騎士とは何か?
皆さま、お疲れ様です。
珍しく連投しようとしているUn chevalierです。
今回は、そもそも騎士って何なの?というお話をさせて頂きます。
以前も騎士について取り上げましたが、今回は趣旨が異なります。
今回の趣旨というのはそもそも論です。
つまり……
「騎士について」の「騎士」ってなに?
ってことになります。
ご自身の著書で騎士を登場させたい方々も、騎士に興味がある方々も、是非とも最後までお読みください!
①騎士のイメージ
本題に入る前に、皆さまに問いかけたいです。
騎士と聞くと、どんな騎士をイメージされますか?
色々あると思います。
・誰かを護る存在
・女性に献身する存在
・自分に厳しい存在
・偉そうな存在
等、キリがないですね。
勿論、これらのイメージは間違いではないと思います。
しかし、今回取り上げるのはそもそも論です。
ですので、そもそもの存在意義を知って頂くことで、柔軟なイメージを抱いて頂けると思います。
その思いで、今回はお届けします。
イメージの結論について、先に申し上げます。
騎士とは利己的な存在
でありました。
利他的に献身する騎士道恋愛でさえ、実態を見ると
ゴリゴリの利己的な目的
が見えてくるぐらいです。
なので、「利他的に献身する騎士」は、今も昔も、
あくまで「騎士の理想像」だった
ということをお忘れなく!!
このイメージは、現代も騎士道物語から与えられたイメージに過ぎません。
②騎士の定義について。
騎士とは利己的な存在だとイメージしてくださいとお伝えしました。
では、次に小難しい「騎士の定義」について考えてみたいと思います。
これをもって、更に柔軟なイメージを抱いて頂けると思います。
まずは一般的な定義からお伝えします。
・騎士とは「貴族であり土地を持つ騎兵」
・騎士とは「封建的主従関係を結んだ下級者」
等々、あげだしたらキリがありません。
様々な定義について言えることは
全て正しいし、全て言い過ぎ
ということになります。
12世紀以降に「騎士階級」として特権階級として認められた騎士が出現しました。
つまり、それまでは
騎士は全員「貴族」ではなかった
ということになりますよね。
ですので、貴族と一括りにすると漏れなく例外的な騎士で溢れてしまうということになります。
一つ一つに反論し続けるとキリがないので、この辺りで個人的な定義を投げかけます。
ズバリ、騎士とは
「騎士号」を叙勲された戦士
であると言えます。
これ、ほとんど例外が少ないと思います。
個人的にですが……。
「騎士号」というのは、
古代ローマ帝国に特権階級として認められていたとされる「騎士」(エクイテス:equites。あるいはミーレス:miles)の称号を指します。
この称号を叙勲されることを「騎士号の叙勲」と言ったりします。
そして、この騎士号を叙勲される儀式を
「騎士叙任式」
と呼びます。
ですので、多くの騎士は「騎士号」を得ている戦士です。
従いまして、この定義が妥当だと考えられます。
ちなみにですが、騎士の役割は指揮官です。
本来の「騎士号」とは
指揮官になるための称号です。
ここも、どうかお忘れなきよう。
色々な定義がありましたが、本質的な定義としては
「騎士号」を叙勲された戦士
だと考えるべきではないか?と思います。
これが騎士の定義でありました。
③騎士の社会的な立場
騎士社会は凄まじい格差社会です。
上級騎士と呼ばれる騎士もいれば下級騎士と呼ばれる騎士もいました。
ですので、一言に「騎士」とは呼べないことも抑えておいて頂きたいのですが……。
ここから、少し鬱陶しい内容になりますが、どうぞ読み進めてください。
「騎士階級」とは、言うなれば
土地を持たない騎士を特権階級入り
させた身分です。
つまり、それまでは土地を持つ騎士も居たわけですが……。
多くの場合、彼らは
諸侯(大領主)や城主(小領主)
と呼ばれます。
つまり、既得権益者でさえ
主人を持つ騎士(下級者)
だと言えます。
特に中央集権化が進みつつあった社会では、
大領主は王の騎士
であったと考えられますので、騎士は一枚岩ではありませんでした。
しかし、こんなものは常識だ!と仰られそうなので、もう少し+αの情報をお伝えします。
そして、それが「騎士の社会的立場」でありますので、しっかりとお届けします。
ズバリ……
騎士は主君を超えられない
ということです。
これが当時の貴族社会の
経済格差の正体
でありました。
これはYouTubeでお届けしておりますので、詳しくはそちらをご視聴ください。
ただ、全てYouTubeに丸投げするのは申し訳ないので、必要な情報は書きます。
当時の貴族は「高貴さ」を主張しておりました。
この「高貴さ」を持つか否かで身分を分けて考えていたと考えられます。
では、封建領主達の「高貴さ」とは何だったかと申しますと
「家の歴史の長さ」と「領土と富」
でした。
しかし、貧しい騎士はそれらを持ちません。
だから貧しいんです。
そんな彼らが持ち得た「高貴さ」とは、
騎士道精神と「人間的価値」
という無形の資産でした。
つまり、
・騎士とは「下級者」であり、「上級者」を超える威信(「高貴さ」)を持ち得なかった。
・だから、特に貧しい騎士とは「従属的な立場」であり続け、決して個人の誉れ高さを認められたわけではない。
ということです。
ここで思い出して頂きたいのは、騎士のイメージです。
騎士とは利己的な存在だったとお伝えしました。
12世紀以降、この「上級者」と「下級者」、とりわけ貧しい騎士達の間で
騎士の理想像が異なり始める
ことになります。
これがイメージされた騎士道です。
が……騎士道はかなり深いので、違うテーマでお伝えします。
おわり
長々とお読みくださり、誠にありがとうございました!
今回の内容をまとめますと
・騎士とは誰かを護る利他的な存在ではなく、利己的な存在だった。
・利他的なイメージは今も昔も、あくまで理想像。
・何故なら、騎士とは指揮官になるために騎士号を叙勲された戦士に過ぎないから。
ということになります。
そして
・騎士とは主君を超えられない立場だった。
・そのため、騎士階級の騎士は各々が違う目的と「理想像」を持ち始めた。
それが騎士道精神となった。
ということになります。
騎士道精神は本当にややこしいです。
なので、次回に繋げるため、今のうちに書いておきますね。
騎士道とは
社会が求めた騎士道
と
騎士が求めた騎士道
の2つに別けられるということになります。
そして、利己的な目的をもって
貴婦人へ仕えた騎士道、
これが騎士道恋愛です。
是非ぜひ、騎士の設定に役立ててください!
次回は騎士道と騎士道恋愛についてお伝え出来ればと思います。
何かご質問やご要望、ご意見などがあればお申し付けください!
お待ちしております!!
長々とお読みくださり、誠にありがとうございました。
また、次の記事でお会いしましょう!
それでは失礼します!
À bientôt !😊
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