどに鮮明、輪郭を曝してひとり踊ってあげる

この熱も伝わらなければ要らないな両手のひ

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1031



10月の短歌、22首。

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ねえ君が見えてるとでも思ってる?気泡ばかりを伴い遊泳

「来世にはクラゲになりたいって言ったじゃん、(ほんとは何にもなりたくなくて)」

「何か言うことあるだろう?」「ないよ、ただ君が聞きたい言(こと)があるだけ」

展翅した蝶々を移す空棺/もう朝焼けに怯えずおやすみ

答えなら決まっていても遮断桿が煩くて言うきっかけがない

3

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1002

9月の短歌、31首。

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8月も終わりましたがまだ夏です宿題を出すまでが夏です

月面に不時着したよ、数時間前なんだけど君に届いた?

存外に浅瀬の夢は覚めなくてただ踝にあそぶ潮騒

花束を湖面にばらすもう全部さざ波の先へ離れていって

(ああ駄目だ嫌なことばかり思い出す、飛沫で全部消してよクジラ)

薄張りのグラスを洗う君の持つそれも割れずにありますように

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0906

8月の短歌、14首。

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そうこれがきっと最後のさよならだ止まらない快速が過ぎてく

向日葵を手折って全部嘘だって吐き出すように空へ掲げた

今ここが“終わり”だ胸に手を当てて一言だけを許してやろう

見送られる時より見送る時の方がさびしい切符が無いからなのか

横たわり君を銀河と呼べたなら僕らはこうじゃなかったのにと

晴れ渡る空に霹靂、階段を踏み

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