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騎士の実態について①
皆さま、お疲れ様です。
中々時間が作れず更新が滞っておりましたが、漸く更新出来そうですので、今回は騎士の実態について取り上げようと思います。
これは私自身の研究テーマでありますので、まだまだ研究中です。従いまして、今回は①とナンバリング致しました。
今回特に重きを置きたいのは「サブカルで見られる騎士と、実在した騎士との違い」についてです。ですので、「これから騎士関係の作品を創りたい!」とお考えの方々へお力添え出来れば幸いです。では、見て行きましょう。
●サブカルでは見受けられない騎士の特徴
先ず最初に取り上げたいのは、馬と槍の有無です。もう一度言います。
馬と槍の有無
です。これは本当に重要で、特に馬が無いと話になりません。馬がなくては、ただの
重装歩兵
です。騎士とは「重装騎兵の一種」です。従いまして、馬は最重要です。
馬が高過ぎて買えなければ騎士になんて成れませんので、世襲化が進んだ背景の一つでもあります。そして、信頼関係も大事です。従いまして、
何処へ行くのにも、馬と一緒に行動していた
訳です。聖騎士や騎士団に出てくるキャラクターとしての騎士は、しっかり馬に乗っていますか?それであれば、騎士と言えるでしょう。乗っていなければ、ただの「重装歩兵」です。
次に、槍の有無について取り上げます。
中世ヨーロッパの騎士、取り分け「戦場の花形」と呼ばれるようになる騎士は、
ランスチャージ
と呼ばれる戦法を使っておりました。槍を構えて突撃し、相手の騎士の盾を打ち破り、落馬させる。これが騎士の戦法です。もう一度言います。
槍を構えて突撃する
んです。その槍が無ければただの「騎兵」ですし、特別難しい訓練を受ける必要はありません。
ただ、勘違いしてはいけないのは、騎士にとっても剣は重要です。それこそ、『ロランの歌』に於いて、ロランの剣が「デュランダル」と呼ばれていたように、『アーサー王物語』に於いて、アーサーが「聖剣エクスカリバー」を手に入れたように、剣は重要です。
これは、落馬させた後に剣で戦うからですね。勿論、馬上で剣やモーニングスターと呼ばれるような武器等で戦う場面も御座いますが、全てがそのような戦闘スタイルなのであれば
ランスチャージなんて要らない
訳で御座いますので、安物でも良いので、槍は装備させて下さい。多くの騎士道ロマンスでも、槍のぶつかり合いは当たり前のように描写されている事にも注意して下さい。
サブカルで、槍を装備している騎士はどれぐらい居るでしょうか?
馬と槍を登場させている作品は完璧と言えるでしょう。しかし、まだまだありますよ。
●騎士の仕事
此処があまり皆さま関心がないようで、結構割愛されています。
ですので、敢えて取り上げます(ファンタジー等であれば無視して下さい)。
先ずは騎士の収入源ですが、基本的には封土です。ただ、防衛等の維持費が高いので、封土の収入によりますが、基本的に封土を与えられないと生きていけません。騎士の定義にもよりますが、そもそも
「封土を待たない騎士は騎士などではなく兵士である」
と言う見解もされます。従いまして、騎士にとって封土は最重要だった訳です。
その次が「トーナメント(馬上槍試合)」です。
これは普通の戦争と変わらない「複数の騎士同士」の戦いもあれば、「騎士の一騎打ち」と言う試合形式もありました。此処で重要なのは、形式ではありません。
「打ち負かした騎士を捕虜にして、身代金と戦利品を得る」
事です。トーナメントを取り入れたい方々は、是非参考になさって下さい。かなり現実的にしたいのであれば、是非取り入れて下さいね。
ただ、サブカル向けなのはむしろ、
貴婦人の要望に応える
と言う側面でしょう。騎士道ロマンスに於いても、恋愛関係にある騎士と貴婦人は、しばしばトーナメントで貴婦人の要望に応える描写が為されます。貴婦人の手袋を付けたり、貴婦人の下着を身につけたり。
つまり
貴婦人の要望に応える為に戦える場所
でもあった訳ですね。是非参考になさってください。
騎士の仕事に関してですが、封土が切っても切り離せないため、封土の管理も仕事の一つです。
農奴と相談して管理していた
騎士も居ます。かなり距離が近かった訳です。そう言う背景も覚えておいて下さい。
騎士には封土が必要なの?黒騎士や、封土を待たない騎士を登場させたいんだけど!
そんな方々、ご安心ください。
次に、封土を待たない騎士、自由騎士について取り上げます。
●封土を待たない自由騎士
取り上げる前に、改めて説明しておきますが、定義によっては「騎士ではない」と見做されますので、前もって定義付けておいて下さいね。
封土を待たない「自由騎士」の収入源は、主にトーナメントや戦場での捕虜や戦利品です。或いは、契約して一つの戦場につき報酬を貰う集団がありました。
そう、彼等こそがフリーランサーです。現代の
フリーランス
の語源です。やってる事は変わらない。むしろ、時代が繰り返していると言う見方も出来ます。この点は、また違うテーマで紹介します。
封土を待たない騎士の数は結構多かったものと思われます。
というのも、騎士の母数が多いのに対して、貸し与えることが出来る封土の面積も足りなければ、
多くの封土を持つ騎士も居た
からです。従いまして、自称騎士(傭兵とも呼ばれます)やフリーランスは当たり前のように存在していたのでしょう。
最後に、黒騎士について紹介します。
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