見出し画像

騎士の定義について。

お疲れ様です。

御閲覧下さり、ありがとうございます。

今回は、前回お話ししました通り、騎士の定義についてお話しします。これが少しややこしくて、「中世の騎士」と言う話で議論する際に共通の認識を持たないといけないので、ある程度の定義はあるんです。あるのですが、それを鵜呑みにはして欲しくないので、此度は例外と共に定義を見ていき、妥協点を紹介出来ればと思います。


先ずは一般的な定義について紹介します。

ずばり、「騎士の叙任式を経ていて封土を持つ騎士階級の騎兵」ですね。これが一般的なのですが、例外が沢山あります。先ずはこの定義の例外を紹介します。


先ずは騎士の叙任式なのですが、これは殆ど例外を見ないですね。と言うのも、「短期間で見れば」例外はあるのですが、その騎士が「長期にわたって騎士であり続けるならば」殆ど例外が無いと言うことです。

この点の例外ですが、実は戦地へ赴く際に数合わせの為に乗馬経験がある召使を「騎士の格好をさせる」事があったんですね。その記録は残っているのですが、実名で解明されているものは多くありません。

騎士の格好と言うのは、謂わば「盾に家紋が描かれて」いて、「金の拍車」を付けていると言うことです。この家紋と金の拍車は、騎士の叙任式を経て騎士として認められ無ければ与えられない物でした。それを身につけていた存在ならば、その戦場に於いて「騎士の一槍」として数えられていたんですね。従って、この場合のみ例外は認められます。


次は、「封土を持つ」と言う点です。これはハッキリとした例外がありまして、だからこそ「自由騎士」や「遍歴の騎士」との違いがあやふやになる所でもあります。

この点の例外と言うのが、「金銭での契約」をしていた騎士が少なくは無かったと言う事です。ある程度の封土を貰ったとしても、存続が厳しいと言う騎士が大勢居ました。それも、(13世紀半ばまでは)城主としか契約出来なかった事から、封土が細切れになってしまって、1人の騎士が多くの封土を牛耳ったり全然封土を与えなかったりと言う事があったので、当てにならなかったんですね。ですので、封土よりも金銭や物品での契約が広く認められており、12世紀には既に確認されています。

余談ですが、自由騎士と呼ばれる契約主が居ない騎士が居たのですが(フリーランスの語源であるフリーランサーです)、彼らも封土を持たず契約金を受け取って戦場へ出兵していました。彼らは自由騎士、騎士として認められているのに封土を持たない騎士。果たして、何が違うのでしょうね?


最後に、「騎士階級としての騎士」の点ですが、これも殆ど例外はありません。ただし、例外らしきものはあります。既に述べたように「短期的に見れば騎士では無い、数合わせの騎士」や「自由騎士や傭兵との違い」の問題点も当て嵌まりますが、もっと違うところがあります。

ここから先は

1,137字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?